約6.1ミリの薄型化を成し遂げた男たち──「AQUOSケータイ SH905iTV」誕生の裏側“厚い”“遅い”の不満を解消(3/3 ページ)

» 2008年02月14日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
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905iのシリーズ感とAQUOSケータイとしての高級感を兼ね備えたデザイン

Photo デザインを担当した水野理史氏

 大幅な進化を遂げたSH905iTVは、もちろんそれにふさわしいデザインをまとっている。SH903iTVとくらべて、さらに質感の高い高級感あふれる形状とカラーリングを採用したSH905iTVのデザインの狙いを、デザインセンターの水野理史氏に聞いてみた。

 SH903iTVのデザインも担当していた水野氏は、SH905iTVのデザインの狙いが大きく分けて2つあると説明する。

 「1つは、シャープ製の905としての統一感です。クルマやオーディオ機器などの世界では、一目見てブランドの特徴が分かるような意匠があります。しかし携帯電話にはそれがなかった。そこで今回は、シャープの携帯のブランド価値を上げられるようなシリーズ感を意識してデザインしています」(水野氏)

 具体的には、先端部に斜めに入ったカットや、背面パネルの左右に配されたライン、ライン上に記された型番のマーキングなどがそれに相当する。SH905iTVは、SH905iのデザインをベースに、シリーズとして並べたときに違和感がないようにして、905としてのシリーズ感、存在感をアピールできるようにしている。

 「2つめは、AQUOSケータイとしての高級感です。背面パネルに黒、白、青、ピンクといった色を表に出したSH905iに対して、SH905iTVでは金属感を強調してより高級感を持たせています。幸いヒンジの部分は本物のアルミを使うことになりましたので、色味も金属の質感が映える、存在感があるものを選びました。アルミの部分はヘアライン加工を施し、サイドにラインを入れて細く見せ、光る処理で高級感を演出しています。型番をレーザーカットで入れるなど、細かいところにもこだわりました」(水野氏)

 ただ、背面を金属感のある仕上げとしたことで、質感や色味の表現には苦労したという。ヒンジ部はアルミ製だが、ディスプレイ裏側は樹脂にインモールド成型を施したもの。異なる材質の色や質感を合わせるのは至難の業だからだ。「金属と樹脂は異なる材質ですから、普通に考えれば色が合うはずはない、といってもいいくらい難しい作業です。違和感のない色味を実現するため、ものすごい数の試作をして、ヘアラインの深さや色味、塗装の種類などさまざまなタイプを比較検討しました。結果的には、とてもうまくマッチする色味になったと思います」(水野氏)

 カジュアルにならず、より高級感があるデザインを目指したというSH905iTV。フレームを小さくして大画面を生かし、画面をより大きく見せてその部分のノイズを取るというアプローチは、液晶テレビにも通じるモチーフだ。

PhotoPhotoPhoto アルミ製のサイクロイドヒンジやディスプレイの背面、ボディ側ヒンジのカバーなど、さまざまなパーツで色味を合わせるための多数の試作を行った。1つ1つ、微妙に色や加工を変えたものを数十種類も作成し、ベストなものを選んだという

 一方ダイヤルキー側のボディは「裏まで金属素材っぽくすると重いイメージになる」ということで、シンプルな黒、白、金に仕上げてある。もともとサイクロイドスタイルは機構が表に出ている部分があり、少しメカっぽいイメージがあるので、全体をメカっぽくしてしまうと女性に敬遠されるおそれがある。そこでダイヤルキー側は優しいイメージにしている。

 ちなみにダイヤルキー周りは、SH903iTVよりもぐっとシックなイメージになっているが、これは「TOUCH CRUISERを搭載したのでここを一番引き立たせようと思った」からだと水野氏は言う。「SH903iTVのようにインパクトを持ったデザインよりも、一般に受け入れられやすい操作面の方がいいと考えました」(水野氏)。キーのフレーム部分は横向きのヘアラインが入った金属調の仕上げとなっているが、これはデザインをきれいに見せるためと、指紋が付きにくいよう配慮したためだ。

 TOUCH CRUISERのロゴや模様はSH905iとほぼ同じだが、表面の模様はより滑らかなものに変えている。TOUCH CRUISERの表面は、あまり滑らかすぎたり、引っかかりすぎたりすると操作しにくいのだという。模様やマークは厚さが変えられるUVインクで印刷してあり、適度に引っかかりがある、もっとも操作しやすいパターンを試行錯誤の末に選択した。

AQUOSケータイの特徴を表現した内蔵コンテンツ

Photo コンテンツの企画を担当した福山享弘氏

 こうしたハードウェア面での進化を、SH905iTVを購入したユーザーに実際に体験してもらうため、プリセットコンテンツもAQUOSケータイならではのものを用意した。6種類内蔵しているきせかえツールのうち、Black、Gold、Silver Whiteの各ボディカラーに対応した3つのデータが、AQUOSケータイの「映像の鮮やかさ」「音質の良さ」「フルワイドVGAの美しさ」をそれぞれ表現したものになっているとコンテンツの企画を担当した福山享弘氏はいう。

 「Blackは映像の鮮やかさを表現しました。AQUOSケータイとワンセグや映像をクローズアップするため、“Cinema”をテーマにしたコンテンツにしています。端末色が黒なので、夜景の光が美しく輝いていたり、フィルムの中で動画が動いていたり、映像をメニューでも楽しんでいただけるようになっています。背景の基調色は、高演色バックライトでもっとも映える赤色にしました。

 Goldは音楽と端末の高級感を追求し、“Classic”(音楽)をコンセプトにしています。アイコンの1つ1つが楽器になっていたり、音符のモチーフを入れてあったりします。Silver Whiteは、フルワイドVGA液晶の美しさを訴求するため、“Travel”のコンセプトで世界遺産の写真を背景にセットしています。この写真はメニューを開くたびに異なる世界遺産の写真が現れるようになっていて、画面の美しさを堪能できます」(福山氏)

PhotoPhotoPhoto 左からBlack、Gold、Silver Whiteのきせかえツールデータ。それぞれがAQUOSケータイの「映像の鮮やかさ」「音質の良さ」「フルワイドVGAの美しさ」をイメージしている
PhotoPhotoPhoto メニューも待受画面と世界観を統一してあり、Cinema、Classic、Travelのコンセプトでデザインされている

 このほかAQUOSケータイ専用の待受画像など、小さなこだわりも入れてある。こうした細かな配慮で、端末のこだわりの部分を印象づけられればと考えたそうだ。

 余談だが、ワンセグ起動時に画面に現れる「AQUOSケータイ」と「ドルビーモバイル」のロゴ表示の部分も担当だった福山氏は、このロゴをどのように表示するかで非常に頭を悩ませたというエピソードも披露してくれた。「両方を1画面に表示することは、レギュレーション上できません。かといって、どちらか一方が長かったり短かったりするわけにもいきません。何秒ずつ表示させるか、といった細かな部分で調整が大変でした」(福山氏)。ぜひともその起動画面は実機で確認してほしい。


 「SH905iよりも薄くしたい」──。そんな開発陣の挑戦から生まれたシャープ製FOMA端末の最上位モデル、AQUOSケータイ SH905iTV。完成度の高い、高級感あふれるクールなボディには、数々の開発者たちの熱い思いが込められている。

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提供:シャープ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年2月29日