写真再生の機能も基本は表示と送信だけ。トリミングやリサイズといった画像編集機能は標準では備えていない。
iPhone 3Gで撮る写真はすべて1600×1200ピクセル。メールに添付して送る場合は、自動的に「800×600ピクセル」にリサイズされて送信される仕組みだ。ちなみにiPhone 3Gで撮る写真は、被写体によってまちまちだが大きいものでは1Mバイトを超える。
PCのメールアドレス宛てに送るときはそれで問題ない。ただ、“ケータイ”に送るときは少し困ることもある。キャリアのメールサービスや機種によって、添付するファイルサイズが大きすぎると受け取る側で再生できないことがあるからだ。
それが起こる可能性を軽減する、ちょっとした裏技がある。キャプチャー機能を使うのだ。
iPhone 3Gは「ホームボタンを押しながらスリープボタンを押す」と、表示画面をそのままキャプチャーする便利な機能がある。これを使って、送りたい写真を表示してスクリーンショットを撮る(必要なら、拡大操作などでトリミングも可能)だけ。これで320×480ピクセルのPNGファイルが保存される。
これをメールに添付する。すると320×480ピクセルのJPEG画像にして送ってくれる。
受け取れるファイルサイズの制限はキャリアや機種により異なるが、少なくともわたしが今メインで使っているau端末ではこの方法で無事受信でき、表示もできた。画像サイズが小さくなるのでファイルサイズの圧縮にも多少の効果はあるだろう。
また、iPhone 3Gで送るメールはすべてケータイの世界でいう「PCメール」であり、相手のケータイが「ケータイメール以外は受信拒否」などの設定になっていると受け取ってもらえない。まずは相手に受信拒否を解除してもらうべし。
iPhone 3Gは基本的に「ファイルシステムをユーザーに触らせない」つくりになっている。そのため、WebブラウザのSafariから画像ファイルをアップロードするようなこともできない。その欠点はサードパーティのiPhone用アプリが補ってくれる。
App Storeでダウンロードできる「mixiアプリ」や「FaceBookアプリ」、「Twitter用アプリ」(これは複数ある)などを使うと写真をSNSにアップロードできるし、「Flickr!」に写真をアップロードできるアプリも複数登場している。また、iPhoneに写真を編集する機能がないという要望に対しても、サードパーティ製のアプリが応えようとしている。
ところで、iPhoneをPCに接続すると「PTP接続のデジタルカメラ」として認識される。このため、多くのデジカメ用画像編集ソフトなどで写真を吸い上げられる。iPhoneのカメラ機能はとてもシンプルで、それを補うのがサードパーティのソフト。アプリは無料のものも多く、必要なものだけインストールすればいいわけだ。
なおiPhoneアプリはほかのあらゆる機能と区別なく、ホーム画面にアイコンが追加される。例えば“アプリメニュー”のようなものもなく、追加されたアプリを指でタップするだけで起動できる。
iPhone 3Gは携帯電話であるが、いわゆる「ケータイ」ではない。
携帯電話の機能を備え、携帯キャリアの電波網を使うけれども、電話機能以外は「ケータイ」ではないので、ケータイのMMSも使えなければ、公式ケータイサイトも見られない。ただ、PC用のメールアカウントをそのまま登録でき、PC用のWebサイトもほぼそのまま見られる。Googleマップもそのまま楽しめ、PCのアドレス帳やブックマーク、スケジュールなどともリンクしてくれる。やはり、PCをベースに活用するユーザー(わたしを含む)にはものすごくありがたくて使いやすいのである。
というわけで、iPhone 3Gのカメラ機能はあっぱれなほど潔く、機能は必要最低限しかない。つまり、いつものデジカメ代わりにはならない。ただ、その特徴を生かした使い方をするならば楽しく使える。この固定フォーカスレンズできれいに撮れる目安は、「腕を伸ばした距離から、3〜4歩くらいまで」と覚えておくとよいだろう。
写真の再生は快適そのもの。別のデジカメ撮った写真をiTunesで同期して、フォトビューワとして活用するのもいいだろう。撮ったあとの写真はアプリをうまく使えば、オンラインアルバムやSNSにさっとアップすることもできる。これは最高によい。
ただ、ケータイ宛てに写真を添付して送る時にひと工夫が必要になることもある。「日本のケータイ用に、簡単にリサイズしてメール送信できるアプリ」のようなものが登場してくれるとうれしいと思っていたりする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.