三洋電機、ケータイの顧客満足度でトップに

» 2007年11月13日 21時24分 公開
[ITmedia]

 J.D. パワー アジア・パシフィックは11月13日、携帯電話の顧客満足度調査の結果を発表した。2007年8月に実施した2007年日本携帯電話サービス顧客満足度調査の結果から、電話機購入後1年以内のユーザー3504人に絞り、携帯電話機メーカーに対する満足度について分析したもので、今回が4回目の実施となる。

 同調査によれば、携帯電話機の顧客満足度を構成するファクターは、「サイズ・デザイン」「故障(の少なさ)・バッテリー(など基本的な品質)」「操作性・機能」「メール」「カメラ」「インターネット」の6種であることが確認された。このうち、サイズ・デザインの影響度は33%と最も高く、インターネットが2%で最も低かった。

 総合顧客満足度ランキングでトップを獲得したのは三洋電機。1000ポイントを満点とする中630ポイントを獲得し、対象メーカー11社の頂点に立った。ファクター別の満足度では「インターネット」で11社中、最も高い評価を受けているほか、他のファクターにおいてもすべて業界平均を上回った。全ファクターで業界平均を超えたのは三洋電機のみで、これが初のトップを獲得した要因とみられる。

 第2位は、2005年に8位、2006年に4位と、徐々に順位を上げ、今回は624ポイントを獲得した日立製作所。ファクター別の満足度では、「故障(の少なさ)・バッテリー(など基本的な品質)」と「メール」で他社を上回った。特に品質や使いやすさの点で、顧客の評価が堅調に推移しているという。また同社はワンセグ搭載にいち早く取り組んだメーカーとして知られ、基本品質と機能の高さやバランスの良さも評価を得ている。第3位はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズで621ポイントを獲得。サイズ・デザインにおいて11社中、最も高い評価を得ている。

 なお今回の調査では、販売奨励金制度の改変により、携帯の買い替え頻度が現在より低下する可能性があることが明らかになった。現在の買い替え頻度は平均2.85年に1回となっているが、「通信事業者の月額料金が安くなるが電話機の価格が平均2万円高くなると仮定した場合、買い替え頻度はどの程度になるか」を聞いたところ、平均3.24年に1回まで低下することが分かった。

 買い替え頻度の低下傾向は10代から40代の年齢層で多く見られ、特に20代で顕著。J.D. パワーでは、これが市場規模の縮小だけでなく、新機能やサービス浸透の減速につながる可能性があると見ており、端末メーカーの顧客獲得競争や通信事業者の新サービス/新機能導入による他社との差別化競争が、今後ますます激化すると予想している。

 J.D. パワーは、メーカーがこうした環境下で市場での優位性を獲得するには、市場の特性やニーズに応じた機能の取捨選択、特定市場向けの機能特化といった取り組みが必要となるだろうと結論づけている。

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