“ホントに速くなった”携帯カメラの完成型、1つのカタチ──「SH904i」荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/4 ページ)

» 2007年07月02日 23時22分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 SH904iはカメラ機能を使ったユニークな機能が2つ搭載する。1つは1280×320ピクセルのパノラマ撮影機能だ。

 最近、パノラマ撮影機能を持つ端末が増えているが、SH904iは十字キー左下の[メール]キーで、すぐパノラマ機能を呼び出せるようになっている。あらかじめショートカットキーが割り当てられている部分などから、この機能になかなかの力を入れているのが伺える。

 パノラマ撮影は、ピントを合わせて撮影を始めるとする表示される中央の十字ポイントに従って携帯を横方向へ動かすと、横長の写真が撮れるというもの。地平線を十字の高さに合わせ、上下がずれないようにカメラを横に、体を中心に回転させるように動かすように撮る。手動で風景をスキャンするというイメージだ。

photo 撮影したパノラマ写真。撮影中に被写体の明るさが変化するため、どうしても方向によって露出のズレが出てしまうのだが、おもしろい写真を簡単に撮れる

 移動の速度がちょうどよければ「Good」、遅ければ「Slow」、速すぎたら「Fast」とナビゲートしてくれるので、それを見ながら動かすわけだ。なお、“Slow”なら問題ない(遅いとぶれやすくなるが)ことも多いが、“Fast”だとうまくつながらないことがあった。“OK”が出るまで撮影を行うと、約180度のパノラマ写真のできあがりだ(画像サイズが決まっているので、それより短いと左右に余白の入った画像ができあがる)。体を回転させる速度などのコツは、何度か試せば体得できるだろう。

 手で端末を動かしながらのパノラマ撮影というのはなかなか面白く、かなり遊べる。ちなみに、これで作成した横に広いパノラマ写真の再生時には、新操作デバイス「タッチクルーザーパッド」でノートPCのトラックパッドを操作するように左右になぞりながら移動して鑑賞できる。

 もう1つは、文字認識技術を利用した「名刺リーダー」機能。これは、メニューからたどる“LifeKit”から起動できる。名刺をカメラで撮影して読み取り実行、画像内の文字列を認識してテキスト化してくれる、いわゆるOCR機能である。

 読み取りにかかる時間は名刺の内容にもよるが、だいたい15秒くらい。読み取った結果をそのまま(誤認識された文字は都度手動で修正して)アドレス帳に登録できるという仕組みだ。

 読み取り精度はもちろん名刺の内容に依存する。手書き風の文字や、デザイン化された企業名のロゴなどはやはり困難だったが、よくある書体を使ったオーソドックスなスタイルの名刺の文字列なら、かなり認識できた。

 注意すべきは、ピントをちゃんと合わせて撮ることと、平らな無地の場所に置いて撮る(文字が書いてある紙の上は誤認識の元になってしまう)ことか。縦位置で撮る場合、横幅ぎりぎりに名刺が入る画角がちょうどよいようで、名前や会社名、メールアドレス、WebサイトのURL文字列を認識してくれた。

photophoto
photophotophoto 中央に写真が入っている、やや認識しにくそう(……と思われる)名刺で試そう。このくらいのサイズで撮っても十分認識するようだ(左)。このようにきちんと名前や電話番号、URLの文字列も認識してくれた。「i(アイ)」と「l(エル)」の誤認識や、凝った書体で印刷した部分など、うまく読み取れない文字列もあるが、標準的な書体のみの名刺なら会社名や部署名までをも自動的に認識するようだ

 ビジネスユーザー用としてはなかなか使えそうな機能である。ただ、うまく認識させるように撮るにはちょっとコツが必要で、例えば撮影時に「この枠に名刺が入るようにカメラの位置を調整してね」と枠線でナビゲートしてくれるような親切さがあってもよいかな。

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