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» 2008年10月23日 12時25分 UPDATE

Smartphone Show 2008:オープンソース化で“搭載機拡大”と“開発者増加”を目指す――英SymbianのクリフォードCEO

携帯電話向けプラットフォームは、共通化とオープン化の動きが加速しており、Symbianも同社のOSをオープンソース化すると発表している。同社の年次イベントでCEOのナイジェル・クリフォード氏が、その狙いと今後の取り組みについて説明した

[ITmedia]
Photo 英Symbian CEOのナイジェル・クリフォード氏。2008年春にはSymbian搭載端末の累計出荷台数が2億台に達し、これまで250種類以上のSymbian搭載機種が登場したという

 英Symbianが10月21日、英ロンドンで「Smartphone Show 2008」を開催した。今年で創業10周年を迎えたSymbianはこの6月末、端末メーカーや通信キャリア、チップセットメーカーなどの企業で構成される、Symbian Foundationを設立し、あわせて同社の携帯電話向けOSをオープンソース化することを明らかにしている。

 21日の基調講演では、同社CEOのナイジェル・クリフォード氏が、2009年にも正式な活動を開始するSymbian Foundationの取り組みや、Symbian OSをオープンソース化するに至った背景を説明した。

 Symbianは10年前に、Nokia、米Motorola、英Psionらの出資による営利企業として設立され、当初から携帯機器向けOSの開発を手がけてきた。そしてこの6月、この10年の開発成果を非営利組織のSymbian Foundationに提供し、オープンプラットフォーム化するという、大きな戦略転換に打って出た。

 クリフォード氏は、Symbian Foundation構想が生まれた背景にあるのは、2年前のライセンス体系の見直しだったと振り返る。Symbianは当時、より多くの端末にSymbian OSを搭載することを目指しており、メーカーが低コストで高機能な端末を開発できるよう、ライセンス体系を変更。この施策の成功が、Symbian Foundation構想につながった。

 今回のオープンソース化は、「もっと何かができないかと検討した結果」だとクリフォード氏。そこでSymbian OSを無料で公開することについての検討が始まり、“その価値がある”ことが分かったという。

 Symbian OSは無料であるだけでなく、S60、UIQ、MOAPといったユーザーインタフェースと組み合わせて提供する。これは端末開発にかかる期間とコストを抑えるための戦略で、SymbianとS60を土台に新しい資産を作り、マス市場に解放する。クリフォード氏は、こうした取り組みにより「端末メーカーやエコシステムのパートナー、開発者が直面していた、端末開発の障害を取り除くことができる」と自信を見せた。

 クリフォード氏は、開発者がSymbianをベストプラットフォームと評価する理由として、Symbian OSの機能や特徴を挙げる。Symbianは昨年のSmartphone Showで「Freeway」「Screenplay」「SQLite」SMPサポートなどの新技術を発表しており、これらの最新技術は実現しつつあるという。

 その性能についても「Symbian OSコードは、単なるコードではない。モバイルを目的に一から開発されたコードだ」(クリフォード氏)とし、それが他社OSとの違いだと指摘。Symbianは、ブランドと信頼を維持するために、品質を重視していると強調した。端末メーカーやオペレータとの協業による機能強化に向けたのプログラムも用意し、さらなる機能の拡充を図る考えだ。

 互換性も、拡大したエコシステムを支えるのに不可欠な要素として、Symbianが重要視するところだ。「開発したアプリケーションが将来も動くよう、互換性を確保する必要がある」(クリフォード氏)。そして、「(Symbian Foundationが提供するOSについても)SymbianコードのDNAはあるので、S60のSDKで提供されているAPIを利用して、今すぐに開発を始められる」と開発者にアピールした。

 このタイミングでオープンソース化に踏み切った理由については、“技術革新の加速”と“開発者のすそ野を広げる”という2点を挙げる。

 「もっと開発者にSymbianアプリケーションを開発してほしい。ライセンスの制約がなくなることは、大きな障害を取り除くことになる。これまでは価格と機能のどちらかを選択しなければならなかったが、価格と機能の両方のメリットを持つプラットフォームを提供できる」とした。

 クリフォード氏はまた、Foundationに新たに12社が参加し、合計52社になったことも発表。ハードウェア、アプリケーションベンダー、端末メーカーなど、幅広い分野の企業が参加しているという。

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