韓国ケータイ市場は2008年に入り、「Haptic」(ハプティック)や「Secret」(シークレット)などに代表されるタッチパネル端末が流行した。スタイリッシュな端末が人気を集めるのはこれまでどおりだが、さらに、素材やカメラ機能へのこだわりをプラスして差別化を図る動きが出てきている。この秋、先端を行く韓国市場にどのようなトレンドが訪れているのだろうか。
10月14日〜17日まで、韓国ではIT関連の総合展示会「韓国電子展」が開催された。同展示会の“常連”であるSamsung電子とLG電子が出展し、最新ケータイを数多く目にすることができた。会場でチェックした最新端末から、韓国ケータイの“次”を探ってみたい。
Samsung電子ブースの目玉は、発表間もない「Haptic 2」の実機展示だ。Hapticは、発売から約半年で50万台を販売し、韓国で一大ブームを巻き起こした人気端末。第2弾のHaptic 2こと「SCH-W550(SK Telecom)/SPH-W5500(KTF)/SCH-W555(SK Telecom)」は、前モデルよりいくつかの機能がグレードアップしており、高い注目を集めている。
実機に触れて感じたのは、前モデルより動作が格段に速い点。画面の切り替わりやアプリケーション立ち上げの処理など、以前の半分程度の時間で終わる。ストレスなく操作できて、非常に快適だ。
また、利用できるウィジェットが増えているのもうれしい。以前は15種類しかなかったが、Haptic 2は最大50種類まで増えており、住所録やスケジュール管理などの基本的なものから、ストップウォッチや世界時間などバリエーションが豊富になった。
500万画素カメラは手ブレ補正とオートフォーカスに対応しており、内蔵メモリも4Gバイト(W550とW5500)/16Gバイト(W555)と大容量を誇る。ディスプレイは3.2インチで、地上波DMBが視聴できる。
価格は、4Gバイトモデルが70万ウォン台後半(約5万5000円台後半)、16Gバイトモデルが80万ウォン台後半(約6万2000円台後半)と、やや高額だ。
またSamsung電子は、2.2インチの液晶ディスプレイを2つ持つ折りたたみ型端末“Style Report”(スタイルリポート)「SCH-W570(SK Telecom)/SPH-W5700(KTF)」も発表した。端末背面にタッチパネル対応のディスプレイを搭載したほか、端末正面にも通常のディスプレイがある。
端末を閉じた状態でも、背面側ディスプレイを使って、音楽再生/地上波DMB視聴/アルバム閲覧/受信メッセージ確認/カメラ撮影といった機能を操作できる。端末を開けば、ダイヤルキーを使った普通の操作が可能だ。
また「Personal UI」(パーソナルユーアイ)機能で、好みの壁紙や文字フォント、アイコンスタイルを組み合わせた自分だけのメニュー画面を作ることもできる。このような、自分だけのスタイルを作れるため“Style Report”という名前が付けられたようだ。展示会場では個性を求める若者たちの注目を集めた。
SKY(スカイ)ブランドで展開しているPantechからも、タッチパネル携帯が発表されている。“Love Canvas”(ラブキャンバス)こと「IM-R300」は、テレビ電話時の特徴的な機能で人気を得ている端末だ。
その機能とは、テレビ電話中に、自分が直接書いた絵や文字を相手に送れるというもの。例えばハート模様や“がんばろう”というメッセージなど、画面に書いたものが、相手の携帯電話に表示されるのだ。また同じLove Canvasのユーザー同士であれば、テレビ電話をしながらオセロなどのゲームも同時に楽しめる。
この端末は特に若年層に人気があり、ある10代を対象にしたモバイルポータルサイトのアンケートでは「もっとも持ちたい携帯電話」としてLove Canvasが堂々の1位となった。韓国の10代が、Love Canvasのような新しい機能を感覚的に楽しめる端末に敏感に反応していることが分かる。
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