“Woooケータイ”としてもっとも重要な機能、それは「映像」にある。Woooケータイ W62Hは、発色や視野角、コントラスト表現に優れる2.8インチの有機ELディスプレイを継承して採用。15fps(毎秒15フレーム)のワンセグ映像を倍の30fpsで表示し、なめらかに映像を表現する「なめらかモード」を新たに搭載する。
なめらかモードは、映像の前後フレームの間にもう1枚、中間フレームを挿入することで倍の30fpsの映像に仕上げるもの。動きが速く大きい、例えばスポーツ中継などに特に効果を発揮し、ワンセグの横向き視聴時に有効となる。「映像」を特徴に据える機種に採用例が急増した2008年のワンセグ携帯における流行技術の1つとして、“VIERAケータイ”のパナソニック モバイル製端末(P905iTVやP906iなど)や“AQUOSケータイ”のシャープ製端末(SH906iTV、923SHなど)、“BRAVIAケータイ”のソニー・エリクソン製端末(SO906i)など、各AV機器メーカーブランドを冠する機種に採用される。Woooブランドの日立製作所製端末もこのトレンド機能をしっかり備えた。
「有機ELディスプレイを採用したのは、現時点でもっともきれいに映像を表現できるためです。液晶テレビの“Wooo UTシリーズ”で培ったカラーマネジメントのコンセプトを取り入れ、スーパー/シネマティック/リビングといった視聴スタイルや視聴環境に合わせた調整が行えます」(成合氏)
「LISMO Videoの映画コンテンツを視聴するとなると、数時間画面を見ることになります。そのような長尺コンテンツもきれいなまま、目は疲れにくい──といった調整を施しています。なお、Woooケータイ W62Hで採用した有機ELパネルは、技術としてはW53Hと一緒ですが、少し世代が新しいものを用いています。基本的にはW53Hと同様に見えるようカラーチューニングしました」(光永)
一方、ワンセグのアンテナは内蔵型だったWoooケータイ W53Hとは異なり、ボディ形状の違いからホイップアンテナ型とした。ただ、言われなければあるのさえ分からないほどすっきり収納できる工夫を施してある。
「デザイン担当して、アンテナはまず目立たせたくはないという思いがありました。そのため、未使用時はほぼあるのさえ分からないというくらいボディ内にすっきり収納できるよう工夫しました。ただ、すっきり収納したがためにいざというときに出しにくくてはだめ──。この両立を実現するのにかなり悩みましたが、ふとしたことで解決しました。Wアンテナは、先端の“つまみ”を指ではじくように操作することで容易に外れる仕掛けになっています。このやり方でないと少し外しにくいのですが、このやり方を知ると、それ以外はできないくらい自然に盛り込めたかなと思います(笑)」(高田氏)
「ちなみに、受信感度はそもそも優秀な方だと思いますので、アンテナを出さなくてもいい場合も多いことでしょう」(吉田氏)
2WAYオープンスタイルを生かす機能には、LISMO Videoのお試し版となる海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のシーズンI/1話フルバージョン、ガチンコ★ベースボールMOBiLE(体験版)、プロゴルフ2008 3D(体験版)、2008リアルサッカー3D(体験版)、アスファルトアーバンGT(体験版)といった横向きワイド画面で遊べるゲームアプリをプリセットする。
このほか、KCP+プラットフォームの採用によりau one ガジェットやマルチプレイウィンドウ、Bluetoothによるワイヤレス音楽再生などに対応し、社会人ユーザーをターゲットに据えたことでモバイル辞典(英和/和英/国語/英会話とっさのひとこと/冠婚葬祭マナー)やPCドキュメントビューアー(Word/Excel/PowerPoint/PDF/mht/HTML)も新たに備えた。
次の日立製作所製端末そして今後のWoooケータイはどうなるのか。
「Woooケータイは今後も続けたいと思います。ディスプレイはWoooケータイとして考え、“そのときに一番きれい”なパネルを採用するという判断になると思います。また、VGA表示が絶対に必要となった場合、有機ELにVGA解像度以上のものがないのであれば液晶などに変更する可能性もあることでしょう」(成合氏)
「タッチパネルなどの新しい操作デバイスやUIも、もちろん検討しています。例えばWoooケータイの観点では(指紋が付着したり、タッチパネル用フィルムによりパネル本来の表示品位を損ねる可能性があるという意味で)画面に触れるのがどうかという議論もかなり前から行っております。また、新しい操作UIは常に必要と感じています」(光永氏)
日立製作所のエアコン製品キャラクター「白くまくん」。Woooケータイ W62Hは白くまくんをモチーフにしたきせかえツールもあり、待受画面やメニューUIを“白くまくん仕様”にすることもできる。待受Flashは、表示するたびに時間帯にあわせてデザインが変化する少し凝った仕様になっている。
このほか、携帯サイト「日立ケイタイFanサイト」でEZケータイアレンジやFlash待受、デコレーションメール素材などの無料コンテンツも配信する。
Woooケータイ W53Hにもあったペット育て系ゲーム「Dogz 3D Remix(体験版)」も横向き表示に対応。製品版を購入すると、白くまくんもペットに選べるようになる。
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