韓国ケータイの最新サービスを体験――「ソウルモバイルスポット」を巡る韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2008年02月19日 11時12分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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photo ロッテマート ソウル駅店は、地下鉄1/4号線「ソウル駅」1番出口から地上に出て徒歩2分

 ただし、このサービスは決済を伴うため、本人確認として韓国国民に与えられる「住民登録番号」の入力が必要だ。外国人など、一時的な滞在者が利用するのは難しいが、こうした実験が行われているという現状を見学するだけでもなかなか興味深いだろう。また、モバイルRFID注文用に専用スタッフがいるので、説明を聞くこともできる。

 大型スーパーマーケットの「ロッテマート ソウル駅店」も、モバイルRFIDの実験を行っている。商品にRFIDチップを付け、これをRFIDリーダーで読み取って商品情報を取得するというものだ。今回の実験では、メーカーや成分表示、原産地といった情報のほか、ロッテマート内の店舗案内や、商品が食品の場合は調理法なども見られる。

 実験当初は、携帯電話に外付けRFIDリーダーを取り付けてデモを行っていたが、今は設置された専用端末で確認するようになった。携帯電話で読み取る場合の説明は残っているので、モバイルRFIDの現状に興味のある人には一見の価値があるだろう。

 このほかにも、ソウル市内ではモバイルRFIDの実験が行われているところが多い。博物館では展示物の情報を取得でき、タクシーの車内でもさまざまな情報をモバイルRFIDで確認できる。こうした実験は日々規模が大きくなっており、モバイルRFIDの商用化、さらにはRFIDリーダーを搭載した端末の登場もそう遠くないことを実感させる。

photophoto 棚の脇に設置されている専用端末に商品をかざすと、商品情報が表示される。ディスプレイはタッチパネルになっており、画面を操作して商品の位置情報や調理法なども確認できる

地下鉄の駅で携帯電話を購入

photo Phone&Fun miniは、黄緑色とピンクという派手な文字で表示されているので、地下鉄駅内ですぐに見つかる。

 LG Telecom(以下、LGT)は2007年5月から、地下鉄運営会社のソウルメトロと契約を行い、地下鉄1〜4号線内に「Phone&Fun mini」という店舗を展開する。「Phone&Fan」というのはLGTのキャリアショップ名で、携帯電話の契約や端末購入、料金プランなどサービス変更ができる。また、音楽プレーヤーやDMBの視聴など、さまざまなサービスを体験できるようになっているのが特徴だ。

 Phone&Fan miniはその名の通り面積が小さく、簡易的なキャリアショップだ。通常のPhone&Funほどの規模ではないが、地下鉄に直結しているというのがなによりの強み。会社や学校に行くついでに、最新携帯をチェックしたり、購入できるというわけだ。

 ソウルの移動手段として地下鉄は必須であるだけに、出張などでソウルに来て時間がない中でも、移動がてらにチェックできるのが長所といえるだろう。

 さて、韓国の携帯電話市場をチェックするには、電気街などをチェックするのが定番だ。しかし若者の街やスーパーマーケット、地下鉄など、あえてごく一般の人たちが集まる場所に行ってみると、彼らが携帯電話をどう使っているか、人気の機種は何か、年齢によって使い方は違うのかといったことが見えてくるので、面白い。

 例えばスーパーでは、自宅の家族にテレビ電話をかけ、商品の映像を送りながら買う商品を選ばせている男性を見たことがある。また、おしゃれなカフェでは、(おそらく買ったばかりの)Samsung電子製の800万画素カメラ携帯を誇らしげに友達に見せた後、ブログに載せるからといってコーヒーの写真を撮っている若者がいた。また、地下鉄では携帯電話で音楽を聴いているおばさんがいたりする。

 今回紹介した体験スポットでは、各携帯キャリアや端末メーカーのマーケティング方針がはっきり現れており、ビジネスの参考になる部分も多い。ソウルに出張や旅行した際には、ぜひ立ち寄ってほしい。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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