進む韓国モバイルインターネットのオープン化――「Hapticフォン」でフルブラウザを試す韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2008年04月23日 15時44分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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フルブラウザとメールを利用してみる

 操作方法も特徴的だが、Hapticフォンといえばフルブラウザを利用できるのが最大のセールスポイントだ。これまで韓国では、携帯電話によるインターネット利用があまり一般的ではなかった。フルブラウザを搭載する端末の登場が、こうした状況を変えられるのだろうか。

 Hapticフォンの「Mobile Web Internet」メニューをクリックすると、PC向けポータルサイトでもある「NATE」の検索ウィンドウにつながる。NATEは、SKTのモバイルインターネットサービスの名称でもある。ここでキーワードを入力してWebサイトを検索するか、あるいは別のタブで分類されているディレクトリ検索をする。URLを直接入力することも可能だ。

photophotophoto Mobile Web Internetメニューから、インターネットに接続(左)。最初に検索ウィンドウが出てくるので、ここにキーワードを入力してサイト検索を行う(中)。ディレクトリには、SKTがあらかじめ推奨するWebサイトの一覧がある。ポータル、ニュース、ブログ、メール、知識、写真といったジャンルに分かれている(右)

 しかしこのMobile Web Internetは、携帯電話の縦長画面でしか見られないほか、Flashアニメも表示されない。URL入力も、半透明のキーボードを画面に表示させ、そこでキーワードやURLを入力するため、画面のアイコンと文字とが重なるので見難いなど、全体的に使いづらく満足感が低い。

photophoto 半透明のキーパッドを表示させて、検索ウィンドウに文字を入力したり、URLを打ち込んでいるところ。透明度はキーパッド下に表示されている調節バーで、好きな具合に変えることができる。透明度の調節具合にもよるが、文字が確認し辛く入力しにくい

photophoto Flashを使った広告は、「Object」と表示されてしまう(左)。PC向けのWebサイトにアクセスしてみたが、一部しか表示されなかった(右)

photophoto PC向けWebサイトを、縦画面に見やすくする「自動整列」モード。画像などは省かれる(左)。画面を50%程度に縮小して表示しているところ。Webサイトの大部分が見渡せるようになる反面、文字が小さくて見えにくくなる(右)

 上記のように、プリセットされたMobile Web Internetではあまり快適なフルブラウジングは期待できない。そこで、横画面で見られるフルブラウザとしてUbiquitous Wizardが配布している「Mobile Web Viewer」をダウンロードして、インストールしてみた。

 Mobile Web Viewerを使うとFlashや動画、日本語など、大抵のWebサイトを表示できるようになる。URLの入力も、スタイラスペンでできるので楽だ。対応していないActiveXコンポーネントがあったり、処理速度がやや遅いという面もあるが、PCと同じようにWebサイトを見るにはぴったりだ。

photophoto Mobile Web Viewer。下にブックマークや検索といったメニューを表示させておくこともできるが、Webサイトを画面にフルに表示しておくこともできる。日本語Webサイトを表示してみると、やや文字化けする部分もあるものの、9割方は表示できた

photo リンクなどで別途ウィンドウが立ち上がり、Webサイトが表示されることがあるが、そんな場合Mobile Web Viewerでは、別のタブで立ち上がるようになっている。また、このタブ機能で2つのWebサイトに同時にアクセスすることもできる

 Hapticフォンは月額3000ウォン(約310円)を支払えば、Webメールを受信することができる。アカウントを登録すれば、自動的に新着メールを確認し、アラームで知らせてくれるという仕組みだ。添付ファイルも、ファイルビューアーで見ることができる。ファイルビューアーは、JPEGはもちろん、Microsoft WordやExcel、PDFなどのオフィス文書など、主なファイルには一通り対応している。

photophotophoto メールタイトル一覧。ここから見たいメールを選択すると、本文を表示する(左)。メールの詳細情報画面では、タイトル、添付ファイルの有無、差出人、受信時間が表示される。(中)メールの内容を見たい場合は、オレンジ色の「eメール内容読み込み」ボタンをクリックすれば表示される。また添付ファイルがある場合も、ファイル名をクリックすればダウンロードが始まる(右)

photophotophoto 添付ファイルのPDFファイルを見ているところ。ファイル全体を表示すると小さすぎてほとんど文字が見えない。6倍程度にしてやっとどんな内容が書かれてあるか読める程度の文字の大きさになる。最大14倍まで大きくできる

phoyo ちなみに日本語のメールを受信してみたところ、ひらがな、カタカナは表示されたものの、漢字は文字化けして表示されなかった

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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