D505iのボディは、ヒンジ部に大きな特徴があるが、それ以外は比較的シンプルな構成。ディスプレイ側はプラスチック製のカバーの4隅がネジ止めされている。一方ダイヤルキー側はボディの4隅に加えてカメラ用の穴の近くにもネジがあり、計5カ所で固定されていた。5つめのネジは「SUPER CCD HONEYCOM」と記されたカメラ用の穴を保護するパーツの下に隠れている。
ヒンジ部のカメラユニットは、黒いゴム製のパーツでヒンジにしっかり固定されている。ケーブルは短く、背面側の金属でシールドされたベースバンドチップのすぐ近くに接続されていた。
カバーを外すと端末の骨組みが現れる。この骨組みに各種パーツが組み込まれており、カバーの中に単純に基板が収まっている訳ではない。
ディスプレイ側の骨格はヒンジのパーツと一体になっている。ヒンジは樹脂製だ。この骨格の内側に2.2インチのMD-TFD液晶、外側に基板とサブディスプレイが搭載されている。
ダイヤルキー側は基板を包むように骨格があり、その外側にダイヤルキー用のスイッチがある。ヒンジはこのパーツと2本のネジで固定される。アルミ板に貼り付けられたスイッチを外すと、カバーがネジ止めされた基板部分が現れる。ネジを1本外して外側のカバーを取ると、内側のカバーに2本のネジで固定された基板がようやくお目にかかれる。
ディスプレイ側とダイヤルキー側の基板だけを取り出したのが下の写真。初期のFOMA端末「P2101V」と比べるととてもシンプルでコンパクトだ。アプリケーションプロセッサと思われる大型のチップの横にあるメモリに三菱マークが入っている点に時代を感じる。多くのチップはその機能などがよく分からなかったが、一番大きなチップの左上にあるNational Semiconductor製のチップは「LMX2505」というデュアルバンドPDCに対応した周波数合成チップであることが分かった。
ムーバ端末としては最終進化系の域に達していた505iシリーズの端末だけに、パーツの構成はとてもシンプルながら、かなりしっかりした作りだった。非常にコンパクトなストレート端末も開発できる技術力はあったが、ディスプレイの大型化の流れでボディが大きくなりつつあった時期で、パーツを配置する面積には余裕があったのだろう。
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