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» 2007年06月25日 20時13分 UPDATE

NOKIA CONNECTION 2007:“世界に通用する”ケータイの作り方──Nokia流携帯開発術 (1/2)

さまざまな文化圏の国々に端末を供給するNokia。世界各国で受け入れられる端末は、どのような方法で生み出されるのか。また、未来の携帯はどんな姿になると考えているのか──。端末開発に携わるキーパーソンたちの言葉からその一端が垣間見える。

[後藤祥子,ITmedia]
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 携帯電話は機能で選ぶ時代から、自分のライフスタイルに合わせて選ぶ時代へと変化している。日本はその傾向が顕著で、さまざまなデザイン、色、機能、ユーザーインタフェース、サイズ、重さの端末が登場するようになり、選択肢の幅は大きな広がりを見せている。

 ワールドワイドで端末を供給するNokiaの場合、ライフスタイルに沿った携帯の開発は、困難を極める。それぞれの国の文化やトレンド、ニーズを考慮した上で端末を開発する必要があるからだ。

 どの国でも受け入れられる端末を生み出す秘訣はどこにあるのか。Nokiaは未来の携帯の姿をどのようにイメージしているのか──。端末開発に携わるキーパーソンたちの言葉からその一端が垣間見える。

文化人類学の見地からニーズを探る──ヤン・チップチェイス氏

 世界各地の人々の生活の中で、携帯はどのように位置付けられ、どんなニーズがあるのか。Nokiaのヤン・チップチェイス氏は、人間行動学の見地から各国の人々のライフスタイルを調査することで、それを探っている。「世界各地でストーカーのように(笑)人にくっついていき、どんなことをしているかを探る。携帯がどのように使われているかを理解するには人とのコミュニケーションが重要で、なるべく多くの人にインタビューするようにしている」(チップチェイス氏)

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 こうした調査から得られる情報はさまざまだ。エジプトのカイロでは祈りが生活の重要な位置を占め、それをサポートする機能を持つアプリがあること、電気や水が各家庭に届いていないようなコミュニティでも携帯を持ちたいと思う人は多く、1つの端末を何人かで共有して使いたいというニーズがあること、字が読めない人も多いインドでは、アイコンで機能が分かるような仕組みが必要とされていること──。こうした情報を開発チームと共有することが、ライフスタイルに密着した製品作りにつながるという。

 「携帯を使う際のモチベーションは、年齢や性別、文化によって異なる。それぞれの属性の人が、日々何をどのように持ち歩き、どんなふうに使っているのか──これらを調査することで、人が何をパーソナライズしたいのかという要素が見えてくる。調査から得た人それぞれのライフスタイルをNokiaの製品にインポートするのが私の仕事」(チップチェイス氏)

sa_nd07.jpgsa_nd25.jpgPhoto イスラム圏で使われているお祈りサポートアプリ(左)。1台の携帯を共同で使いたいというニーズも(中)。ストラップの利用に関する調査も行う(右)

sa_nd06.jpgsa_nd26.jpgPhoto 携帯をベルトに付けている人はどれくらいいるのか、どの国でサイフを持ち歩く人が多いのか、携帯をどのように持ち歩くかなど、調査項目は多岐にわたる

携帯の未来の形を考える──リース・ニューマン氏

Photo 携帯の将来の形について研究するリース・ニューマン氏

 「3年から5年、5年から15年先の携帯電話は、どんな形になるのか。人のモチベーションやニーズから携帯の未来の形を考え、それが必要な時が来たら柔軟に対応できるようにする」──。これがInovation & Insightグループでシニアデザインマネジャーを務めるリース・ニューマン氏の役割だ。

 技術がとてつもないスピードで進化し、利用シーンが広がる一方なのが携帯電話の世界であり、携帯の未来を予測するのは難しそうに思える。ニューマン氏は、いつの時代でも変わることのない「コミュニケーションのモチベーション」を発想の軸に据えることで、未来の携帯の姿を模索するという。

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