目指したのは“至高”、「薄いからそこそこで」など許されない──「P706iμ」開発陣に聞く「P706iμ」(2/3 ページ)

» 2008年08月01日 00時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

金属パネルのため、アンテナ設計も見直し

photo 厚さ17.7ミリの「P905iTV」と比較。P905iTVもそれほど厚い機種ではないが、比べるとこれだけ違う。P705iに採用した内蔵ワンセグアンテナの技術を盛り込み、ホイップアンテナを伸ばした機種と同等の受信性能を実現する

 「ワンセグモジュールはかなりセンシティブなデバイスです。P706iμは、このスリムボディに収めるためにモジュールそのものを薄くし、ボードモールド工法で基板とチューナーも含めて固めることにより、必要十分な強度を確保してあります」(機構設計担当の佐々木智氏 以下、佐々木氏)

 ボードモールドは基板に実装した部品の間を樹脂で固めて基板自体の強度を上げる工法。ソフトバンクモバイル向けの「705P」(2006年10月発売)以来、ドコモの“iμ”モデルなどのパナソニック モバイルの薄型折りたたみモデルに採用される。P706iμはこのメインの基板をメインディスプレイの裏に実装する。

 「ワンセグのアンテナも内蔵型としています。これは、P705iに採用した“筐体ダイポール”という技術を用いて実現しました。筐体そのものをアンテナとし、今までのホイップアンテナを伸ばした場合とほぼ同等の感度を実現しています。P706iμのデザインにホイップアンテナは少し似合いませんし、そもそもこれだと物理的なスペースが別途必要なのでやや厚くなってしまっていたことでしょう(笑)」(大北氏)

 内蔵型のワンセグアンテナは「P705i」で培った技術を応用したが、受信状況に影響を与える金属素材をボディに多用するP706iμへ“そのまま流用”というわけにはいかなかった。

 「ワンセグもそうですが、P706iμは金属パネルを用いるため、通信アンテナも含めて設計をすべて見直しました。樹脂と金属、素材が異なるとどうしても感度にばらつきが生じます。このばらつきを限りなく吸収するような調整を行いました」(萱森氏)

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