第2回 “世界初”になれなかった三菱製メガピクセルカメラ携帯──「D505i」昔のケータイの中身が見たい(2/2 ページ)

» 2008年03月21日 23時50分 公開
[今泉博通,ITmedia]
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注意

  • 携帯電話を改造すると、電波法違反となります。
  • 本企画で使用した端末は、分解後はリサイクルに出しています。

 D505iのボディは、ヒンジ部に大きな特徴があるが、それ以外は比較的シンプルな構成。ディスプレイ側はプラスチック製のカバーの4隅がネジ止めされている。一方ダイヤルキー側はボディの4隅に加えてカメラ用の穴の近くにもネジがあり、計5カ所で固定されていた。5つめのネジは「SUPER CCD HONEYCOM」と記されたカメラ用の穴を保護するパーツの下に隠れている。

PhotoPhoto まずは背面と底面のカバーを取り外す(左)。右上が底面カバーで、カメラ穴の周囲にある白と金のパーツは内蔵アンテナだ。黒い円形のパーツはスピーカー。左上は背面のカバー。先端部(左端)は充電時や着信時にD505iのロゴが光るよう、光が透過するようになっている。内側のカバーを外すとこのような感じ(右)。きれいに骨組みとガワに分かれる。カメラはヒンジ部にぴったりはまっている。ヒンジ部のケーブルの取り回しは案外シンプル

 ヒンジ部のカメラユニットは、黒いゴム製のパーツでヒンジにしっかり固定されている。ケーブルは短く、背面側の金属でシールドされたベースバンドチップのすぐ近くに接続されていた。

Photo 67万画素スーパーCCDハニカムを採用したカメラモジュールは、ヒンジ部に黒いゴムパーツでしっかり固定されている

 カバーを外すと端末の骨組みが現れる。この骨組みに各種パーツが組み込まれており、カバーの中に単純に基板が収まっている訳ではない。

 ディスプレイ側の骨格はヒンジのパーツと一体になっている。ヒンジは樹脂製だ。この骨格の内側に2.2インチのMD-TFD液晶、外側に基板とサブディスプレイが搭載されている。

PhotoPhoto 内側に2.2インチのメインディスプレイと受話部のスピーカー、外側にサブディスプレイとフレキケーブルのような薄さと柔らかさの薄型基板、厳重にシールドされたエリア(ベースバンドチップ?)がある

 ダイヤルキー側は基板を包むように骨格があり、その外側にダイヤルキー用のスイッチがある。ヒンジはこのパーツと2本のネジで固定される。アルミ板に貼り付けられたスイッチを外すと、カバーがネジ止めされた基板部分が現れる。ネジを1本外して外側のカバーを取ると、内側のカバーに2本のネジで固定された基板がようやくお目にかかれる。

PhotoPhoto ダイヤルキー側は、スイッチの下に、まるでもう1つケースがあるかのように、基板を包むような形の骨格がある。メイン基板は3本のネジでしっかり固定されており、かなり頑丈そうな作り

 ディスプレイ側とダイヤルキー側の基板だけを取り出したのが下の写真。初期のFOMA端末「P2101V」と比べるととてもシンプルでコンパクトだ。アプリケーションプロセッサと思われる大型のチップの横にあるメモリに三菱マークが入っている点に時代を感じる。多くのチップはその機能などがよく分からなかったが、一番大きなチップの左上にあるNational Semiconductor製のチップは「LMX2505」というデュアルバンドPDCに対応した周波数合成チップであることが分かった。

PhotoPhoto 左がディスプレイ側、右がダイヤルキー側の基板。2つの基板をつなぐフレキケーブルは細くてそれほど長さもない
PhotoPhoto 左がメイン基板の内側、右が外側。内側にメモリースティックDuoスロットなどを備える。外側にはアプリケーションプロセッサとおぼしき大型のチップや、三菱製のメモリチップなどが見える。外側の中央上部に2つ並んだ黄色い正方形のパーツは撮影補助用のLED。かなり明るいLEDだ

 ムーバ端末としては最終進化系の域に達していた505iシリーズの端末だけに、パーツの構成はとてもシンプルながら、かなりしっかりした作りだった。非常にコンパクトなストレート端末も開発できる技術力はあったが、ディスプレイの大型化の流れでボディが大きくなりつつあった時期で、パーツを配置する面積には余裕があったのだろう。

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