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» 2007年10月17日 15時40分 UPDATE

Symbian Smartphone Show 2007:スマートフォンはPC、携帯電話、インターネットの中心に――英Symbian CEO

英Symbianのナイジェル・クリフォードCEOが、年次イベントで同社の現状とビジョンについて説明。ユーザビリティ、ネットワーク、バッテリー消費の3点を改善する、Symbian OSの新たな機能拡張にも言及した。

[末岡洋子,ITmedia]
Photo 英Symbianのナイジェル・クリフォードCEO

 10月16日、英Symbianが年次イベント「Symbian Smartphone Show 2007」を開催した。17日までの2日間、携帯電話メーカーやアプリケーション開発者らが集い、最新の技術を披露。同イベントはSymbianが開催する年次イベントで、Smartphone Showとしては、今年で3年目となる。規模は毎年拡大しており、今年は2日間で約4000人の来場者を見込むという。

 初日の基調講演にはSymbian CEOのナイジェル・クリフォード氏が登場し、モバイルインターネット時代のスマートフォンの役割について説明した。

順調な伸びを見せるスマートフォン市場、Symbian OSのシェアは72%

 クリフォード氏はまず、Symbianの業績を報告。この第2四半期にSymbianベースの携帯出荷台数は前年同期比52%増の1870万台となり、累計出荷台数は1億4500万台に到達。スマートフォンの出荷台数は2010年に10億台に達する見込みで、今後の大きな伸びが見込まれる市場だ。

 実際、スマートフォン市場は、急成長している。2007年前半、スマートフォンの出荷台数は、ノートPCやiPodを上回った(スマートフォンは4790万台、ノートPCは4560万台)。スマートフォンにおけるSymbianのシェアは安定しており、2007年第2四半期で72%を維持している。現在、世界の携帯電話のうち10台に1台はスマートフォンで、欧州では10台に9台のスマートフォンがSymbianベースだとクリフォード氏。Nokia、Motorola、Samsung、LG Electronics、Sony Ericssonといった世界トップ5のメーカーがSymbianのライセンシーで、15日にはMotorolaがSymbianのUI技術UIQ(Sony Ericsson)への出資を発表している。

 クリフォード氏は、スマートフォンはモバイルサービスをデリバリするプラットフォームであり、「デスクトップPC、インターネット、携帯電話の3つの世界がぶつかり合いながら融合する震央にあるのがスマートフォン」だと説明。スマートフォンこそが、コンピューティングの将来を担うとアピールした。

 しかし、そこに到達するまでには課題もあり、クリフォード氏は、データ、インタフェース、バッテリーの3つを課題として挙げる。データでは近い将来、メモリ容量が100Gバイトに達すると予測。ユーザーはこれを生かして、ビデオなどの人生の記録を残すようになるだろうと見る。インタフェースでは、人が会話するのと同じように、自然にアプリケーションやサービスにアクセスする技術が必要だという。バッテリーは、これらすべての土台となるものだ。「ハードウェア側、ソフトウェア側で高度で洗練されたアーキテクチャが求められている」とクリフォード氏は続ける。

Symbian OS v9.5、3つの強化点

 この日、Symbianは自社OS「Symbian OS v9.5」に3つの強化を施したと発表した。1つ目はスクリーンエフェクトの「ScreenPlay」だ。携帯電話の小さい画面に、大画面のようなエフェクト(効果)を出すことでユーザーの使い勝手を改善するグラフィックアーキテクチャ。レイヤー化することで透明性を出し、重ねて表示することも可能だ。この技術は消費電力に影響を与えない形で、ハイエンド機のハードウェアアクセラレーションを活用できるのも特徴の1つだ。

sa_sy02.jpgPhoto 画面をレイヤー化することで、エフェクトを出せるScreenPlay技術

 2つ目はIPネットワークアーキテクチャの「FreeWay」。クリフォード氏はこれを「家庭で利用する固定ブロードバンドを携帯電話で実現する技術」と説明する。スーパー3G、LTE、WiMAXなどのモバイルブロードバンド技術に対応するもので、高品質な動画ストリーミングを実現する。WiFi、3G/HSDPAなどさまざまなネットワークが混在する環境で最適なネットワークを自動で選ぶため、例えば“自宅に帰ると自動的に家庭のWiFiに接続する”といったことも可能になる。もちろん、既存のアプリケーションとの互換性も確保するという。

 3つ目は先日発表したSMP(Symmetric Multi Processing)のサポートだ。マルチコアプロセッサに対応し、アプリケーションに合わせてCPUをオンにしたりスリープモードにすることで、「パフォーマンスオンデマンド」を実現。これにより、電流消費と熱放出を低減できるようになる。

 クリフォード氏はまた、開発者向けの取り組みも紹介した。現在、5万人以上がSymbianアプリケーションの開発を手がけ、8000超のアプリケーションが流通。開発者の育成にも注力しており、34の大学がSymbian C++を学ぶ環境を提供しているという。

 また、認定プログラム「Symbian Signed」も工夫を加え、現在、認定プロセスを簡素化した「Express Signed」、オープンソースや学術コミュニティ向けの「Open Signed」、端末機能にアクセスできる完全版「Certified Signed」と3層に分けて展開し、エコシステムの確立を図る。なおアプリケーションでは、この日、Google MapsなどがSymbianのネイティブアプリケーションとしてリリースされた。

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