3月も半ば、ドコモの販売ランキングはやや大きな動きがあった。
今回の首位は、富士通のユニバーサル端末「らくらくホンIV」が獲得。2007年冬商戦から続く905iシリーズの牙城を15週ぶりに崩した。
続いて2位にパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P905i」(前回1位)、3位にNEC製の「N905i」(前回4位)、4位にシャープ製の「SH905i」(前回3位)、5位にパナソニック モバイル製の「P705i」(前回5位)が入った。
さて、今回首位に返り咲いたらくらくホンIVは2007年8月発売の長期人気機種。らくらくホンシリーズは年間を通して一定した人気があり、主力機種の勢いが衰える商戦期の狭間にぐっと順位を上げるのが特徴だ。
そのためこの機種が上位に来ることは主力の905i、705iシリーズの売れ行きがやや落ちている傾向と考えることができる。それを裏付けるように、905iシリーズを発売した2007年11月末にドコモ端末でほぼ占めたキャリア総合ランキングも、最近は上位をauとソフトバンクモバイル端末に奪われる状況が続いている。長らくキャリア総合ランキングでも首位だったP905iは今回かなり順位を下げ、6位まで落ち込んだ
一方のらくらくホンシリーズは、新機種「らくらくホン プレミアム」とリニューアル版「らくらくホンIVS」、「らくらくホン ベーシックS」の3機種が新たに追加される。らくらくホンIVSとらくらくホン ベーシックSは今までのモデルと基本スペックはほぼ同じながら、分割払いできるバリューコースで購入できるようになる。
特にらくらくホンシリーズがバリューコース対象機種となることで、ユーザーは購入時の負担が少なくなり、心理的に購入しやすくなる。ドコモにとってもやや長期間ユーザーを囲い込める可能性が高まり、かつ、発売から時間が経った端末を“大きく値下げ”する必要も薄れる。このあたりは巧妙といえ、らくらくホンシリーズの人気はこの先も安泰と言えそうだ。なお、これら新機種が登場(4月以降発売予定)するまで現状のらくらくホンIVが買い控えされる懸念もあるが、たぶん考えすぎだろう。
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