120グラムという重量について「既存のワンセグケータイより、少しでも軽くしたかったんです」(丸山氏)という思いがあった。ワンセグのための画面サイズや操作性などを損ねず、かつ腕に装着できるぎりぎりの重量だった。
(実際に装着してみると少々、いや多少、いやいやかなり重いんですけど)
「腕に付けると確かに大きくて重いんですけども、キャンペーンの景品ですので。これを売り出すとなるとちょっと違うのでしょうが、なにせ“ナントカ警備隊”なのですから(笑)。当たった人もどうかお許しくださいね」(丸山氏)
(……顔に出てしまったようだ)
なお、このサイズの実現に最も苦労した点がバッテリーだった。ワンセグケータイなみの視聴時間は少なくとも確保したい。小さいにこしたことはないが、容量が少ないと視聴時間も短くなってしまう。専用のものを作るとなるとどれだけ製造コストが上がるか、考えただけでも怖い。ここは、携帯の製造では一日の長があるNEC(テクノロジー)を製造先に選んだメリットが生きた。既存の携帯向けバッテリーで、極力小さいがパワーがあるものが見つかった。ワンセグ放送は連続で約2時間視聴できる。
背面には、時刻と年月日、曜日を1色赤文字で表示する液晶が備わる。「なにせ“腕時計”ですからね」(丸山氏)というように、前面/背面含めて表示パターンをカスタマイズするような機能は備えていない。
前面の2.4インチ液晶には上部にバッテリー残量と時刻が表示される。
「よ〜く見てください。このアイコンを」(丸山氏)
……電池残量アイコンがビールのジョッキだ。芸が細かい。
「これ以外にも待受画像や着信音でも遊ぼうと思っています」
着信音には、無難なもの、アサヒスーパードライのテーマ、そして「“それっぽい”もの(笑)」(丸山氏)を用意する予定とのことだ。“それっぽいもの”をあれこれ妄想している私ら二人に、同席していた同社広報Sさんの冷たい視線が刺さっていた。
スーパーワンセグTV Watchはキャンペーン終了後、2007年1月頃に当選者へ届けられる予定となっている。2006年9月現在は「ハードウェア仕様が決まり、生産体制に入るところ」(丸山氏)だという。
これを読んでいる読者は当然「スーパーワンセグTV Watch」狙いだと思うが、外れてしまったユーザーにも抽選で10万名に、製造後3日以内のアサヒスーパードライをクール便で届けるというコースを用意している。
「“誰もそんなこと思いつかないだろう”みたいなことをやることにより、アサヒビール自体の躍動感とか、常に新しいことをチャレンジしているな、ということを伝えたい」と丸山氏。最後の締めとしては少々優等生っぽい気もするが、なにより多くの人を“グッ”と来させたこの景品が当たった人は、確実に半年は自慢できるだろう(もし当たった読者の方がいましたら、編集部まで自慢しに来てください)。今後行われる同社のキャンペーンも、どのような“グッ”と来るものを用意してくるか、大いに注目したいところである。
製品名 | スーパーワンセグTV Watch |
---|---|
本体形状 | 折りたたみ/クラムシェル型 |
本体サイズ | 91.5(幅)×58(奥行き)×22.3(厚さ)ミリ |
本体重量 | 約120グラム(オプション含まず) |
本体材質 | 本体:ABS、ベルト:PU |
液晶 | 前面:320×240ピクセル表示対応2.4インチカラーTFT(ホワイトバックライト付き)、26万2144色 背面:80×20ピクセル単色液晶 |
バッテリー | リチウムイオン(着脱可能) 電圧:3.7ボルト〜4.2ボルト |
着信LED数 | 1 カラー:ブルー/レッド(充電時/着信時に点灯) |
着メロ和音数 | 16和音以上 |
外部スピーカー | モノラル |
搭載インタフェース | W-SIMスロット、イヤフォン/マイク端子 |
連続待受時間 | 約500時間(電波状態による。以下同) |
連続通話時間 | 約3時間 |
連続TV視聴時間 | 約2時間 |
本体カラー | シルバー、白、赤 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.