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» 2008年08月21日 22時55分 UPDATE

昔のケータイの中身が見たい:第4回 最初クッと動いて最後はスッ──au版ウォークマンケータイのルーツ「W31S」 (1/2)

着うたフルやATRAC3の再生が可能な“音楽ケータイ”として当時の話題をさらったソニー・エリクソン製のスライド端末「W31S」。レールが見えないヒンジやオイルダンパーなど、さまざまな工夫が盛り込まれたこの端末の中身に迫った。

[今泉博通,ITmedia]

 2005年4月に登場したauのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末「W31S」は、着うたフルやATRAC3形式の楽曲が楽しめるオーディオプレーヤーを搭載した“音楽ケータイ”だ。

 製品には音楽管理ソフト「SonicStage Ver.3.0」が付属しており、手持ちのCDをリッピングしたり、既存のATRAC3plus/ATRAC3/WAV/MP3 (32-320kbps)/WMAファイルを取り込んだりしてメモリースティックDuoやメモリースティックPRO Duoに転送できる。着うたフルに加えてさまざまな音楽データに対応することで、“ケータイ+音楽”を早くから具現化していた端末である。

PhotoPhoto 鮮やかなオレンジ色が印象的なソニー・エリクソン製のスライド端末「W31S」

 音楽のジャンルに合わせたイコライザやBGM再生機能を備え、端末をカバンやポケットに入れたまま通話や音楽の再生/停止、早送り/巻き戻し操作が手元でできる「マイク付きミュージックコントローラー&ステレオヘッドホン」も同梱。ポータブルオーディオプレーヤーとして必要な機能を一通り装備したその遺伝子は、その後「ウォークマンケータイ W42S」や「ウォークマンケータイ W52S」へと受け継がれ、進化していく。

 またW31Sは、国内向けのソニー・エリクソン製端末としては初めてスライドスタイルを採用したモデルとしても注目を集めた。そのスライドボディは円弧を描いてスライドする独特なスタイルで、ディスプレイとダイヤルキーの段差を少なくし、電話をする際には受話部がほどよく耳に近づくように配慮している。

PhotoPhoto 上ケースとしたケースは水平にスライドするのではなく、緩い円弧を描いて斜め上にスライドする。使いやすさに配慮し、デザイン部門がこだわったポイントだという

 スライド部にはコイルバネを用いており、端末を開く場合は、右側面のスイッチをスライドさせるワンタッチ方式を採用した。閉じるときはバネを縮めるようにディスプレイ部を押し込む。このスライドの動きをスムーズなものにするため、歯車状のオイルダンパーや衝撃吸収材を入れたというエピソードが、当時の開発者インタビューで紹介されている。余談だが、このインタビューには現在NECのモバイルターミナル商品戦略本部でチーフクリエイティブディレクターを務める佐藤敏明氏も参加していた。

 スライド端末というと、通常はディスプレイの裏側にレールが露出しているのが一般的だが、auのソニー・エリクソン製スライド端末は背面にレールを見せない処理をしている。これはW31Sで初めて行った取り組みで、代々受け継がれているものだ。

PhotoPhoto ダイヤルキー部と十字キー/ソフトキー部の段差が小さくなるよう配慮されたスライド機構。人気だったJOGダイヤルを廃止したことも話題になった。背面はスライドヒンジが表面に露出していないのが特徴で、これはその後の同社のスライド端末にも受け継がれている
PhotoPhoto 実は201万画素CMOSを採用したカメラユニットも当時としては高性能なものだった。手動ではあるがレンズシャッターも備え、カメラの横には懐かしの“自分撮り用ミラー”も付いていた

 それでは能書きはこれくらいにして、その中身を見てみよう。

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