本体背面は、一見スピーカーのスリット以外に要素がないように見えるが、ディスプレイ開閉時や電話・メールの着信時、またボタン操作によって時刻が現れる。赤色LEDを用いたこのサブディスプレイは、7×17セグメントのLEDが2色成型されたケースを透過して、文字やアイコンを表示。長い文字列はスクロールしたり、アイコンはアニメーションとして動いたりするようになっている。
| |
開閉時や着信時などにパネルから浮かび上がるLEDサブディスプレイ
(このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます) |
| |
LEDサブディスプレイのすぐ上には着信表示ランプも装備。こちらは赤以外の色も選ぶことができる
(このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます) |
外観のデザインこそカシオ計算機らしさを持っているが、中身は既存の機種をベースにしたものではないという。メーカーでは「3年ほど前から、W-CDMA方式に対応したモデルを開発していた」(説明員)といい、それがこの830CAとなってようやく結実したことになる。もちろん、ダイヤルキーのデザインやカメラなどの各種デバイスに関しては、これまでカシオが積み上げてきたノウハウが生かされている。
ディスプレイを開くとフラットなキーボードとディスプレイが現れる。ディスプレイには3.0インチのフルワイドQVGA(240×427ピクセル)液晶を採用。広視野角のTFT液晶で晴天下でも見やすいという。さらにこの広視野角によって周囲から覗き見されることを防ぐ目的で、コントラストを下げてのぞき見を防止する「スクリーンフィルター」を搭載する。
キーボードはシートキーを採用。ただしここにもカシオ計算機らしい使いやすさへのこだわりが見られ、シートキーながらタイル状の凹凸のあるデザインとした、「ハイブリッドシートキー」にすることで、一般的なボタン式のキーと同じような操作感を実現しているのが特徴。さらに、キーとキーの間にはサイドフレームと同様のフレームを入れた。キートップには凹凸を設け、auでおなじみのカシオ計算機製端末と同じようなステップ状のデザインとしている。
830CAの特徴の1つに、女性を意識したデザインやつくりを採用したことが挙げられるが、中でもカメラ機能には、人物の肌をきれいに写すだけでなく、存在感のある目元やシワなどまできれいに補正してくれる「美撮り(びどり)モード」という独特の機能を搭載した。通常のカメラ機能はカメラボタンを押すことで起動するが、このボタンを1秒以上長押しすることで直接この美撮りモードで起動できるというほどの力の入れようだ。
このモードはカメラの顔検出機能を生かし、検出した顔に対して“一般的に美しいと思われる補正”をかけて撮影する。発表会のなかで孫正義社長が「目が大きくパッチリ写る」とも説明していたが、この“美しく撮れる”要素は「企業秘密」(説明員)と、具体的には教えてもらえなかった。ただ、実際にこの美撮りモードで撮影した画像とそうでないものを比較したサンプルを見ると、目の大きさに違いは感じられないが、肌のシワやシミなどが押さえられていて、確かに美しく撮れているという印象だった。「本人以外にはほとんど違いが分からない程度の、やり過ぎではない補正」(説明員)がポイントだという。
このほか、この5.2メガピクセルのカメラには、横、縦、前後に回転を加えた全6軸の手ブレ補正に加えて、被写体ブレにも対応したダブルブレ補正機能を搭載。動画でも4軸の手ブレ補正に対応している。さらに、被写体の顔を自動的に検出してピンと合わせを行い、露出を最適化する顔検出オートフォーカス/オート露出機能など、カメラ機能に関してはauの「G'zOne W62CA」や「W61CA」と同様の撮影補助機能のスペックが与えられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.