全機種ワンセグ、“携帯No.1のコンテンツ”+新機軸展開を武器に──パナソニック携帯の夏商戦戦略(1/2 ページ)

» 2008年06月04日 18時08分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo 戦略を説明するパナソニック モバイル商品企画統括の瀧川裕氏

 パナソニック モバイルコミュニケーションズは6月4日、2008年夏商戦向け製品に関する戦略説明会を開催。人気モデル“VIERAケータイ”をどう進化させたのか、多岐に渡るユーザーニーズに沿う新たなバリエーション展開などに関する製品の狙いを説明した。

 同社は2008年夏商戦向け製品として、ドコモ向けに「P906i」(発売済み)、「P706iμ」(7月〜8月発売予定)、「P706ie」(7月発売予定)の3機種、ソフトバンクモバイル向けに「921P」(6月下旬以降予定)、「Tropical 823P」(6月下旬以降予定)、「MIRROR II 824P」(6月下旬以降予定)の計6機種を投入する。au向け端末は今回、夏商戦向け向けとしては投入しない。「現在、KCP+採用機種を鋭意開発中。もちろん今後も継続してau端末も投入する」という。

 今回の製品のポイントは、

  • VIERAケータイの進化
  • 世界最薄の進化
  • さらなるバリエーション展開を実施

 の3点。すべての機種にワンセグを搭載するとともにワンセグアンテナを内蔵型とした。このほか、3インチ以上の大型ディスプレイやパナソニックのハイビジョンテレビ“VIERA”シリーズで培った高画質化技術「モバイルPEAKSプロセッサー」も全機種に採用する。2008年春モデルに投入した厚さ9.8ミリの極薄モデルにも、今回の夏モデル P706iμでサイズをそのままにワンセグを搭載した。3G折りたたみワンセグ端末最薄(2008年5月現在)も強くアピールする。

 P905iで評価を得たWオープンスタイルの“VIERAケータイ”は、ソフトバンクモバイルのハイエンド機種としても水平展開を実施。ドコモにあるものは、ソフトバンクモバイルにもという「キャリアが違うのでほしい機種が買えない」を解消する。

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 ワンセグアンテナの内蔵化はドコモ向けの春モデル「P705i」で取り組んだものが、夏モデルは全機種に採用範囲を拡大した。ボディ内の金属フレームをアンテナとするメインアンテナと端末の下部(マイク付近)に備えるサブアンテナの2つで受信する「合成ダイバーシティアンテナ」により、向きや場所によって感度が変わる受信環境を、2つのアンテナで得た信号を合成することで高い感度を実現する。アンテナを内蔵したP906iは、ワンセグ用ロッドアンテナを立てたP905iとほぼ同等の受信性能を実現するという。

 このほか、映像機能に特化した春モデル「P905iTV」に採用した、映像をなめらかに表示するフレーム補間技術「モバイルWスピード」の搭載機種も増やした。P906i、921P、P706ieにモバイルWスピードが備わる。P706ieは、シニアユーザー向けだけではない使いやすさ”をテーマにしたドコモの「ie」モデルの1つとして展開する機種。ハイエンドモデルに匹敵するほどの機能を備えながら、ユーザーが任意に操作できる「拡大もじキー」や周囲の騒音に応じて声量を補正する「しっかりトーク」、自分の声を相手に聞こえやすくする「ノイズキャンセラ」、相手の声をゆっくりにする「ゆったりトーク」、レシーバー部品の改善などの機能を盛り込み、デザインや高級感、高い機能と、使いやすさを両立する新たなスタンダード機種として展開する考えだ。

 新たな展開として、ソフトバンクモバイル向けの“主に女性層”をターゲットにした端末の投入も挙げられる。ソフトバンクモバイルの要望で開発に取り組んだという防水ワンセグ「Tropical 823P」やミラーフェイスの華麗なデザインが特徴のスリムワンセグ「MIRROR II 824P」を開発。パナソニック モバイルは、春モデルのP705iやau向けの「W51P」など、女性層に響く端末の開発にも長けるが、「夏モデルのキーワードは“女性”。日本中の女性をとりこにしたい」(ソフトバンクの孫正義社長)というソフトバンクモバイルの考えとともに、これらがどのようにユーザーへ受け入れられるかに注目したい。

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