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» 2008年10月24日 20時30分 UPDATE

松村太郎のiPhone生活:仕事効率化:第12回 To Doからプロジェクト管理まで──「OmniFocus」

今回ご紹介するアプリは「OmniFocus」。To Doからプロジェクトの管理までを多彩にこなせる高性能アプリだ。その分、アプリとしては割高で、AppStore価格は2300円。しかし価格分の役割を発揮してくれるアプリである。このアプリを買った理由は、iPhoneのタスク管理機能への疑問からだった。

[松村太郎,ITmedia]
Photo OmniFocusの起動画面。タスクがProjectsとContextsの両方で管理できるほか、期日が近いもの、締め切りが過ぎたものなども視覚的に表現される

 Macではスケジュール管理ソフト「iCal」にもともとTo Do機能が用意されており、Mac OS X 10.5 Leopardではメールソフト「Mail」でもTo Doの管理ができるようになった。メールの文面からTo Doを起こせるようになり、これはこれでなかなか便利に使ってきた。

 しかし、iPhone 3Gの標準搭載アプリには、タスク管理機能が見あたらない。カレンダーにもメールにもない。これはとても大きな疑問だった。いくらMacで便利にタスクが起こせても、iPhoneで見られなければ意味がないのである。そこでタスク管理アプリを物色し始めたときに「OmniFocus」を見つけた。

 僕の中で「Omni」は、非常に親しみを持っているブランドだった。この原稿や、インタビューのメモ、打ち合わせの議事録も含め、僕は「OmniOutliner」というアプリを愛用している。単純にアウトライン編集、つまり箇条書きを作れるソフトなのだが、シンプルで軽快に動作し、作ったデータをKeynoteのスライドに書き出せるなど、メモの新陳代謝を高めてくれる、愛用のソフトだ。

 そのブランドを冠したタスク管理ソフトは、非常に高機能だ。単純にタスクを設定できるのは当たり前のこと、テキストのメモやiPhoneの写真と音声録音などの情報をひもづけておくことが出来る。例えばインタビューをOmniFocusで録音して、「インタビュー原稿執筆」というタスクを設定しておけば、タスクと音声データをばらばらに管理しなくて済む。ちょっとしたライフハックである。

 またタスクの管理方法がユニークだ。タスク単体で存在させることもできるが、タスクには「Project」と「Context」が存在し、それぞれの分類でまとめられる。この縦軸と横軸のタスクの分類は、使ってみるとなるほど理にかなった分類なのだ。

 例えば、ある原稿を書くとき、インタビューとそのまとめ、原稿執筆、校正といった作業が発生する。これらは全て1つのProjectとしてまとめることができる。一方で、Contextではインタビュー、テープ起こし、ライティング、校正といった作業の分類が発生する。そしてプロジェクトが複数走ったり、単発のライティングがあったりして、僕の日々の仕事が構成されている。

 1つのプロジェクトを終わらせてしまおうというモードの時もあれば、同じContext、つまりライティングならライティングをまとめて片付けようというモードの時もある。これらをProject、Contextでクロスして分類してあるため、どちらの仕事のモードでも、キチンとタスクを管理し続けられる。「なるほど、だからFocusなのか」と納得する瞬間である。

 iPhoneらしい機能として、タスクと位置情報をひもづけることも可能だ。今度あの店に行ったときに洗剤を買おう、と思ったときは、位置情報付きの買い物リストなんかが役立ちそうだ。iPhoneだけでもかなり優秀なOmniFocusだが、実はMac版のアプリケーションも販売されている。こちらは79ドル。

 このソフトはiPhoneと同様に、タスクをProjectとContextで分類してくれ、MobileMeなどのWebDAVサーバなどを介してiPhoneとデータベースを同期できる。つまりiPhone上のタスクとMac上のタスクをちゃんと同期できるわけだ。例えば取ったばかりのインタビューのタスクも、音声データ付きでMacに勝手に取り込まれるのである。さらにタスクを階層化させることも可能。これもちょっと目から鱗である。

 両方使おうと思うと、購入価格は1万円を超えるのだが、これでデスクトップとモバイルで信頼性ある高機能タスク管理環境が実現する。普通のパッケージソフトと同じくらいの出費にはなるが、心して使うと、これはかなり効くのではないかと思う。

PhotoPhotoPhoto Projectsを開くと、特定のプロジェクトごとに分類されたタスクが確認できる。例えばインタビューや執筆、校正といった作業がプロジェクトごとに分かれている。一方Contextsでは、プロジェクトに関係なく執筆、電話をかける、といった作業でタスクが分類される。あるプロジェクトに集中的に取りかかりたいときも、作業をまとめてこなしたいときにも、柔軟に対応できる。表示するタスク項目は、残っているものだけに限定したり、すべて表示したりが選べる。MobileMeを活用したMacとの同期も可能だ
PhotoPhotoPhoto 新しいタスクを入力する場合は、タスクの名前とContextsおよびProjectsの何に該当するかを設定する。必要なら写真や録音データなどもひもづけておけるのが便利だ。音声データはその場で録音できるので、筆者はインタビュー取材の音声データなどもこれで管理している。期日が迫っているタスクをまとめて表示することも可能だ

プロフィール:松村太郎

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東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。


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