行列に並んで「iPhone」を買ってきましたApple Store San Franciscoの6月29日(1/3 ページ)

» 2007年06月30日 16時30分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

 6月29日(現地時間)、日本時間では6月30日の早朝から、いよいよ米Appleと米AT&Tから「iPhone」の販売が始まった。

 ニューヨークの5番街にあるApple Storeでは、iPhoneの登場を待ちきれないユーザーたちが4日ほど前から行列を作っている様子などが報道されていたが、発売日を目前に控えた28日には、ニューヨーク以外の各地の店舗でも徹夜組の行列が見られるようになった。

 筆者がiPhoneを購入するべく行列に加わったサンフランシスコ市内の店舗もその1つ。今回は前日の行列の様子から、当日の発売、そして購入までの様子をリポートしていこう。

PhotoPhotoPhoto iPhone専用の袋付き。パッケージはとても小さい

「iPhoneを絶対にゲット」するために

 米国内では、iPhoneの全貌が明らかになるにつれ、その入手方法についても数々の情報が飛び交い、確実に購入するにはどうすればいいか、ユーザーの間で活発に議論されるようになった。最終的にはAppleが、全米のApple Storeと、iPhoneの供給を受けるAT&T Store(全国に約1600店舗)にて、29日午後6時から一斉に提供することを明らかにした(米国内には時差があるが、販売開始時刻は現地の時刻に合わせられた)。

 噂では、ローンチに合わせて数十万台のiPhoneが用意されたといわれているが、これを全店舗に展開するとなると、1店舗あたりの販売可能端末数は当然限られたものとなる。そこで確実にiPhoneを入手するためには、AT&T Storeに早めに並んで少ない台数を確実にゲットするか、あるいは端末の配給台数が多いと予想されるApple Storeの基幹店舗を狙うことになる。

 基幹店舗での販売台数が多いことは、営業時間と販売制限からもうかがえた。Apple Storeでは、iPhone発売当日の午後2時過ぎに一度閉店し、準備を整えた後に午後6時に営業を再開、そこから深夜までiPhone販売のために店を開け続けることが明らかにされている。またAT&T Storeでは、1人あたりの購入可能台数が1台に限られたのに対し、Apple Storeでは1人2台まで購入可能だ。当日に長い行列ができ、多くの人が購入していくことを考えれば、よほど大量のiPhoneが用意されていなければ営業を続けることは難しいだろう。

 今回、「iPhoneを確実にゲットする」ために、筆者は自宅(サンフランシスコ)に一番近い基幹店を選び、そこで並ぶことにした。早朝から並んだとして、販売開始の午後6時までには12時間近い待ち時間があるため、場所取りの交代要員として、西海岸で一緒に仕事をしている同業者Y氏に声をかけ、ときどき交代しながらiPhoneゲットに向けた行動を開始した。念のため前日あたりから行列の長さを定期的に観測し、もし入手が難しくなりそうなほど行列が長くなるようなら、早めに並ぶということも検討しつつ──。

PhotoPhotoPhoto 発売10日ほど前からApple Store店頭に出始めた29日のiPhone発売を予告するディスプレイ。店員のシャツも29日の発売を予告する柄のものに替わっている
PhotoPhotoPhoto AT&T Storeでも、発売1週間ほど前から模様替えが始まった。店内にはiPhone専用の展示ブースがあり、大きなディスプレイとドック2個が用意されていた。ドックは空の状態だが、おそらく当日午後6時以降は実機での実演が行われるものと思われる。同様の展示用ディスプレイはApple本社にも用意されており、そちらでは実機デモが行われているようだ

行列の先頭は28日早朝からスタート、徹夜組には普通のビジネスマンも

 28日の朝は朝食を兼ねて外出し、開店前のApple Storeサンフランシスコ店の様子を確認。開店は午前10時だが、9時半の時点ですでに30人近い人々が所狭しと集まっていたため、一瞬ギョッと驚いたが、その多くは普通に開店を待っていた人だった。開店後に再び様子を見に行ってみると、そのうちの10人ほどが最初の“iPhone待ち”行列を作っていた。iPhone発売まで約32時間、これがサンフランシスコ店最初の行列となった。

 昼過ぎに再び顔を出してみると、行列の最後尾がApple Storeの2軒隣の店の入り口にさしかかっていた。そのためストアの店員が行列を店舗沿いから道路側へと移動させる様子を確認できた。行列の中にはスーツを着たビジネスマンふうの人も加わり、歩道に座り込みながらノートPCと携帯で必死に仕事をこなしていた。この後、筆者は2時間おきくらいに定期的に行列の様子を観察し、それ以外の時間は自宅に戻って仕事を続けた。

 28日も夕方の6時ころになると、行列も多少長くなってきた。“待ち”の人数は約30人を越え、場所取りだけしていたスペースに仲間数人のグループが集合し始めた。このころになるとテレビ局のクルーも集まり、街頭インタビューなども始まった。なぜかパターゴルフのコースを造って、通行人を巻き込んで大騒ぎする仮装集団が行列に。

 28日の閉店時間である午後9時少し前に再び行列の様子を観察しに行くと、行列の人数は50人ほどにまで増えていた。時間的にみてこれから大きく待ち人数が増えることはないと判断し、自分は行列に並ぶのを発売当日の早朝に決めた。そして同日7回目のApple Store来店となる22時半の観測をもって、この日の行動は終了。行列は夜のパーティの様相を呈しており、むしろ昼間より賑やか。ただし行列の先頭のメンバーは疲れがたまっているらしく、すでに就寝モードに入っている人もいた。

PhotoPhotoPhoto いよいよ発売前日。発売日を予告するボードの内容が当日の営業時間を示すものに変わり、発売が近いことを予感させる。昼を過ぎたころ、行列が2軒隣の店にかかりはじめたため、列が店側から道路側へ移動。行列の中で仕事をしながら発売を待つスーツを着たビジネスマンの姿も
PhotoPhotoPhoto 夕刻が近づくと、Apple Store近くの歩道にバリケードが出現。お祭り等のイベントでよくお世話になるバリケードだが、発売当日の大行列を捌くために使われるのだろうか? 夕方6時を過ぎると、行列の長さは昼の倍の長さに、かなり賑やかになってきた。米国の6月は夏時間に加え夏至の時期、サンフランシスコの日没は夜の9時過ぎということもあり、街はまだまだ昼の雰囲気。行列の中には、テレビ局からインタビューを受けている人もちらほらと
PhotoPhotoPhoto 行列の場所になぜかパターゴルフのセットを組み、通行人とホールインワンゲームで遊ぶ集団も。異様にテンションが高くて圧倒される。午後9時に近づいたApple Store閉店直前の様子。行列はさらに長くなり、すでに3軒隣の店の前まで続いている。周囲も暗くなってきて、野営の雰囲気が出てきた
PhotoPhotoPhoto 夜10時半を回ったところ。待ち人数は午後9時台よりさらに増え、ざっと50人前後に達した。待ち人同士での会話も弾み、けっこう賑やかだ。行列の先頭に近い集団はすでに待ち時間が12時間を突破しており、お疲れの様子。折りたたみ椅子と毛布でお休みモードへ。待ち行列の中には犬を連れてきた人もいて、皆で楽しそうに遊んでいる

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