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» 2008年02月06日 21時57分 UPDATE

韓国携帯事情:“薄さ”から“個性”の時代へ――2007〜2008年 韓国メーカーの端末総覧 (1/2)

かつては薄さをアピールしていた韓国製携帯電話だが、2007年はスリムさに加え海外ブランドとコラボレートした個性派ケータイが数多く登場した。話題となった韓国発のブランドケータイを振り返る。

[佐々木朋美,ITmedia]

 一時期は「スリム」一辺倒だった韓国の携帯電話だが、最近ではそうした傾向から抜け出し、薄型+αとなる機能や付加価値を前面に出す携帯電話が増えてきている。2007年から続く一連の流れの中で、具体的にどんな機種が発表されてきたのかを振り返ってみよう。

ブランド携帯花盛り――タッチパネル編

 2007年に大きな話題となったブランド携帯といえば、やはりLG電子の「プラダケータイ」(LG-KE850)だろう。2007年1月に発表されて以来、大きな注目を集め、韓国市場だけでなく欧州やアジアでも販売された。2007年11月にはシルバーモデルも発表されるなど、1年を通して話題になった。

 韓国版のプラダケータイは、そのブランド力に加えて地上波DMBも見られるという高機能さも手伝って、88万ウォン(約9万9000円)という高価格にも関わらずベストセラー端末となった。

photophotophoto 600ユーロ(約9万3000円)という価格にもかかわらず、世界で70万台以上販売(1月13日時点)したというプラダケータイ。1月にはシルバーモデルも欧州で発売された。シルバーモデルでは、画面にQWERTYキーボードが現れるなど「機能を一段階アップグレードした」(LG電子)という
photo 「アルマーニケータイ」(SGH-P520)。デザインはジョルジオ・アルマーニ氏率いる複数のブランドが担当している

 プラダケータイの特徴は、ダイヤルキーがなくタッチパネルで操作する点だ。マルチメディアサービスや機能が充実するにつれ、携帯電話のディスプレイは大型化する傾向にあるが、これとともにタッチパネル方式も増えている印象だ。

 プラダケータイに続くタッチパネル端末の代表例が、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ氏が手がけた「アルマーニケータイ」(SGH-P520)だ。厚さ10.5ミリという薄型ボディに、2.6インチのタッチパネルと300万画素カメラを搭載した。

 ちなみに特定のブランドとは関連していないが、LG電子は米Verizon Wireless向けに「Voyager(LG-VX1000)」「Venus(LG-VX8800)」という2つのタッチパネル携帯を発表している。前者は横方向に開く形で、QWERTYキーボードとタッチパネル両方を備えている。後者は前面を2つのディスプレイで構成。メイン画面下にある、ボタンのように見える部分がディスプレイで、ここに触れて画面上のメニューを操作するスタイルとなっている。

 このほかLG電子は、欧州などの市場向けに「LG-KS20」というタッチパネル携帯も発表している。このようにブランドに限らず、タッチパネルは確実に増えてきており、携帯電話の1つのジャンルとして確立していきそうだ。

photo 右の女性が持っているのが「Voyager」、左が「Venus」。Voyagerは2.8インチのタッチパネルディスプレイを指で操作するたびに軽い振動が起きる「Vibe Touch」機能を搭載。Venusでは上の2インチディスプレイと、下の1.49インチディスプレイが連動する「インタラクティブUI」を採用している。また背面は革素材を用いており、滑り止め機能と高級感を持ち合わせる

photophoto Windows Mobile 6.0を搭載し、HSDPAにも対応するスマートフォンの「LG-KS20」。ディスプレイは2.8インチQVGA(240×320ピクセル)表示対応のTFT液晶。LG電子はParamount Picturesなどと契約を交わしており、LG-KS20は米国の人気マンガが原作のハリウッド映画「Iron Man」にも登場予定

 Samsung電子も「SGH-F700」というタッチパネル端末を販売している。ディスプレイは3.2インチのワイドQVGA(440×240ピクセル)表示対応で、同社が開発したユーザーインタフェースである「Coix」が搭載されている。Coixはドラッグ&ドロップで、直感的かつシンプルな操作を可能にするという。タッチパネル端末の台頭で、インタフェースの開発も進むこととなりそうだ。

photo SGH-F700のカメラは500万画素。内蔵メモリは130Mバイト、外部メモリとしてmicroSDを採用した。Coixが初めて搭載された端末でもある。Coixはドイツの「iFデザインアワード」を受賞するなど、評価が高いインタフェースだ

ブランド携帯花盛り――デザインと高機能さで勝負

 携帯電話の音楽機能は今やあって当たり前になっているが、そこから一歩前進して、音質やブランド力で勝負する携帯電話も見られた。

 Samsung電子がオーディオメーカーのBang&Olufsen(B&O)と共同開発した「Serenata」(SGH-F310)は、B&Oが音響技術とデザインを担当したというだけに、革新的なデザインと優れた音質が特徴だ。MP3/AMR/AAC/WMAといった音声ファイルの再生に加え、OMA DRM/Windows Media DRMといった著作権保護機能にも対応する。B&O独自開発のICEデジタルパワーアンプやHi-Fiステレオスピーカーを搭載し、B&O製ヘッドセット「イヤーセット3」も付属する。

 またLG電子の「Rhapsody in Music Phone」こと「LG-LB3300」(LG Telecom用)は、オーディオブランド「Mark Levinson」の創業者であるマーク・レビンソン氏が開発に参加。音楽プレーヤーの音質調整(イコライザーの最適化)や専用イヤフォンなどを手がけている。

 こうした音楽携帯は、指先で選曲できるホイールキーを採用していることが多く、上記2機種もその例に漏れない。専用の音楽プレーヤー感覚で利用できるようにという配慮なのだろうが、性能も専用プレーヤーに劣らないレベルに近づいており、“音楽も聴ける”という段階はもう終わっているといえるだろう。

photophoto 欧州市場で販売されているHSDPA対応の「Serenata」(左)。背面にスタンドがあるので、音楽を聴くときは本体を立てておくこともできる。

「Rhapsody in Music Phone」(右)。ホイールを回すたびにその周りのLEDが光る。音楽プレーヤーを直接操作できるボタンも別途配置されている。韓国の歌手7人が参加して作られた音楽「Rhapsody, The Soul of Sound」がプリセットされている

 音楽機能を打ち出した携帯電話の販売ラッシュは、韓国国内というよりむしろ海外において多く見られる。Samsung電子は、スライドアップするとダイヤルキー、スライドダウンするとスピーカーが現れる「デュアルスライド・ミュージックフォン」(i450)、鏡のような2.1インチの画面で選曲ができる「スタイリッシュ・ミュージックフォン」(F330)、まるで音楽プレーヤーのようなスティック型の「スウィングスティック・ミュージックフォン」(F210)といった3機種を、欧州市場で同時販売している。

 スウィングスティックは1Gバイトのメモリを搭載。細身の携帯電話ではあるが、3行×4列のダイヤルキーはそのままだ。ラジオ受信機能があり、現在聞いているFMラジオの曲名を表示してくれる「RDS(Radio Data System」を搭載。デュアルスライドはSymbian OS Version 9.2(S60)を搭載するHSDPA携帯。Samsung電子では、2008年上半期に2種の端末を投入して、音楽携帯のラインアップを強化する意向を表明している。

 そして音楽携帯といえばなんといっても「B' Phone」だろう。歌手のビヨンセ・ノウルズが広告モデルとなっている「ウルトラミュージックフォン」(SGH-F300)を原型にしたもので、彼女自身が本体のカラー選択に参加している。ビヨンセの成長過程を記録した動画や歌もあらかじめ内蔵されているなど、ファンなら必ず欲しくなる端末だ。

photophoto 向かって左から、スウィングスティック/デュアルスライド/スタイリッシュ・ミュージックフォン(左)。「B' Phone」のBurgundyカラーは、ビヨンセが直接選んだカラー。本体の両面にディスプレイがあり、表面は音楽機能操作用、裏面にはダイヤルキーを配置。音楽機能を強調している。こちらもBang&OlufsenのICEパワーアンプを搭載している

 携帯電話の付加機能で音楽とともに代表的なのがカメラ機能だ。LG電子の「Viewty」(欧州でのモデル名はLG-KU990)は、韓国内外で人気を博しているカメラ携帯だ。LG電子はここ最近、「チョコレートフォン」などロングヒットとなる端末を年に1回出しているが、Viewtyもその1つ。デザインや機能で差別化しているため、端末自体がブランドを持つような、プレミアム携帯という位置付けだ。

photo 欧州では2008年に入って、1日に1万台以上売れたというViewty。ちなみに価格は550ユーロ(約8万5000円)と決して安くはない
photo 「CYON Crystal Edition」

 独Schneider-Kreuznach製レンズを備えた510万画素カメラを搭載し、オート/マニュアルフォーカスの両方に対応。手ブレ補正機能、夜間撮影に強いISO800での高感度撮影など、カメラとして見ても十分な機能を持つ。ボディはタッチパネルを使用したデザインで、機能とデザインが両立している端末といえるだろう。

 一方、機能とは別にデザインを全面に出した携帯電話も登場した。LG電子の「CYON Crystal Edition(SK Telecom用はLG-SV300S/LG Telecom用はLV3000S)」は、ファッションブランド「Paul Smith」の所属デザイナーであるロバート・ライアン氏のデザイン。唐草のような模様の合間にスワロフスキークリスタルが埋め込まれたという、優雅なデザインの携帯電話だ。

 CYON Crystal Editionは通常よりも大振りなダイヤルキーを採用しているほか、よく利用するメニューにダイレクトにリンクする短縮ボタンも配置。価格は40万ウォン台(4万5075円)と、韓国市場でこれだけ凝ったデザイン携帯にしては、意外と安めなのもうれしい。

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