「P706iμの想定ターゲットは30代から40代のビジネスユーザーです。P705iμとほぼ同じに設定していますが、実はP705iμは予想以上に年齢が高い男性層に支持されました。P706iμはこの“違いの分かる”コアターゲットは残しながら、やや若年のユーザーや女性ユーザーにも響くものになると思っています」(大北氏)
P706iμは男性ビジネスユーザーに好評だったP705iμのイメージを踏襲しつつ、あざやかな“RED”と薄く金色がかった“CHAMPAGNE”、ごく微量に青を調色した“BLACK”のカラーで展開し、感度の高い若者ユーザーや女性ユーザーも狙う。
REDは革新的、CHAMPAGNEは保守的、そしてBLACKはその中間──このような意図があるが、手にするたびに感じられることであろう、ヘアライン加工されたステンレスパネルはいずれも捨てがたく美しい。
内蔵コンテンツは、P705iμに続いてTGB design.とのコラボレーションによるグラフィックテーマを採用。ボディカラーの持つ世界観に合わせた待受Flashや着信音、メニューUI、ピクトアイコンなどをプリセットする。
「背面のステンレスパネルは研磨、(中央以外を)ヘアライン加工、中央にレーザー刻印という順で加工していきます。材料費も最近はやや高いものになりつつあります。中には削ると“ス”(内部に泡のように空間ができている状態)が入っていて使えない粗悪なものもありますので、材料選びも苦労しました」(佐々木氏)
「それを乗り越えたからこそ、金属でしか出せない高級感を内蔵コンテンツとともに存分に出せたと思います」(大北氏)
「塗装は皮膜が丈夫な焼き付け塗装で行っています。通常は塗料を吹き付けてそこそこの温度で乾燥させますが、金属素材なのでその倍近い熱を加えて表面に薄い膜を形成します。この部分は、樹脂素材のそれと比べると摩擦による“塗装ハゲ”などにも強いです」(佐々木氏)
「昨今、“薄いからそこそこで──”では許されません。それはもう口にしないことに決め、徹底して完璧・至高を目指しました。この“極薄”なデザイン、そして持つとひんやりする本当の金属の質感をケータイショップでぜひとも確かめてほしいと思います」(大北氏)
「今後、この厚さでP906iのような“Wオープンスタイル”を、あるいは“もっと薄く”“防水も”“タッチパネルも”といった要望も出てくるかもしれませんね。Wオープンスタイルは現時点では難しいですが(笑)、技術革新があれば将来的には可能ではあると思います。そんなご要望もどしどしいただければ幸いです」(大北氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.