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» 2008年01月24日 23時43分 UPDATE

ドコモとGoogle、提携の狙い:ケータイのPC化、Web 2.0化で他キャリアにさきがける――ドコモの辻村氏

「Googleの各種サービスとドコモのモバイルとの連動で、革新的なサービスの提供を目指す」――。NTTドコモの辻村清行プロダクト&サービス本部長は、Googleとの提携の狙いをこう説明する。携帯のPC化、Web 2.0化が進む中、他キャリアにさきがけてPC向けインターネットの人気サービスを携帯に最適化するのが狙いだ。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo NTTドコモ プロダクト&サービス本部長の辻村清行氏

 「Googleの各種サービスとドコモのモバイルの連動で、革新的なサービスの提供を目指す」――。NTTドコモの辻村清行プロダクト&サービス本部長は、Googleとの提携の趣旨をこう説明した。

 モバイル業界にはPCインターネットのトレンドが急速に押し寄せており、いかにこのトレンドを携帯事業に取り込んでいくかが通信キャリアの課題となっている。今回の提携は、「世界最大の検索エンジンであるグーグルの各種サービスと、4800万の顧客を持つドコモのモバイルインターネットサービスの連携」(辻村氏)により、他キャリアにさきがけてインターネットのさらなるモバイル化を推進するのが狙いだ。

 辻村氏は、モバイルインターネットサービスの方向性はドコモとGoogleの共有領域であり、ここで起こっているのは携帯のPC化やWeb 2.0化だと説明。今後は「リアルとサイバーの融合」「携帯ネットワークのブロードバンド化」「プラットフォームのグローバル化」の3つの方向で発展すると予測する。

 「1つの方向はリアルとサイバーの融合。ゼロセンチメディア(いつも身近にあるメディア)といわれる携帯から広がるインターネット空間が、実生活の空間とより密接につながってくる。もう1つは(下り最大7.2Mbpsの)HSDPA(上りを高速化する)HSUPA化といったブロードバンド化。端末もCPU性能が向上するとともにメモリ容量が増加しており、動画のやりとりが自由にできるようになってくる。さらに、プラットフォームをグローバルベースにすることが重要な要素で、その結果、ユーザーにもグローバルに使っていただけるようになる」(辻村氏)。こうしたモバイルの進化とGoogleのサービスは相性がよく、ドコモとGoogleの共通領域であるモバイルインターネットで、この3分野への対応を推進する考えだ。「“インターネットのさらなるモバイル化”が、今回の提携のキーワード」(同)

 すでにいくつかの連携の取り組みは始まっている。ドコモは905iシリーズの「N905i」と「F905i」にグーグルが提供する地図アプリの「Google Maps」をプリセットしており、今後は標準装備を目指す。「Googleの検索エンジンも(iモードメニューのトップページに)入って、いよいよリアルとサイバーの距離が短くなってくる」(辻村氏)。また、提携の発表と同じ日に、ドコモの904i/905iシリーズがYouTubeの視聴に対応した。辻村氏によれば、次のドコモの新機種にはFlash Videoのコーデックが入る予定で、「携帯のフルブラウザ経由でYouTubeを自由に見られるようになるという進化が起こる」という。

 プラットフォーム面では、Androidの開発に賛同する企業で構成される「Open Handset Alliance」にドコモが参画していることを挙げ、オープンなソフトウェアプラットフォームの商用化に協力していきたいとした。

sa_dg02.jpgPhoto インターネットのさらなるモバイル化が進む中、モバイルインターネットサービスの方向性はドコモとGoogleの共有領域(左)。提携の柱となる5つの施策を通じてPCインターネットのトレンドを携帯に取り込む(右)

提携の柱となる5つの取り組み

 今回の提携の具体策として挙げるのは5つの取り組みだ。

 1つは検索サービスの連携強化で、ドコモのiモード向けポータルサイト「iMenu」のトップページにGoogle検索を導入し、1回の検索語の入力で公式サイト・一般サイト・PC向けサイトの情報を一括検索できるようにする。

 2つ目はGoogleの検索連動型広告配信システムの導入で、検索を充実させるとともに広告収入の拡大を目指す。「すでにいくつかの試みはしているが、これをさらに強めたい」(辻村氏)。NTTドコモマルチメディアサービス部長の夏野剛氏も、「iモードメニューのトップに検索窓があるので、クエリーも広告のクリックも増えると思っている。早い時期に100億円を超えるレベルになって欲しい」と期待を寄せる。

 3つ目は、Googleの各種サービスのiモード対応。検索や地図サービスにとどまらず、GmailやPicasa、YouTube、Googleカレンダーなどのアプリケーションをiモードに対応させ、ドコモの端末にいち早く取り込む考えだ。

 4つ目として挙げるのは端末のグローバル化で、Androidプラットフォームへの協力を通じて、ユーザーにとって使いやすいプラットフォームの構築を目指す。そして5つ目が新たなモバイルマーケティングサービスの創出だ。PC向けサイトの広告開発で実績があるGoogleと、ドコモのメディアレップとしてモバイル広告分野のノウハウを蓄積してきたディーツーコミュニケーションズ、ドコモの3社で、新しいモバイル広告やモバイルマーケティングのあり方を訴求するとした。

Googleはこういう提携をしたかった

Photo Google 業務開発兼国際営業担当上級副社長のオミッド・コーデスターニ氏(左)とグーグルの村上憲郎代表取締役社長(右)

 「革新という意味で、大きな機会になる」――。今回の提携について、Googleで業務開発兼国際営業担当上級副社長を務めるオミッド・コーデスターニ氏は、こうコメントした。モバイルインターネット発祥の地であり、洗練されたユーザーがいると日本市場を評価し、「数年前からgoogleはこういう提携をしたかった」という。「PCと携帯のしきりがなくなる方向に向かっており、携帯でインターネットを使う人が増えている。ドコモはモバイルインターネットのパイオニア企業としての成果があり、モバイルブロードバンドにも投資している。そこには大きなチャンスがあり、長期的なパートナーシップで革新的なサービスを提供したい」(コーデスターニ氏)

 グーグルの村上憲郎代表取締役社長も、「日本での展開は、Googleのグローバル戦略の中で重要な意味を持つ」とし、日本におけるモバイルの新たな展開に注力することを約束した。

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