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» 2006年11月09日 21時09分 UPDATE

ソフトバンク孫社長「MNPでは大変善戦していると思う」 (1/2)

ソフトバンクの中間決算発表でも、話題の中心はソフトバンクモバイルの携帯電話事業だった。10月24日に始まった番号ポータビリティについて孫正義社長は「大変善戦している」と話した。

[園部修,ITmedia]
Photo ソフトバンクの孫正義社長

 ソフトバンクは11月8日、グループとしての中間決算を発表した(11月8日の記事参照)。連結売上高は前年同期比5973億円増の1兆1201億円、営業利益は1081億円増の1125億円を達成。経常利益は761億円増加して626億円となり、大幅な増収増益となった。移動体通信事業(ソフトバンクモバイル)の売上げが上乗せされたことで売上高は1兆円を超え、グループの営業利益と経常利益は共に過去最高を記録した。

 そんな順調な決算発表の席上で、孫正義社長が最も長い時間を割いたのは、やはりソフトバンクモバイルについての説明だった。登壇した孫氏は、開口一番番号ポータビリティ(MNP)制度の運用を開始した最初の週末にトラブルを起こし、ユーザーと他キャリアに迷惑をかけたことを謝罪。11月6日以降も、既存顧客の機種変更などの受け付けを早めに切り上げるなど、コントロールしながらの運用が続いているが、「大きな山場は超えた」という。また広告の表示についても、誤解を受けやすいという指摘を受けて変更したことを明らかにした。

 ソフトバンクモバイルのオペレーションデータについては「携帯電話事業は着実に底を打って上向きになってきた。3Gの契約数が増えてきたことで、ARPU(1人あたりの月間平均収入)も第1四半期に底打ちしたと見ている。獲得手数料単価(販売奨励金)も落ち着き始めている」と孫氏。

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 実際、ソフトバンクモバイルの契約数は10月末で1533万人に上り、3G比率は3割を超えた(11月8日の記事参照)。ARPUは5700円で、2005年度第2四半期と比べると230円減という値。しかし、2005年第4四半期に5600円、2006年第1四半期に5590円と減少傾向にあったものが、今期は5700円に回復している。解約率は1.27%にとどまり、新規獲得手数料単価も4万3800円と従来よりも安い水準だ。

 また同氏は今回の会見でも、ソフトバンクがボーダフォンを買収して以来、常に会見の場で説明する「4つのコミットメント」の進展状況を報告した。4つのコミットメントとは、ソフトバンクモバイルが目標として掲げている

  1. 3Gネットワークの増強
  2. 3G端末の充実
  3. コンテンツの強化
  4. 営業体制/ブランドの強化

のことだ。

やや遅れも見える3Gネットワークの増強作業

 2006年9月末の時点で、ソフトバンクモバイルの3G基地局数は2万4539局になった。2006年度第1四半期の決算発表で明らかにされた6月末の2万2771局から1768局が増えたことになる。9月末の人口カバー率は99.97%を達成した。

 しかし、同社は2007年3月末までに基地局数を4万6000局まで増備するという目標を立てている。3カ月で1768局しか増えていないのでは、残り2万1000局あまりを半年で設置するという目標は、少々無理があるようにも思える。11月7日には、YOZANが首都圏に持つWiMAX/PHSの基地局3500局を共用することを発表したが(11月8日の記事参照)、それでもまだ1万7000局以上が残る計算になる。

 この点については「目標達成が数カ月遅れてもあまり攻めないでいただきたい」(孫氏)と、珍しく少々弱気の発言が出た。しかし「2〜3カ月遅れてお叱りをいただくことになるかもしれないが、着実に毎月基地局の増大を目指している。(基地局を増やし、つながりにくさを解消するという)方針は一切変わっていない」と、あくまでも目標達成に向けて作業を進めていることを強調した。

 この間の基地局数の拡大に伴って、ソフトバンクユーザーのネットワークの満足度も毎月徐々に指数が上がってきている。10月末のネットワーク満足度は、6月末と比べて9ポイント改善された。

 「ボーダフォンを買収するまでは、ドコモの携帯を十数年使っていた。買収後にボーダフォンの携帯を使い始めたが、もしかしたら通じないところが多いのではないかと不安で、最初の2〜3カ月はドコモの携帯と2台持ち歩いていた。しかし、ここ何カ月かはソフトバンクの携帯1台だけで日常を過ごしている。たまに郊外の温泉やゴルフ場に行ったときにつながりにくいこともあるが、日常生活には支障がないと感じている」(孫氏)

 さらに、自宅でのつながりにくさを解消するため、ホームアンテナを設置するサービスを実施していることも紹介した(10月18日の記事参照)。設置は無料で、実際にホームアンテナを取り付けた顧客には非常に好評だという。

 HSDPAを利用した高速通信も、10月末時点で3000局以上でサービスを開始しており、すでに約70%の人口カバー率を実現している。順次全国主要都市への展開を進め、「対応端末も続々と登場する」(孫氏)と期待を持たせた。

「薄さナンバーワン、品ぞろえもナンバーワン」

 従来は、他のキャリアに比べて貧弱だといわれていた端末のラインアップも、9月28日に発表した13機種54色と2機種11色の“隠し球”を年内に発売し、過去最多のモデル数と色数で勝負することを改めてアピールした。隠し球端末も11月中に発売する。

 「国内最薄の12.3ミリを実現した『706SC』や、スライド型3G端末としては世界最薄の『705SC』など、人気の『705SH SLIMIA』よりさらに薄型の端末を多数投入する。また業界最多の65色のカラーバリエーションをそろえ、さらに光学3倍ズーム付きの5メガピクセルカメラを搭載したハイエンド端末『910SH』も用意した。ボーダフォン時代は新機種といえば6機種前後、色数も十数色程度だったが、一気に強化した。これからは端末の品ぞろえが悪いといわれることがないよう頑張っていきたい」(孫氏)

 同氏は他社が年内に投入する端末の数や、他社が展開するカラーバリエーションの機種数を円グラフで示し、昨年の同時期とは状況が異なることをアピールした。機種数は、2005年は7機種と携帯3キャリア中最少だったが、2006年中に発売するモデルは15機種で、auの12機種、ドコモの8機種より圧倒的に多い。カラーバリエーションの展開も、2005年は約半数がドコモの端末だったが、2006年はソフトバンクがほぼ半数を占める。

 「ソフトバンクは薄さナンバーワン、品ぞろえもナンバーワン。ちなみに薄さというのは私の髪のことではありません」(孫氏)

PhotoPhoto 2005年のボーダフォンの秋冬モデルは7機種と携帯3キャリア中最少だったが、2006年中に発売するモデルは15機種で、auの12機種、ドコモの8機種より圧倒的に多い。カラーバリエーションの展開も、2005年は約半数をドコモの端末が占めていたが、2006年はソフトバンクがほぼ半数に上る
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