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» 2008年04月07日 20時05分 UPDATE

Bluetooth+MacでもOK:かなり優れた“Bluetoothモデム”だ──イー・モバイルの「H11T」をデータ通信端末として使いこなす (1/4)

イー・モバイルの音声端末第1弾「H11T」。回転2軸ボディにワンセグや320万画素AFカメラ、ドコモの国内ローミング機能などを備える“普通”のケータイだが、実はかなり安価に導入できるデータ通信端末でもあった。このH11Tのデータ通信利用時における使い勝手や通信速度を検証した。

[坪山博貴,ITmedia]

 2008年3月28日、イー・モバイルが音声サービスを開始した。これに合わせ、“通常の電話型”の端末として登場したのが「H11T」だ。

photophoto 現在、イー・モバイルで唯一の“通常タイプ”の音声端末である「H11T」(東芝製)。最初に投入する音声端末ということで幅広いユーザー層に対応すべく、ワンセグや320万画素カメラ、ドコモとの国内ローミングなどの機能を備えたオールマイティ型の端末だ

 H11Tは東芝製のHSDPA通信対応の3G音声端末。HSDPAカテゴリ6に対応し、下り最大3.6Mps、上り最大384kbpsでデータ通信できる。EMnetやEMnetメール(MMS)以外にPCなどに接続してインターネットを利用することも可能で、その場合もパケット料金に違いはない(他社のようにパケット定額プランが「PCでのインターネット利用時は例外」ではない)のが特徴の1つだ。例えば「ケータイプラン」で契約する場合も、基本料金込みのパケット料金が上限の月額4980円で済む(ケータイプラン ベーシックは月額5980円)。

 auとドコモのPC接続向けの定額プランは独立した料金プランであり、音声利用はできない。しかしイー・モバイルは音声利用と制限がないインターネット接続を1つの契約で兼ねられる。2008年4月現在はウィルコムがこれに近い料金体系だが、音声定額プランと併用できる「データ定額」(最大128kbps)は、音声端末以外からのインターネット利用時はパケット料金の上限額が引き上げられる例外条件がある。

 H11Tはイー・モバイル公式サイト「EMnet」のコンテンツやケータイ向けサイトに加え、PC向けのサイトも閲覧できるフルブラウザを搭載する。メールは、SMS(国内ではイー・モバイル端末間のみ)やEメール(EMnetメール)の利用が可能。そして、USB接続の有線モデム、Bluetooth接続のワイヤレスモデムとしても使用できる。

 その点で、H11Tはいわゆる“ごく普通”の音声端末でありながら、データ通信端末としての魅力もある。今回はモバイルPCと携帯をある程度高度に併用するユーザーを対象に、このデータ通信端末としての機能や使い勝手を中心にチェックしていく。

USBモデムとしての機能、使い勝手

 まずは、付属CD-ROMかイー・モバイルのWebサイトからドライバをダウンロードしてPCにインストールしておく。本体をUSB接続する前にドライバソフトをインストールしておく必要があるが、難しい作業ではないだろう。

 H11TをPCのUSBモデムとして使用する場合、イー・モバイルの「D02HW」などのデータ通信専用端末とは異なり、原則としてダイヤルアップ接続の設定をユーザーが作成する作業が必要だ。もちろん作成方法はマニュアルに記述があり、かつ認証用のIDやパスワードはデータ通信端末と共通。こちらもそれほど難しいことはない。

 なお、Windows 2000、Windows XPユーザーであれば付属CD-ROMからインストールできるユーティリティソフト「Mobile Sync」を使ってもよい。ウィザード形式で接続先やID・パスワードを反映したダイヤルアップ接続設定を作成でき、インターネット接続/切断の管理も行える。ただし、Mobile Syncは他キャリアのデータ通信用ユーティリティにあるような送受信パケット数を記録する機能がないないため、パケット量(パケット通信料金)を気にしながら使う場合は少し不便かもしれない。

photophoto 通信端子は本体の右側面にある。カバーは90度ほど開くので、USBケーブル接続時もそれほどじゃまにはならない。端子形状はドコモのFOMAやソフトバンクモバイルの3G端末と共通。ただし、充電に加えてイヤフォンマイク用端子も兼ねる。こちらはソフトバンクモバイルの「912T」などと同じタイプだ
photo 付属するWindows PC用ユーティリティソフト「Mobile Sync」。PIMの同期機能などもある。執筆時点(2008年4月)ではWindows Vistaには対応していない
photophoto ウィザードを利用してダイヤルアップ接続設定を作成できる。H11TのCID情報を読み込んで設定してくれるので、ユーザーが設定する必要があるのはダイヤルアップネットワークの名称くらいだ。名称は自分が判別できるものであればなんでもよい
photophoto ダイヤルアップネットワークの一覧から接続/切断操作が可能。ウィザードで作成されるのはWindowsのダイヤルアップネットワーク設定そのものなので、Windows側の機能で接続・切断操作することもできる(慣れたユーザーはこれでこと足りることも多いので、逆にありがたい)

 H11TをUSBモデムとして利用する場合、公式にドライバが提供されるのはWindows 2000/XP/Vistaのみとなる。ただ、本端末はUSBのCDC(Commnication Data Class)に準拠するので、CDCドライバを標準で備えるMac OS(X、9.1以降)でもUSBモデムとして利用できる可能性が高い。今回、インテルCPU(Core Duo 1.8GHz)搭載のMacBook(Mac OS X 10.4.1)で試したが、問題なく認識し、使用できた(同様に、Linux環境もCDCドライバを準備すれば利用できるようだ)。これらはあくまで公式サポートの範囲外となるものの、USBモデムとして利用できる範囲が広く、USB接続型を含む同社のデータ通信端末より汎用性があるといえそうだ。

photophoto MacとUSB接続し、通信モードを選択すると、あっさりとOS標準ドライバで通信ポートとして認識された。Mac OS側のモデム選択肢には(当然だが)H11Tの項目はない。今回のテストでは、同じくCDCで動作する「JRC USB MODEM」(ウィルコムの「WX310J」用)を選択してみたが、これで問題なく利用できた
photophoto インターネットへのダイヤルアップ接続ももちろんOS側の機能でそのまま行える。下り通信速度1.823Mbpsを記録したので、通信パフォーマンスとしても問題はないようだ
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