CFカードタイプのD01NXはノートPCに加え、PDAでの利用も想定したデータ通信カードだ。現時点での対応OSはD01NEと同じだが、Windows Mobile 2003/2003SEやMac OS Xへの対応も予定されている。CFカードスロットしかないノートPCを使う場合や、将来的にMacやPDAでの利用も考えるなら、選択肢になるだろう。先述した通り、D01NEに比べてエクステンド部が若干短く、外部アンテナが付属するのが特徴だ。
これが付属の外部アンテナで、固定用ホルダーとの2ピース構造。いかにも簡易アンテナではあるが、ホルダー(の挟み込む部分)にゴムが取り付けられているなど、凝った作りだ
D01NXのバス幅は16ビットだが、CardBus仕様(32ビット幅)のD01NE同様にUSBホストコントローラを内蔵し通信チップを接続している。USBホストコントローラは原則PCI(32ビット)接続なので、D01NEよりもむしろ変則的なハードウェアといえるだろう。
付属CDからドライバとユーティリティをインストールすれば、設定作業なしにインターネットに接続できる。もちろん、OSのネットワーク接続からダイヤルアップのエントリーを作成し、ユーティリティからインターネットに接続することも可能だ。
D01NXのユーティリティはD01NEのものとインタフェースが異なるが、機能はほぼ同じで、確認のダイアログが少々くどいのも同様だ。D01NEと比べて気になったのが、ソフトの起動や端末(D01NX)の認識、インターネットへの接続/切断といった動作が遅い点だ。
あくまで1つの事例だが、今回のレビューで用いた筆者の作業用ノートPC(ThinkPad T43)では、接続指示から接続まで10秒以上の待ち時間が発生した。このPCは過去にさまざまな通信機器を認識させているので(今回のD01NXなどはシリアルポートのCOM27として認識した)、改めてWindows XPをクリーンインストールしたノートPCで試したところ、おおむね2〜3秒という待ち時間になった。ただし、どの条件でもD01NEのユーティリティより動作が緩慢なことに変わりはなかった。
それよりも不満を感じるのは、ユーティリティ使用時のスタンバイ/休止モードへの移行だ。移行時にはユーティリティが接続を切断するが、確認ダイアログの「OK」をクリックしないとスタンバイや休止に移行してくれないのだ。
筆者はこのことに気がつかず、休止させたつもりでカバンにノートPCを入れて移動し、気が付いたらバッテリー残量が空になるという状態に陥ってしまった。ちなみにユーティリティを使わず、OSのネットワーク接続からダイヤルアップすれば、この問題は発生せず、復帰後のモデム認識も問題ない。
これはハードではなく、ユーティリティソフト側の問題だと思うので早急な改善を望みたい。現状では、純正のユーティリティを利用する方が不便という状態だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.