見て、聴いて、触ってそのよさが実感できる──シャープ初のスライドFOMA「SH706i」(1/3 ページ)

シャープが開発した「SH706i」は、同社としては初のスライドFOMAだ。そのコンパクトなボディには、フルワイドVGAの高解像度液晶やドルビーモバイル、光TOUCH CRUISERなど、数々の“70xiシリーズ初”の機能を搭載している。開発陣にSH706iに込めた熱い思いを聞いた。

» 2008年07月15日 10時00分 公開
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 ドコモの2008年夏モデルとして登場した「SH706i」は、シャープのドコモ向け端末としては初めてスライドスタイルを採用したコンパクトなFOMA端末だ。シャープというと、サイクロイド型や回転2軸型端末のイメージが強いが、ドコモ向けにもスライド型を採用し、スタイルのバリエーションを広げた。

 スペックや使い勝手は上位機種の「SH906i」に勝るとも劣らない完成度の高いものとなっているシャープ初のスライドFOMA SH706iはどうやって生まれたのか。開発陣に話を聞いた。

Photo 前列左からシャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 第一技術部 主事の坂田快士氏、パーソナル通信第一事業部 商品企画部 主事の坂口昭夫氏、後列左からオンリーワン商品企画推進本部 総合デザインセンター ソフトデザイン室 主事の鈴木恭一氏、通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 第2技術部 主事の筒井光敏氏、パーソナル通信第一事業部 第2ソフト開発部 主事の梅田芳夫氏

スライド端末のナンバーワンを目指して

Photo パーソナル通信第一事業部 商品企画部 主事の坂口昭夫氏。「スライドを手がけるからには、ナンバーワンを目指したい」

 「シャープの端末には、AQUOSケータイのサイクロイドスタイルやスイベル(回転2軸)、折りたたみ、スライダーなど、さまざまな形状がありますが、FOMA向けにはスライダーはありませんでした。お客さまにもっと自由にさまざまなスタイルを楽しんでいただけるように、SH706iではスライドスタイルを採用することにしました。スマートにかっこよく使ってもらえる“イケメン”なケータイを作るという構想段階での目標も、スライド型を採用した理由の1つです」(商品企画部の坂口昭夫氏)

 ドコモ向けとしては初のスライド型端末となったSH706iには、こうしたシャープの意気込みが込められている。これまでドコモの70xiシリーズの端末は、どちらかというとデザインやサイズ、操作性に注力しているイメージが強く、主力の90xiシリーズに対して、スペック的にやややもの足りなさを感じる面もあった。しかしSH706iは、70xiシリーズ初となるさまざまな機能を盛り込み、90xiシリーズと比べても見劣りしないほどのハイスペックモデルに仕上がっている。

 商品企画部の坂口昭夫氏はスライド端末の一番のポイントを「ディスプレイが常に表に出ていること」だと話す。「液晶のシャープが出すスライドなので、画面は最高のものを用意したかったんです」(坂口氏)

 端末の“顔”でもあり、主役となる液晶ディスプレイには、フルワイドVGA(480×854ピクセル)表示に対応した3インチのNewモバイルASV液晶を搭載。さらに、「ディスプレイを高画質にするだけでは意味がない」(坂口氏)と考え、画像や映像の処理もストレスなく快適に行える、90xi系と同じ処理能力を持ったプラットフォームを採用した。また、画像だけでなく音の面でも「ドルビーモバイル」技術を採用し、臨場感あふれる迫力のサウンドを実現している。

 しかし、やはり初めてのスライド端末ということで、いろいろと苦労した部分もあったという。特に大変だったのが、スライド端末ならではの特徴である「閉じたときの操作性」だ。折りたたみや回転2軸の端末は、使うときはディスプレイを開き、使い終わったら閉じるという分かりやすい形態になっており、端末を閉じた状態で何かするということはほとんどない。しかしスライド型は閉じた状態でもディスプレイが表にあるため、閉じた状態のまま使うことも多い。

 「端末を開いた状態で使いやすいのは当然ですが、閉じても使いやすいという点がスライド端末では重要です。その点は強く意識してデザインや機構設計の担当者と相談しながら開発を進めました」(坂口氏)

 ボディを、十字キーやソフトキーもダイヤルキー側に配置するスライド型としたのも、この閉じた状態と開いた状態の使い勝手のよさを熟慮した結果だ。十字キーやソフトキー、ダイヤルキーは、普段の操作の中でどれもよく使う。ダイヤルキーと十字キー回りがスライドの上下に分かれていると、やはりどうしても指の動きが大きくなり、「スライド部分に指が当たったりして使いにくい」という声も多いという。

 しかし十字キーやソフトキーをダイヤルキー側に配置すると、今度は端末を閉じたときにキーがすべて隠れてしまい、そのままでは閉じた状態での操作性がいまひとつよくなくなってしまう。そこでディスプレイの横には、SH906iやAQUOSケータイ SH906iTVに搭載して好評を博した光TOUCH CRUISERを採用した。光TOUCH CRUISERは単純なタッチセンサーとは異なり、キーと同じように押せるデバイスで、決定キーなどと同じような感覚での操作が可能だ。下ケース側のダイヤルキー部に、主な操作に必要な十字キーやソフトキーも配置しつつ、ディスプレイ側にも決定キーと同様の動作をする光TOUCH CRUISERを搭載した理由は、ユーザーの使い勝手への配慮にあった。

スライド端末ならではの快適な操作性とは

 SH706iは、ディスプレイの横に光TOUCH CRUISERを装備したことで、閉じた状態で表面にあるキーは非常に少ないながらも快適な操作性を実現している。端末を閉じたとき、ユーザーが操作に使えるのは光TOUCH CRUISERと、その横にある[CLR]キーと[SUB/MULTI]キーの3つだ。

Photo パーソナル通信第一事業部 第2ソフト開発部 主事の梅田芳夫氏。「スライド端末ならではの使い勝手のよさを追求しました」

 第2ソフト開発部 主事の梅田芳夫氏は「一般的なスライド式の携帯電話は、閉じた状態でも6個や7個くらいのキーは操作できるものが多いです。でもSH706iには3つしかありませんので、どのようにしたらユーザーに快適な操作性が提供できるかはずいぶん悩みました。アプリケーションによってはキー割り当てを少し変えてみたりと、いろいろ試行錯誤して調整しています」とその苦労を話す。

 例えば、スライドを閉じた状態で待受画面を表示中に光TOUCH CRUISERの上で指を下方向にすっと動かすと電話帳が呼び出せるほか、右になぞるとリダイヤル、左になぞると着信履歴が表示され、そのまま簡単に電話がかけられる。もちろん光TOUCH CRUISERを押せばメニューが立ち上がり、カーソル操作もできるので、文字入力の必要がない操作はひととおり閉じたままで行える。

 スライド端末特有の開閉に連動する機能も、ユーザーとしてどんな機能が必要かを坂口氏や梅田氏らが話し合い、1つ1つ実現していった。電話の着信があったときに端末を開けばすぐに応答でき、話し終えて端末を閉じると電話を切ることができる機能は当然の機能としてサポート。さらに端末を閉じると保留にしたりミュートにしたりもできる。またメールを受信した際に端末を開くと受信BOXが表示されるようにできるほか、キーロックを設定した状態でスライドを閉じると瞬時に画面をオフにしてバッテリーの消費をおさえる機能なども用意した。ワンセグやカメラは、端末を閉じると自動的に横向き表示に切り替わる機能もサポートする。

 「こうしたスライド端末ならではの機能の部分は、ノウハウがなかったので開発を進めながら適宜“こうした方がいいのではないか”という部分を企画部門や開発部門それぞれから提案し、取り込んでいきました。使わないときには閉じる折りたたみ端末と違い、スライド端末は閉じたままでも使える必要がある反面、当然画面がオフになるとユーザーが思うようなシーンにも対応しないといけません」(梅田氏)

 例えばワンセグの予約録画を開始するとき、折りたたみ端末なら閉じてあれば録画中にTV画面を出す必要がないと分かる。しかしスライド端末は、録画中にユーザーが画面を見ているかどうかの判断ができない。そこで、録画予約の際にTV画面を表示するかしないか、オプションとして指定できるような工夫を盛り込んでいる。

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提供:シャープ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年8月20日