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» 2008年04月16日 22時30分 UPDATE

Display 2008:そろそろ身近に──電子ペーパーを“ケータイ”する生活 (1/2)

auのケータイやAmazonの電子書籍リーダーなどコンシューマ向けの機器にも搭載され、かなり身近な存在になってきた「電子ペーパー」。電子ペーパーとはそもそも何か。何がよいのか、どんなことができるのか。Display 2008で、そろそろ普及の兆しを見せる電子ペーパーの動向を確認できる。

[岩城俊介,ITmedia]

 東京・有明の東京ビッグサイトで薄型ディスプレイの国際展示会「Display 2008」が開催された。パナソニックの150型プラズマディスプレイ、ソニーの有機ELテレビ、3D映像を裸眼で視聴できるディスプレイなどの大型/AV機器向けの展示以外に、電子ペーパー技術の展示も盛んに行われている。開催は4月18日まで(フラットパネルディスプレイ研究開発・製造技術展「ファインテック・ジャパン」も同時開催)。

photo 電子ペーパーディスプレイを搭載するauの「W61H」

 中でも携帯機器向けには、新たな表示デバイス「電子ペーパー」関連の展示が目立った。電子ペーパーは紙のように薄く軽量、低消費電力(表示中の消費電力がゼロ)、高い視認性、フレキシブル性などを特徴とし、auの2008年春モデル「W61H」(日立製作所製)に採用されたのが記憶に新しい。高速に描画を繰り返すような表示は苦手だが、カラー表示も可能であり、電源を切っても表示が消えない(表示したままにする)特性などもある。

 W61Hのサブディスプレイに搭載する2.7インチの電子ペーパー「シルエットルクリーン」は米E Inkが開発した電子ペーパーの技術を採用。画面内でさまざまな模様の変化が楽しめる。この電子ペーパーは、荷電に反応する黒と白の色素カプセルを含む特殊な塗料が薄く塗られたものでできている。電荷のかけ方の違いで黒か白どちらかの色が浮かび上がり、文字や模様、図柄を表現する仕組みだ。

photophoto 約2.7インチの電子ペーパー「シルエットスクリーン」。さまざまな模様の変化を楽しめる

 E Inkのブースにはこのほかに、Motorola製の海外市場向けGSM端末「Motofone F3」や米Amazon.comの電子書籍リーダー「Amazon Kindle」(キンドル)、電子ペーパーを文字盤に使う腕時計、電子ペーパーディスプレイ搭載カード、曲げられる電子ペーパーディスプレイなども展示する。

 Motofone F3は厚さ9ミリの海外市場向けGSMスリムストレート端末。こちらはW61Hとは異なり、メインディスプレイに電子ペーパーを採用し、時刻や電話番号、メニュー項目などを表示できる(プリント基板を見ると表現能力はかなり限られるようだが)。

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photophotophoto 電子ペーパーをメインディスプレイに採用するMotorola「Motofone F3」。W61Hとは異なり、日時や各種メニュー表示なども表示できる。ひと昔前の液晶時計(ゲーム&ウオッチなども含む)で見られたような表示可能な“枠”が確認できる

 Kindleは、2007年11月に米国で発売され、発売と同時に供給が追いつかないほど人気となっている通信機能付きの電子書籍リーダー。価格は399ドル。日本での展開も計画されているという。インターネット経由で書籍や新聞データをダウンロードでき、ハードカバー本とそれほど変わらない大きさ。重量は約300グラム。電子ペーパーは既存の液晶ディスプレイと比べ、パネルの重量や消費電力、視認性(視野角180度)などにメリットがあり、Kindleのような端末とは特に相性がよいといえる。

 電子ペーパーはクレジットカードや会員カードのようなカードにも搭載可能。ICチップなどのカード内情報(電子マネー残高表示など)や銀行利用時のワンタイムパスワード表示といった利用シーンが想定される。腕時計も常に身につけるものの1つ。文字盤に電子ペーパーを用いると、気分に合わせて自由に図柄をカスタマイズできる時計になる。視認性や表示しっぱなしにできる特性を利用しつつ、電池消費量など時計としての機能は大きく損ねない、(いくぶんジミだが)分かりやすい提案かもしれない。

photophoto Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」
photophotophoto フレキシブル電子ペーパーは“しなり”具合が本当の紙のよう。そのほか、時計の文字盤やカード用のディスプレイとしての活用方法も提案する
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