P905iで妥協した“ほんの数ミリ”──「P906i」の進化の過程はここから始まった開発陣に聞く「P906i」(3/4 ページ)

» 2008年06月18日 20時43分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

“モノ”がない手探り状態で開発した横向きUI

 P905iの正常進化モデルとして、P906iの進化点を日常的に感じられる機能、それが横向き用UI「ヨコメニュー」である。

 ヨコオープンスタイル時にメニューを開くと、ワンセグやデータフォルダ、フルブラウザ、ゲームなどを横向きのまま操作できる専用の横向きメニューが表れる。待受画面も横向きに対応し、時計やカレンダー、スケジュール、iチャネルのニューステロップなどを表示しておける。ヨコオープンスタイルのまま、デスクトップカレンダーやデジタルフォトフレームなどとして活用することも想定した取り組みだ。

photophoto ヨコオープン時に使いやすい横向きメニューを新設

 「“Wオープンスタイルだからできること”を、かなり時間をかけて議論しましたね。横向きUIは、P905iの開発時からしっかりと搭載したいと思ってはいましたが、結果として(P905iでは)多くを実現できませんでしたから、なおさらでした」(松尾氏)

 「“どんなUIにするか”を決めるのも、かなりしんどい作業でした。実際に参考にできる“モノ”がなかったのでどうにも……という状況でして。いくら遷移図を完璧に作成しても、実際に操作してみると“あれ? ここ使いにくいね”というところも多かったですね。このあたりのチューニングは特に時間をかけて煮詰めました」(ソフトウェア設計担当の小池氏)

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photophoto 写真の表示や録画したワンセグ番組の再生なども横向きのまま操作できる

 「ワンセグや動画・写真表示はもちろん、P905iで好評だったゲームアプリは、今回も魅力的と思ってもらえるような横向き対応の“大作”をプリインストールしています」(コンテンツ企画担当の相澤淳氏 以下、相澤氏)

 充実する内蔵コンテンツも、P906iの購入ポイントの1つに挙げられる。P905iに同梱した「リッジレーサーズモバイル」に続き、P906iは「レイトン教授と不思議な町」(レベルファイブ)と「機動戦士ガンダム U.C.0079」のフルバージョンが基本無料(追加データのダウンロードなど、パケット通信料は別途必要)で遊べる。

 「大作ゲームもこのスタイルだからできます。コンテンツプロバイダさんと共同でゲームとしての完成度も徹底して追求しました。ゲームもここまでできるんだというのを905iで知っていただいたと思うので、これをさらに追求しました」(相澤氏)

 「これまでは端末の内蔵メモリ内にどう詰め込むか……といった“割り切る箇所の取捨選択”も課題の1つでしたが、今回はあえてダウンロードによる無料バージョンアップの方法で、外部メモリにデータをダウンロード保存する方法にしました。コンテンツにかかる追加料金はもちろんありません。メーカー公式携帯サイト(P-SQUARE)からダウンロードできるようになっています」(松尾氏)

photophoto 横向きワイド画面とWオープンスタイルで、家庭用携帯ゲーム機のような感覚でゲームアプリを楽しめる。「機動戦士ガンダム U.C.0079」と「レイトン教授と不思議な町」をプリセットするほか、パナソニック モバイルの携帯サイト“P-SQUARE”で「バーチャファイターモバイル for P」や「電車でGO!山手線ワイド版 Type-P」のダウンロード配信コーナーも用意する
(C)創通・サンライズ(C)BANDAI NETWORKS (C)2007-2008 LEVEL-5 Inc.

 メーカー公式サイト「P-SQUARE」にはプリインストールするガンダムとレイトン教授アプリ以外に「バーチャファイターモバイル for P」(配信期間:2009年5月末まで)や「電車でGO!山手線ワイド版 type-P」(配信期間:2009年5月末まで)といった横向きで楽しめるゲームアプリも用意する。

 これらはもちろんP906iを購入したユーザー全員向けの特典だ。

 「家庭用携帯ゲーム機とほぼ同等クオリティのゲームを“ほぼそのまま、無料で遊べる”ことも強くアピールしたいですね」(松尾氏)

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