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» 2008年10月03日 00時47分 UPDATE

デジモノ家電を読み解くキーワード:「次世代PHS」――来年スタートの高速PHSを再確認する

携帯電話は3.5Gへの移行が本格化しているが、基地局の不足も指摘されている。だが近い未来に目をやれば、そこには「次世代PHS」という有望な選択肢もある。

[海上忍,ITmedia]

次世代PHSシステム「WILLCOM CORE」

 次世代PHSとは、「PHS MoUグループ」が策定を進めている、次世代PHS規格書に準拠したPHSサービスを指す。しかし、現在の日本で一般消費者向けPHSサービスを提供する企業はウィルコムだけであることから、実質的には「ウィルコムが計画中の新しいPHSサービス」を指す言葉として用いられている。

 「WILLCOM CORE」と名付けられたその新サービスは、2009年4月の試験運用開始、10月の本運用開始が計画されている。いまだ規格策定段階であり、本運用開始までに規格の変更が行われる可能性もあるが、ここではほぼ確定段階にある機能でその特徴を説明してみよう。

開始時の速度は20Mbps以上、しかも安定

 WILLCOM CORE最大の特徴は、上り下り20Mbps以上という通信速度。2.5GHzの周波数帯を使用し、変調方式に直交周波数分割多元接続(OFDMA)を採用したことがポイントだ。高速/広帯域を必要とするデータを低速/狭帯域な信号に分割、伝送特性のよいサブキャリアとして伝送することにより、帯域を有効活用するしくみだ。

 複数のアンテナを利用して擬似的に広帯域を実現する技術「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)によってデータ通信の高速化も図られている。現行のHSDPAが下り最大7.2Mbps(フルスペックは14.4Mbps)という現状からすると、その注目度は高い。

photophoto ウィルコムによる次世代PHSのコンセプト。基地局は現行PHSのものに装置をアドオンすることで設置可能(資料はワイヤレスジャパン2008での講演より)

 既存設備を活用できることも、大きな特徴といえる。現行PHSで実績があるマイクロセル方式は、すでに16万以上の基地局が設置済なうえ、周波数利用効率が高く通信品質も安定している。1つの基地局がカバーするエリアは携帯電話のマイクロセル方式に比べると狭いが、多数の基地局でユーザを分散するため、1人あたりのスループットを高く保てるという利点もある。

新幹線から高速通信が可能に

 時速300キロ以上で高速データ通信が可能なことも、WILLCOM COREで注目される点の1つ。あくまでウィルコムが実施したフェージングシミュレータ上での評価だが、サービスが開始されれば自動車はもちろん新幹線で移動中も高速通信が可能ということになる。ビジネス用途での需要も見込まれるところだ。

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