アプリの互換性とシステム構築の効率性が法人モバイルのカギ(1/2 ページ)

» 2007年11月21日 18時12分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マイクロソフトは11月21日、携帯電話向けOS「Windows Mobile」の最新動向について説明を行った。モバイル&エンベデッドデバイス本部の梅田成二本部長は「インキュベーション製品の位置付けからメジャー製品として展開にシフトしつつある」と述べた。

 冒頭の基調講演では、IDC Japanの木村融人コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストが国内の携帯電話市場動向について説明した。

IDC Japanの木村融人コミュニケーションズ シニアマーケットアナリスト

 木村氏は市場概況について、「2007年は好調に推移しているが、メーカーの多品種少量生産戦略とユーザーニーズの多様化が必ずしも一致するとは言えず、四半期ベースでの上下動も激しい。2008年以降は不透明感が強いが、販売奨励金制度の縮小や長期契約制度の導入を背景に厳しい見通しだ」と話した。

 こうした中で携帯電話市場活性化に期待されるのが、スマートフォンのような高機能端末の普及と法人モバイルユーザーの拡大だと木村氏は指摘する。

 「ソフトバンクモバイルのホワイトプランのように価格訴求力を強める動きもあるが、ハイエンドユーザーや法人市場の拡大との両輪で活性化を図っていくことが重要だろう」(木村氏)

 携帯電話市場全体に占めるスマートフォン端末の普及率は低いが、Windows MobileやSymbianなど汎用OSの採用拡大や端末の種類が広がり、ヘビーユーザーでのスマートフォン認知度は順調に高まりつつあると木村氏。「今後は価格や機能に加え、UIやデザインなどを含めた総合的な訴求が大切だ」と話す。

 また、法人市場では同社調査によれば7割程度が通話主体での利用となっている。だが、情報システムに携帯電話を組み込む動きや、マーケティングやCRMの一環としてモバイルサービスを重視する動きがそれぞれ1割強あるという。

法人のモバイル利用で求められるもの(レベルA:通話利用主体、同B:情報システムの端末、同C:CRMとしての活用)

 「法人市場の規模はまだ小さいが、法人ユーザーは自社にとって最適な端末やシステムを選べる環境を待っている。法人ユースではさまざまなプラットフォームに対応できるアプリケーションの互換性、システム構築における開発効率が求められ、モバイルシステムに明るいベンダーやインテグレーターの広がりが重要だろう」と木村氏は述べた。

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