Windows Mobile 5.0を搭載する「hTc Z」は、Internet ExplorerやPocket Word/Excel/PowerPointなど、Windowsでもおなじみのアプリケーションが搭載されている。PCで作成したファイルを扱いやすいのも、Windows Mobile端末のメリットの1つだ。
hTc Zには、Windows Media Player 10 Mobile for Pocket PCも入っている。“Mobile”という表記がつくとはいえ、れっきとしたWMP10。ということは、著作権管理技術のWindows Media DRM 10もサポートしているのではないだろうかと考えた。
もしWindows Media DRM 10に対応しているなら、国内初の定額制音楽配信「Napster」(10月3日の記事参照)も利用できることになる。しかし運営元のナップスタージャパンのサイトには対応プレーヤーとしてhTc Zの名前はない。マイクロソフトに確認したところ、「たぶん大丈夫なはず」と、なぜか心もとない返事。WMP10 Mobile自体はDRM10に対応しているが、Napsterはテストしていないということだろうか。
そこで使えるのかどうかを試してみることにした。ActiveSyncの要領でPCとhTc ZをUSBで接続。Napsterアプリを立ち上げると、「ポータブルプレイヤー」としてばっちり認識された。
あとの手順は簡単だ。すでにNapsterを利用していれば、約150万の曲を好きに探し回り、気に入った曲があったら、画面右下に現れるプレーヤーアイコンに曲をドラッグ&ドロップしたり、あらかじめプレイリストなどを作成してから、それを一気に転送したり……。やり方は自由だが、どんどん曲を転送できる。
とはいえ、hTc Zのワークエリアは全体でも64Mバイトと少ない。ここはmicroSDカードを用意する必要があるだろう。音楽をたくさん持ち歩きたいなら、できるだけ大容量のものを手に入れておきたい。microSDは安い店なら1Gバイトのカードを5000円ぐらいで入手できる。
気になるのは、NapsterアプリからhTc ZのmicroSDカードに直接音楽ファイルを同期する方法が見つけられなかった点。何らかの方法があるのかもしれないが、とりあえずMusicフォルダをmicroSDカードに移動し、WMP上で再生することはできた。ちょっと完全対応とは言い切れなかった部分だ。
音楽を聴くためのイヤフォンは付属のものを使う。イヤフォン端子がないhTc Zは、イヤフォンをUSB端子につなぐ方式を採用しているので少々特殊なのだ。このイヤフォンは通話用にも使うため、リモコンがついているが、音楽用途には使えない。好きなヘッドフォンを装着するのも無理だ。
その点はちょっと残念だが、音楽を聴く場合はこのリモコンを使ってhTc ZでWMPを起動し、好きな曲を再生できる。音質は、低音の響きや高音の鳴りなどの細かいところは気になるものの、手軽に通勤時などに使うに分には許容範囲内といったところだ。
音楽を聴いている間に電話がかかってくると、自動で音楽は一時停止になり、終話後、再び自動で再開する(設定で変更できる)。イヤフォンから着信音が聞こえ、そのままリモコンの通話ボタンを押せば通話できる。リモコンはマイクも兼ねているので、そのままハンズフリーでの通話が可能。この一連の流れは、携帯電話とオーディオプレーヤーが別々だと不可能なパターンだ。
再生中の音量変更は、側面のジョグホイールで行える。これは操作しやすい。少々気になったのが、音楽再生中は本体右側面の電源ボタンでの画面オフ操作が使えない点。使えないというか、音も止まってしまう。誤操作を防ぐためにキー操作を無効にするには、Windows Mobile標準の「デバイスのロック」機能を使うことになりそうだ。
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