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» 2008年06月24日 15時09分 UPDATE

韓国携帯事情:「OMNIA」から「Secret」まで話題のケータイ続々――韓国「World IT Show 2008」リポート(前編) (1/2)

韓国・ソウルで開催されたIT関連の総合展示会「World IT Show 2008」。iPhone対抗として注目を集めるSamsung電子の「OMNIA」や、チョコレートフォンの投入で一躍有名になったBlack LabelシリーズのLG電子製「Secret」が登場した。

[佐々木朋美,ITmedia]

 韓国ソウルで6月17日から20日(現地時間)まで、IT関連の総合展示会「World IT Show 2008」が開催された。ハードウェアやソフトウェアだけでなく、WiBroなどの通信技術や規格まで、韓国内外の多数の企業が参加して技術力を披露するこの展示会で、今回はどのような製品や技術に注目が集まったのか、リポートをお届けする。

「Soul」「OMNIA」などグローバル戦略携帯を発表――Samsung電子

 毎度のことながらSamsung電子とLG電子は、もっとも大きなブースを展開して覇を競っていた。Samsung電子はこのところ、立て続けに韓国内外向けに戦略的な携帯電話を発表しており、今回の展示会は韓国内でいち早くそれに触れられる機会となった。

 中でも今回、Samsung電子が力を入れているのが「Soul」と「OMNIA」の2機種だ。Soulは「the Spirit Of ULtra」の略で、その名前からも分かるとおり同社のプレミアム携帯シリーズ「Ultra Edition」の1つであるだけでなく、同シリーズの「魂(Spirit)」を盛り込んだという渾身の1台だ。

 特徴的なのは、メインディスプレイ下部にある“マジックキーパッド”。機能ごとのアイコンを有機ELで点灯させる「DaCP(Dynamic Adaptive Control Pad)」が搭載されており、例えばカメラ機能を使っている場合はズームイン/アウト用のプラス/マイナスアイコンを表示する。直感的で、分かりやすく楽しい操作が可能だ。

 本体は非常にスリムで、メタリック調素材を採用したシンプルなフォルム。この上に表示されるマジックキーパッドのアイコンがひときわ目立つ印象だ。ただ、カメラ機能のアイコンが比較的豊富なだけに、音楽機能のそれが矢印キーだけなのには、やや物足りなさもある。

photophotophoto Soulは2008年2月に初公開され、その後欧州やアジア、南米市場を中心に販売されている(写真=左)。7.2MbpsのHSDPAに対応し、カメラは500万画素。周囲の環境により明暗を自動的に調節する「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」機能も搭載。厚さは12.9ミリと非常にスリム(写真=中央)。DaCP機能で、どんなアイコンが表示されるのか試してみた。音楽機能で表示されるのはシンプルな4方向の矢印アイコン。押してみると、音楽の早送りや巻き戻し、ボリューム調節などが可能だった。(写真=右)

photophoto カメラでは、さらに多彩な操作が可能。写真は撮影補助用ライトや5秒のセルフタイマーなどを表示しているところ

 6月初旬に発表されたばかりのOMNIAは、韓国で人気の「Hapticフォン」のUIと、充実した機能を併せ持つハイエンド端末だ。OSにはWindows Mobile 6.1 Professionalを採用。WordやExcelなどのファイル編集ができるのはもちろん、フルブラウザのOpera Mobile 9.5を利用した快適なフルブラウジングが行える。

 UIが共通でフォルムも近いことから、「Hapticフォンと似ている」とは言われるものの、OMNIAはHapticフォン以上の機能を持ち合わせている。“使う楽しさ”を重視するカジュアルなHapticフォンとは、やや異なるユーザー層がターゲットだろう。

 操作はタッチパネルに加え、画面下にある光学式ポインティングデバイスを用いるので、よりPCライクな使い心地だ。さらにフルブラウジングでURLを入力する際、URLの一部を入力するだけで候補が出てくるなど、Hapticフォンでは対応しておらず、やや使いにくかった部分がOMNIAでは改善されている。

photophotophoto 外見はHapticフォンに似ているOMNIA(写真=左)。特定機能へのショートカットアイコンを、画面に自由に配置できるウィジェット画面と、機能別のアイコンが並べられているメニュー画面に別れているのはHapticフォンと同様(写真=中央)。Windows Mobile 6.1 Professionalを搭載したOMNIAのメニュー(写真=右)

photophoto URLの入力時やWordなどで単語を入力する際、入力候補がソフトキーボードの入力欄に出てくるので、素早く入力できる

photophotophoto 画面下にある光学式ポインティングデバイスに触れると、ポインタが出てくる。デバイスはわずか1センチ四方と大変小さいのだが、感度が良く、指先で触れると素早く反応した(写真=左)。OMNIAは、HSDPAのほか、Bluetooth、Wi-Fiなど、多様な接続に対応する(写真=中央、右)

 レンズカバーなどを備え、まるでカメラのような外見をしているのが“インナーズームフォン”「SCH-W480」(SK Telecom用)。光学3倍、デジタル4倍の最大12倍ズームまで対応するのだが、ズーミングの際にレンズが飛び出ないのが特徴だ。

 以前Samsung電子は1000万画素の携帯電話などを出していたが、それと同じく、インナーズームフォンも“携帯電話付きデジタルカメラ”とも言えるほど、カメラ機能が強化された携帯電話だ。しかし単に画素数が高いだけでなく、手ブレ補正や顔認識など、最近のデジタルカメラに搭載されているあらゆるトレンド機能を網羅している。画素数のみを追求した1000万画素携帯よりも、デジタルカメラらしい携帯電話という印象だ。

 SoulやOMNIAのような薄さはないが、その分カメラのような持ちごたえがある。角張った形も、デジタルカメラとして使う際には、滑らずにしっかり手にすることができた。使い心地といい、機能といい、デジタルカメラとしても十分利用できる携帯電話だろう。

photo インナーズームフォンのカメラは500万画素。キセノンフラッシュ、手ブレ補正、顔認識および笑顔認識、赤目軽減といった、デジタルカメラのトレンド機能を網羅している。価格は60万ウォン台(約6万2000円)

photophoto レンズカバーを開け閉めしているところ。カバーを開くと同時にカメラ機能もオンになる。

photo 三脚に横に乗せてもメニューは縦方向のままなので、やや見づらい
photo SCH-W510

 ブースにはハイエンドモデルのほかにも、エコケータイや、音楽ケータイの新モデルが展示されていた。

 韓国でも環境にやさしいIT製品などを指す「グリーンIT」が注目され始めており、昨今の状況を反映するような携帯電話「SCH-W510」(SK Telecom用)は、本体背面にあるバッテリーカバー部分に、バイオプラスチックを使用している。Samsung電子によると「とうもろこしのでん粉でできているプラスチック」ということで、燃やしても有害なガスを発生させないとのことだ。

 「SPH-W3400」(KTF用)は、上下両方にスライドする端末だ。上方向にスライドするとダイヤルキーが、逆に下方向にスライドするとスピーカーが現れる。このスピーカーがなかなか強力で、音楽を再生すると周囲に音が鳴り響き、音質もくっきりとしていて良好だった。韓国では携帯電話のボリュームを最大まで上げて、ヘッドフォンをせずに音楽を聴く人がおり、そんな人たち向けの携帯電話といえるだろう。2008年中の販売を予定している。

photophoto 画面は2.2インチ、カメラは300万画素。衛星DMBが受信可能だ。前面にある方向キーは小さく、やや操作しにくい(写真=左)背面部分には、とうもろこしのでん粉から作られたバイオプラスチックを採用している(写真=右)

photophoto スライドを開閉してみたところ。下方向にスライドすることで、スピーカーが現れる。中央にあるホイールキーは強く押しながら回さないと、なかなか反応してくれず不便だった。販売までに改善されることを期待したい

photo 背面は皮のような素材で滑らない。カメラは200万画素。HSDPAに対応する
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