次はフラッシュを炊く。本機のキセノンフラッシュはどれだけ効果があるだろうか。
うーん、ホワイトバランスをオートにした1枚目はめいっぱい青くなってしまった。これはフラッシュの光の色温度と環境光の色温度が違いすぎるため。カメラは環境光の色温度(赤っぽい色)に合わせて撮影したが、そこにフラッシュの光がかぶったために青くなってしまったのだ。2枚目はホワイトバランスをフラッシュの光に近い“太陽光”に合わせた。こちらはかなりましになっている。この辺のコツは普通の室内でも同様である。
フラッシュを使ってねこを撮影。この作例も少し青っぽい(なお、ピントがきちんと合ってないのは、ねこがじっとしててくれないからである)。
最後はマクロ撮影。
この作例は、ホワイトバランスを“照明”に設定して撮影した。マクロ撮影は8センチほどまで近寄れるが、微妙にピントをはずすことが多々あった(カメラはピントが合ったと示すが、撮った写真を確認するとややずれている)。この辺は本職デジカメに対してまだまだ進化の余地があるところだ。
最後に顔認識AFを改めて見ていこう。
メニューで顔認識を有効にすると、ファインダー内の顔を探し始める。1〜2秒ほどで顔を見つけると、認識した顔に枠が表示される。
これで認識完了だ。
さて、左の顔認識を有効にした例と、顔を認識した右の例で登場する人形がなぜ違うのか──。実は男性の人形でないと顔と認識してくれなかったためだ(本物の人間の顔で試しても、少し条件が悪いと認識してくれないこともあった)。
ちなみにこの人形は本職デジカメの顔認識機能のチェックでよく使うものだが、今まで認識できなかったことはなかった。ちなみに、先日試した顔認識AF搭載の「N905i」(905iシリーズのカメラレビュー参照)は認識できた。というわけで顔認識AF機能についてはドコモのN905iの方が上なのかな……(それともシーンにもよるのかな)と思う。
もう1つ、PHOTOS 920SCの再生機能はかなり使いやすい。
デフォルトのサムネイル表示メニューは、で写真を選ぶと中央にメインの写真があり、その左右に前後の写真の端が見えるデザインとなっている。順番にめくりながら写真を探すときにとても操作しやすかった。ここで決定キーを押すと、写真をフルスクリーンで表示できる。そのほか“日付別”など、さまざま条件で並べ替えながらの表示することも可能だ。
以上、力を入れているのはスペックから分かるものの、実際にカメラとしてきちんとしていたのにけっこう驚いた。
もちろん晴天下の屋外(特に青空)での写りやマクロ時のAF精度、顔認識の性能などに不満があり、まだまだ反応の速さやレンズ性能(特に周辺の画質低下など)、オートホワイトバランス(AWB)や自動露出(AE)精度、発色のコントロールにおいて改善の余地はある。
とはいえ、ケータイカメラとしてスライドボディゆえの使いやすさがあり、ズーム機能も使い物になる実力を備えていた。ケータイでさっと高画質に撮影する、という用途ならかなり使えそうと思えるカメラ機能だった。カメラ第一優先で携帯を選ぶなら、注目しておきたい端末である。
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