家電ブランドを冠したケータイの勢いに押され、シェアトップの座を追われたNECが復活に向けて動き出す――。ワイヤレスジャパン2008の基調講演に登場したNECの執行役員 モバイルターミナル事業本部長の山崎耕司氏が、NECが考える次世代ケータイのあり方について話した。
コンシューマーとの接点がPCと携帯のみというNECは、家電ブランドを持つ他メーカーに比べてブランド訴求の面で厳しい戦いを強いられている。こうした状況を打開するために打ち出すのは「総合力で勝負する」という戦略だ。「無線通信技術、インフラ、サーバ、サービスプラットフォームも含めた形でNECは次世代のケータイを考えたい」(山崎氏)
これはネットワーク側にあるさまざまな価値と端末を連携させることで、ユーザーに新たな価値を提供しようという考えに基づく戦略で、アプローチとしてはAppleのiPhoneモデルに似たものがある。山崎氏は「iPhoneはUIが非常に面白く、まさにクライアント/サーバモデルによってサービスがどんどん変わっていくすばらしいものだと思う」と前置きしながらも、「あの形のままで、すべてのユーザーが満足するかといえば、必ずしもそういうものではない」と指摘。ネットワークやサービスとの連携を図りながら、ユーザーのニーズに合った多彩な形や色の端末をリリースできるところが同社の強みだとアピールした。「ネットワークから端末まで“すべての領域を提供できる形”を、この2年をかけて実現したい」(山崎氏)
また公演中には、今後のNEC端末をかいま見せる4種のコンセプトモデルも披露した。
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