Mobile World CongressのSamsungブースでは、同社のシェア増加を牽引してきた“The Ultra Edition”ブランドの端末が数を大きく減らしていた。目立っていたのはハイエンドや高機能端末など、機能にこだわった製品群。これまで薄型化やデザインに注力していた同社だが、今年は「デザイン+高機能」へと路線を変更していくようである。
「Soul」(製品名は“The Spirit Of Ultra”の略)は同社の薄型端末“The Ultra Edition”シリーズの3世代目となる最新機種で、あらゆる機能を搭載した同シリーズの集大成ともいえるハイエンドモデルに仕上がっている。厚さ12.9ミリのスライドボディに500万画素カメラやBang & OlufsenのICEpowerアンプなどを搭載し、下り最大7.2MbpsのHSDPA(最大下り7.2Mbps)にも対応。金属製のボディは、剛性を確保するとともに高級感を演出する。
外観上の大きな特徴はディスプレイ下部のタッチパネルだ。透明パネルに覆われており、利用するアプリケーションごとキー表示が変わる「Magical Touch」を採用している。待機時にはメインディスプレイとタッチパネルの両方が消灯状態となるなど、外観の美しさにもこだわった。
主なスペックは2.2インチQVGAディスプレイ、Bluetooth 2.0、FMラジオ、microSDなどで、ボディカラーはシルバー、ブラック、レッドなど4色をラインアップする。発売は4月を予定しており、価格はハイエンドレンジレベルを想定しているという。
「G810」はカメラやメディア再生機能を強化したハイエンド端末。SymbianOS/S60プラットフォームを採用したスマートフォンで、HSDPAと無線LANに対応する。カメラは3倍光学ズーム対応の500万画素で、手ブレ補正機能やオートフォーカス機構を装備。フラッシュはデジタルカメラに搭載されるキセノンライトを使った本格的なもので、暗い場所での撮影をサポートする。撮影した写真をオンラインアルバムサービスやブログにアップロードする機能なども備え、写真へのGPSタグの追加にも対応する。
3.5ミリステレオヘッドフォンジャックの採用により、音楽再生時は市販のヘッドフォンを利用することも可能。これまで同社のS60スマートフォンはミッドレンジクラスが多かったが、G810はハイエンドのマルチメディア端末としてNokiaのNseriesの対抗馬になりそうだ。発売は2008年第2四半期を予定している。
「F480」は皮製のカバーを端末に一体化させたユニークなHSDPA対応端末。2.8インチ(QVGA)の大型ディスプレイにはタッチパネルを搭載し、指先で操作を行える。待受画面には時計やスケジュール、メモなどのアプリケーションアイコン(ウィジェット)を配置でき、利用しないウィジェットは画面横のダッシュボード部分に収納しておくことも可能だ。画面からはスマートフォンのように見えるが、OSはSamsung独自のものを採用しているという。4月からヨーロッパ市場向けに投入する予定だ。
ほかにもSamsungブースには、音楽機能を強化した端末やモバイルテレビに対応した新製品などが展示されていた。
“Acoustic”こと「F400」はSoulと同様、Bang & Olufsen ICEpowerアンプを搭載した端末で、小型ながらも本格的なサウンドを楽しめる。デュアルスライドスタイルを採用し、上にスライドするとダイヤルキーが現れ、下にスライドすると上部にステレオスピーカーが現れる。ディスプレイ下部には円形のホイールボタンを搭載しており、音楽機能の操作が可能だ。HSDPAに対応したこの端末は、2008年第2四半期の発売を予定している。
HSDPA対応モデルの「P960」は、DVB-H方式に対応したモバイルテレビ端末。2.6インチのディスプレイを搭載し、テレビ視聴時は自動的に横画面に切り替わる。DVB-H放送に対応するヨーロッパやアジア向けに、2008年第2四半期から順次発売予定としている。
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