圧巻のワイドVGA液晶。発色の鮮やかさも優秀──「W51H」荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)

» 2007年04月03日 19時23分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 では室内の作例を見ていこう。

 W51Hは手ブレ軽減モードを備え、設定メニューからオン/オフの切り替えが行える。手ブレ軽減機能は感度とシャッタースピードが上げることで手ブレの影響を抑えようというものだ。

1/25.2秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:オート、シーン:標準1/100.6秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:オート、シーン:標準 標準(左)、手ブレ軽減機能オン(右)

 上記の作例はほぼ同条件下のものだが、シャッタースピードは1枚目が1/25秒、2枚目はなんと1/100秒。大きく違う。よって感度をかなり上げているのが分かる。その反面、ノイズ量が増え、ディテールもあやしくなる傾向が強くなる。シャッタースピードの差が大きい分、画質の差も大きいのに注意したいところだが、どちらも赤や黄色が鮮やかに出たのは上出来といえる。

 次は同じようなカットを白熱灯の下で。

1/20.1秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:オート、シーン:標準 白熱灯下で撮影

 ウソのように、オートのままきれいに色が補正された。白熱灯下で撮ったとはとても思えないくらい。これはなかなかすごい。こうしてみると、室内撮影時の鮮やかさが印象的だ。

1/25.2秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:マニュアル、シーン:標準、被写体との距離範囲:マクロ いちごケーキ(マクロ)
1/20.1秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:オート、シーン:標準、被写体との距離範囲:マクロ 赤いミニカー(マクロ)

 この2枚はマクロモードで撮っている。ケーキの作例はいちごの赤が色鮮やかに出おり、なかなかよい。光が当たる生クリームの部分は白飛びしているが、この場合はこれを白飛びさせてでも全体に明るく写った方が映えるケースなので、これはこれでよし。ミニカーの赤もなかなか鮮やかだ。

サイド十字キーとタッチセンサーはえらい

 W51Hは本体側面に備える十字キーのほかにもう1つ、指紋センサーもカメラ機能の操作に使える。

 まず側面(ビュースタイル時は上面)の十字キーのおかげで、ビュースタイル時であってもメニュー操作が直感的に分かりやすい。側面の[決定]キーでメニューを表示し、側面の十字キーで選択。端末を閉じたまま、これらを自然に操作できるようになっている。

 メニュー設定項目はかなり豊富だ。特にマクロ/ライト/手ブレ軽減/ホワイトバランスの4つはすぐ設定できるよう独立した項目になってるため、項目数が多いことになる。

 そのほか特徴的なのはシーンモード。シーンモードの数はけっこう多い。例えば“料理”にするとこんな違いが出る。

1/20.1秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:オート、シーン:料理、被写体との距離範囲:マクロ1/16.7秒、F:不明、ISO:不明、EV:不明、WB:オート、撮影モード:オート、シーン:標準、被写体との距離範囲:マクロ シーン:「料理」(左)、標準(右)

 シーンを“料理”にすると、自動的にマクロモードになり、色がちょっと鮮やかに。さらに撮影補助用ライトも自動的にオンになるという具合。手動でこれらの操作を1つ1つ設定するよりかなり手軽だ。

 メニューの筆頭にある「フレーム」は、240×400ピクセル以下の時のみ有効になるフレーム入り写真が撮れる機能(残念ながらワイドVGAでは使えない)。この窓枠や水中のようもののような、凝ったフレームが用意されており、なかなかおしゃれだ。240×400ピクセルだと縦位置の写真になるので、ビュースタイルではなく端末を縦に構える“ケータイスタイル”で撮ることになる。ちなみにメニューのUIも、ケータイスタイル時はきちんと縦位置用になる。

photophoto 「フレーム機能」を使って作成したフレーム入り写真
photo 操作にやや慣れは必要だが、上下/左右とタップ操作が行える指紋センサー

 指紋センサーはメインディスプレイのヒンジ付近に搭載されている。つまり、横向きの“ビュースタイル”時に左手の親指で操作できる位置に指紋センサーが来る。上下になぞるとデジタルズーム、左右だと露出補正(明るさ補正)の操作が行える。さらに、ダブルタップするとメニューを表示。指のスライドで項目移動の操作が行える。つまり、十字キーと[決定]キーの代わりとしても使えるのだ。

 センサーそのものが小さいので操作にもややコツが必要だが、両手で構え、右手の人差し指はシャッター、左手の親指はセンサー操作という感覚を覚えれば、側面のキー類(撮影時は上面)をいちいち見なくてもひととおり操作できるのはよいアイデアだと思う。

 個人的にはダブルタップ時の内容をカスタマイズできるとうれしかった。マクロモードのオン/オフをもっと迅速にしたいと思ったから。



 全体的に見ると、写真の解像感こそは207万画素カメラの通りだが、発色がよいのは好印象。特に室内できれいに撮れる。

 やや気になったのはレスポンス。1600×1200ピクセル/FINEで撮ると、保存に8秒強かかる。これはかなり長い。なお、撮影サイズを1280×960ピクセル(1.3M相当)に落とすと6秒弱に、ワイドVGAサイズにすると約2秒。撮影サイズを小さくするとそこそこ快適になるのが救いだ。

 再生時もそう。縦向きのケータイスタイル時にサムネイル状態で写真を選ぶと、せっかくのワイドディスプレイなのに横向きで表示される。これはビュースタイルにしても同様。ディスプレイいっぱいに表示させたいときは、ズームモードにして[発話]キーなどで画像を回転させなければならない(※初出時、誤解を招く箇所がありましたので一部修正しました。表示直後、[9]キーでも回転可能です)。不思議なことに撮影時後のクイックビューではちゃんと画面をフルに使って表示してくれるのだが……せっかくの高精細な大画面ディスプレイを採用したのにこれはちょっともったいない。せっかくのワイドVGAディスプレイなのだから、最初から画面いっぱいで見たいではないか。表示が90度傾くのなら、端末を横にすればいいだけの話で、そのための横向き操作用キーやデバイスも備えているのだし。こういうのはW51Hだけに限った話ではないのだが、携帯カメラは撮るだけでなく、再生や送信、転送までスムーズにできてほしいと思う。

 ともあれカメラとしてはけっこう使いやすい。画質も得手不得手はあるものの悪くないし、特に室内ではかなりホワイトバランス補正が優秀だった。そしてワイドVGAディスプレイは圧巻。撮影時もピントが合ってるかどうか分かりやすく、再生もハイコントラストで非常にきれいだ。

 そのため、画像サイズが大きいと記録に時間がかかるので、800×480ピクセルほどのワイドVGA写真を大型高精細のディスプレイを駆使して気軽にどんどん撮る、という感じで活用すると楽しく遊べそうだ。

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