ノキアの「X02NK」は、Bluetoothを搭載している。最近ではBluetoothを搭載した携帯電話もさほど珍しくはないが、X02NKは使い勝手がちょっと違うのだ。
X02NKはBluetooth V2.0+EDR準拠のモジュールを内蔵しており、ワイヤレスでハンズフリー通話や音楽再生、データ交換を行える。もっとも機能やプロファイルは、最近着実に増えつつあるBluetooth対応携帯電話やWindowsMobile採用のスマートフォンのそれと大きく変わるわけではない。
X02NKのBluetoothは、内蔵スピーカーから出力される音声が全て出力できる。例えば操作音やメールの着信音もBluetooth経由でヘッドセットに出力され、音楽もヘッドフォンだけでなくヘッドセットでも聴ける。国内メーカーの端末は、着信音や音声通話時はヘッドセットへ、音楽再生時にはヘッドフォンへと、出力先が決まっている場合がほとんどだ。
ヘッドセットで利用するHSP/HFPプロファイルの音質は、一般的にAMラジオ程度といわれており、実際のところ音楽再生にはあまり向いていない。しかし、会話中心のコンテンツならヘッドセットの音質でも十分だ。例えばトーク主体のポッドキャストがこれにあたる。ヘッドセットなら目立たず着脱も楽。移動中や電車の中などでも手軽にポッドキャストを楽しむ気になるし、移動中には片耳が空いているほうが何かと都合がいい。
ポッドキャストの番組登録時にも、Bluetoothが活躍する。PCではポッドキャストの番組を簡単にiTunesに登録できるので、まず聴きたい番組をiTunesにどんどん登録できる。その後iTunesからポッドキャスト登録ファイル(.opml)としてデスクトップなどにエクスポートし、エクスプローラから「送る」を選んでBluetooth経由でX02NKに送信すればいい。この一連の作業を行う間、X02NKに触れたり操作したりする必要はない。後は受信メールを開くだけで番組一覧がX02NKにインポートできる。
ポッドキャストのコンテンツそのものを、3G網やWi-Fi経由でX02NKにダウンロードできるので、登録した番組の最新コンテンツをいつでもどこでも楽しめる。これは、iPhone 3Gではできない楽しみ方だ。iTunesと直接連携できる点はiPhone 3Gのほうがずっと手軽だが、コンテンツは一度、PC側でダウンロードしてからiPhoneに転送する必要がある。
製品に同梱されるWindows用アプリケーション「NOKIA PC Suite」との連携時にもBluetoothが活躍する。Bluetoothの接続を設定しておけば、PCとX02NKのBluetoothの電波が届く範囲であれば、自動で接続するので、“PCとつなぐ”という行為が必要ない。
NOKIA PC Suiteでは、X02NKの内蔵スケジューラやSMSをPC側で確認でき、スケジュールを追加したり、SMSやMMSをPCで作成してX02NKから送信できる。さらにPCでX02NK用のアプリケーション(拡張子が.sis)をダウンロードして実行すれば、Bluetooth経由でX02NKに転送してインストール可能だ。
Bluetoothを経由したPIMデータの同期やアプリケーションのインストールはWindows Mobile端末もサポートしているが、必ず端末側から操作してPCと接続する必要がある。自動でPCとつながるX02NKに慣れてしまうと、それがかなり面倒に感じてしまうのだ。
NOKIA PC Suiteがインストールされていなくても、Bluetooth対応のPCからX02NKの内蔵メモリやメモリカードにアクセスしたり、ファイル単位でデータを送受信したりできる。音楽や動画ファイルなどの重いデータの転送はBluetooth接続では少々無理があるが、静止画やドキュメントファイルならファイル交換も実用的。X02NKは“Bluetoothの活用なしでは大損”という気すらしてしまうのだ。
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