ITmedia 変形のしかたがまたすごいですね。ドラマの制作発表会場では、ガラスケースの中での展示でしたし、ニュースリリースには完全にたたまれた状態とロボット型に展開した状態の写真しかなかったので、どんな風に変形するのか、とても興味を持ちました。
由本 変形の機構は、ウィズさんの設計部隊が作ったのですが、やっぱり玩具のプロですね。ちゃんと手足が全部たためるようになるとは思わなかったです。
宮園 立つバランスとかもすごいですよね。
由本 最初は、絶対立たないと思っていました(笑)
大下 変形に関するマニュアルが必要なんですよね。
由本 変形させるのって、結構難しいんですよ。大人は苦労すると思います。子どもは多分大丈夫だと思うんですけどね。たたむときに工夫がいります。特に足が難しいです。関節を逆に折ったりしないといけないので。
大下 人間の動きではありえない方向に曲げたりしますからね。社長が試作機をいじったときもこわしました(笑)
由本 まだ世の中に1つしかないものをきれいに割っていました(笑)
ITmedia 変形パーツだけ販売するという予定はないんですか? オプションパーツの展開も気になりますが。
由本 今のところはないですね。玩具だと比較的そういう展開をやりやすいんですが、携帯電話の場合はクリアしないといけない問題が多いんです。例えば品質保証の面で、耐衝撃性や耐熱性なども確保しなくてはいけませんので。
ITmedia ここまで作り込んであると、大人も欲しくなってしまいますが、メインターゲットは小学生なんだそうですね。
宮園 調査をしたところ、9割くらいの子どもたちが「欲しい」といってくれました。
由本 ものすごい反響がありましたね。当然、親は子どもに買い与えたくないわけですが(笑) でも、それはいい反応だと思ってるんです。子どもが欲しがって親にねだるという構図は。
宮園 フォンブレイバーは、子どもが楽しめるケータイというテーマで作っていたので。
ITmedia 子ども向けという意味では、コドモバイルをベースにするといったことも考えられたのですか?
由本 その考えは最初からありませんでした。コドモバイルというのは親目線の商品です。親が子供に持たせたいケータイ、という位置づけですね。一方、フォンブレイバーは子ども目線の商品なんです。当初は防犯機能やGPSを付けようという案もあったんですが、よく考えるとそうじゃないよね、これは子どもの商品だから子どもが欲しいものを作るべきだよね、ということになったんです。
宮園 番組の製作にも関係しているのですが、大人が楽しめないと子どもは感動しないという考えで作っています。これは三池監督もおっしゃっていることなのですが。うちの社長の孫にも「子どもだからといっておもちゃみたいな世界ではなく、リアルな世界をちゃんと表現しないとだめだ」と言われています。
大下 番組の中でリアルさを出すのがすごく大変ですね。
由本 番組中のPCに表示されている画面も、実はかなり作り込んでいるんですよ。脳機能学者でサイバーセキュリティの権威である苫米地英人さんが監修しています。
大下 苫米地さんが検証して「これは近い将来実現できる技術だから、この表現で行こう」といった判断をしています。ドラマのなかで出てくる言葉や行動なども、すべて技術的な裏付けをとってからやっています。それゆえに没ネタもいっぱいあるんですよ。
ITmedia funfan. 815Tではパネルを変更できるのがウリですが、815T PBには交換用パネルの設定はないんですね。
由本 今回はありません。番組の中で出てくるフォンブレイバーのキャラクターを考えると、着せ替えパネルはおかしいよねという話になりました。フォンブレイバーは捜査官ですから、パネルがキティやスヌーピーじゃ、なんか違いますよね。そこはウィズさんも同じ考えだったようで、パネルはどうしましょうかと聞いたら、「いらないです」という答えでした。
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