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» 2008年01月18日 02時19分 UPDATE

携帯OSの王座を守るために重要な3つのポイントとは――シンビアンの久社長

携帯電話向けOSベンダー最大手のシンビアンで社長を務める久晴彦氏が、2008年のビジョンを説明。GoogleがLinuxベースの携帯電話向けOS「Android」を発表するなど、携帯業界に新しい流れが生まれつつある中、3つの方針を軸にさらなるシェア拡大を目指すとした。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo シンビアンの久晴彦社長

 携帯電話向けOSベンダー、シンビアンの久晴彦社長が、メディアを集めて開催した新年会の席で、2008年のビジョンを説明した。GoogleがLinuxベースの携帯電話向けOS「Android」を発表するなど、携帯業界に新しい流れが生まれつつある中、シンビアンは3つの方針を軸にさらなるシェア拡大を目指すとした。

 1つは、モバイルブロードバンドへの適切な対応だ。Symbian OSをプラットフォームとして採用しているドコモは、今春にも下り最大7.2MbpsのHSDPAを開始する予定で、その後の高速化ロードマップには上りを高速化するHSUPAスーパー3Gが控えている。また、ドコモがどのような形で参入するかは決まっていないが、国内外ではモバイルWiMAXにも注目が集まっている。

 久氏は「2008年は、これをいかにスムーズに、シームレスにサポートしていくかが重要になってくる最初の年」と位置づけ、「2010年から2011年くらいにかけてどんどん広がるスーパー3Gに向けて、メーカーや通信キャリアを技術的にサポートしていくことが重要な方針の1つ」と説明した。

 2つ目は、見やすく使いやすいユーザーインタフェースの開発だ。回線が高速化すると、通信キャリアやコンテンツ/サービスプロバイダには“それをどう使うか”が大きな課題となり、「太いパイプ(高速回線)によってなだれ込んでくるいろいろなサービスやコンテンツをいかに見やすく、使いやすくするかというユーザーインタフェースが重要になってくる」と、久氏は指摘する。

Photo 2008年以降の携帯電話業界のトレンド

 3つ目として挙げるのは、品質やパフォーマンス、セキュリティ面など、携帯電話の基本的な部分のサポートだ。携帯電話は、日々の生活をサポートするツールとして手放せないものになっており、「リブートしたり、フリーズすることがあってはならない」(久氏)。また、決済機能が普及や情報保護などの観点から、セキュリティの強化もますます重要になってくる。こうした基本性能のサポートも引き続き強化するとした。

 「今までの経験から、さまざまなコンポーネントを集め、互換性を保ちながら品質とパフォーマンスのよい製品を作っていくのは大変なことだと認識している。“Google対抗をどうするか”という話があるが、シンビアンとして、この3つの課題を着実に責任をもってやっていくことが重要だと考えている」(久氏)

 こうした方針を支えるのが、Symbian OS v9.5に新たに追加した3つの機能だ。新たなUIを開発するためのベースとなるScreenPlayや、さまざまなネットワークが混在する環境で最適なネットワークを自動で選択するFreeWay、消費電流を抑えるSMP(Symmetric Multi Processing)は、今年の方針をサポートする主幹の技術だと久氏は説明した。

日本のSymbian OS搭載機の累計出荷台数、3000万台を突破

 2007年はシンビアンにとってよい1年だったと久氏は振り返る。2007年11月7日に開催した年次イベント「Symbian Summit Tokyo 2007」は、800人超の来場者を集めて盛況のうちに終了し、年末にはSynbian OSを搭載したドコモのハイエンドモデル「D905i」「F905i」「SH905i」「SO905i」も出荷された。日本におけるSymbian OS搭載機の累計出荷台数は2007年11月末時点で3000万台を突破し、うち1500万台は2007年に出荷されるなど好調に推移。1月22日には防水ケータイ「F705i」が店頭に並ぶ予定で、これが日本で70機種目のSymbian OS搭載機になるという。

 先進機能を搭載した端末が主流の日本市場はシンビアンにとって重要な市場であり、久氏は「2008年もここでフラットになることなく、日本メーカーの海外展開をサポートするなどの施策で市場を活性化させたい」とした。

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