フェムトセル、実現に前進――電監審が答申

» 2008年09月04日 17時05分 公開
[ITmedia]

 総務省は9月3日、フェムトセル基地局の容易な導入に向け、電波法施行規則を一部改正する省令案について、電波監理審議会から原案を適当とする答申を受けたと発表した。

 フェムトセルは、半径数十メートルほどのエリアを対象とした小型基地局。従来の基地局と比べて小型化できることから設置場所の制約が少なくなり、電波が届きにくいビル内や地下街、住居内のエリア整備が可能になる。

 今回の答申は、総務省が7月9日に諮問した電波法の省令改正案に対するもので、これを受けて総務省は

  1. 電波法施行規則の一部を改正する省令
  2. 無線局免許手続き規則の一部を改正する省令
  3. 無線設備規則の一部を改正する省令
  4. 特定無線設備の技術基準適合証明書等に関する規則の一部を改正する省令

 を適宜変更する予定。

 フェムトセルはその円滑な運用のために、基地局に相当する設備でありながらエンドユーザーが自由に設置・移動できる無線局にする、設置に際して1つ1つ個別に申請する必要をなくす、出力電波の規定値を定める といった制度の整備が求められていた。

 省令改正案には、これらの事項が盛り込まれ、今回、電波監理審議会が原案を妥当としたことから、フェムトセルが実現に向けて前進したことになる。なお総務省では、答申の公表に合わせて、7月9日から8月11日にかけて実施した意見募集の結果も公開している。

 フェムトセルについては、ドコモが専用のIP網にフェムトセル対応の基地局を接続する実験を7月に開始。ソフトバンクモバイルは、フェムトセル基地局と携帯電話ネットワークとの接続にFTTHやADSLを使い、トラフィックはインターネットを流す方法で実験を進めている。

関連キーワード

電波 | フェムトセル | 基地局 | 総務省 | 携帯電話


携帯業界のトレンドを知りたいと思ったら→+D Mobile「業界動向」へ
  • 各キャリアの発表会リポート
  • 国内外の携帯市場動向
  • 通信業界のキーパーソンインタビュー
  • 携帯事業者別シェア/携帯出荷台数
  • 携帯関連の調査リポート記事

携帯業界のトレンドや今後を把握するのに必要な記事だけを集めたのが“+D Mobile 業界動向”。記事はトピックや連載ごとにアーカイブされ、必要なときにまとめてチェックできます。
今すぐアクセス!


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月18日 更新
  1. ソフトバンク版iPhone 15 Pro、Pixel 8 Proの一部容量が実質24円 1年で買い替える人向け「新トクするサポート(プレミアム)」の内訳とは (2024年04月17日)
  2. 縦折りスマートフォン6機種のスペックを比較する サイズ/カメラ/価格の違いは? (2024年04月17日)
  3. 「ポケモンGO」大幅アップデート より自分に近いスタイル変更、現実世界を反映したビジュアルなど (2024年04月16日)
  4. Back Marketの「リファービッシュ製品」が中古と違うワケ 売れ筋はiPhone 13、バッテリー“100%保証”の計画も (2024年04月17日)
  5. 「なめてんの?」前澤友作さん、Metaの“他責的声明”に激怒 著名人なりすまし広告問題で (2024年04月17日)
  6. HMDとハイネケン、透明で“退屈な”折りたたみ携帯を発表 (2024年04月17日)
  7. ソフトバンク、「新トクするサポート(プレミアム)」を4月18日に開始 対象機種は? 現行プログラムとの違いは? (2024年04月16日)
  8. 「改正NTT法」が国会で成立 KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが「強い懸念」表明 (2024年04月17日)
  9. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  10. ガストの「テーブル決済」をPayPayで試してみた 便利だけど思わぬワナも (2024年04月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年