インタビュー
» 2008年11月19日 00時00分 UPDATE

開発陣に聞く「P-01A」:触れると分かる「本当の使いやすさ」に自信──Wオープン3代目の集大成「P-01A」開発の真意(後編) (1/3)

利用シーンに応じてキー配列が変わる“2WAYキー”と軽量コンパクトなすっきりデザインが特徴の「P-01A」。後編は、“実は大きく便利に進化した”というワンセグやカメラ機能、ドコモ新サービスの対応に関する開発の裏側、そして、どんな「ユーザーの要望で改善した」機能があるかを探る。

[岩城俊介,ITmedia]

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「使うと分かる」──ワンセグや高画素カメラも実は大きく進化

── ワンセグ機能やディスプレイ、カメラのスペックとしては変わっていないようですが、何か新しくなったのでしょうか。

沢村氏:ディスプレイはカタログなどに記載する値としては変わっておりませんが、表示性能おいては前モデルのP906iと比べて大きく進化しました。パナソニックの高画質化技術である“モバイルPEAKSプロセッサー”により、コントラストを最大6000:1に向上させるとともに、約1600万色相当の発色で表示できるようになりました。

── ディスプレイはフルワイドVGA(480×854ピクセル)/26万2144色表示対応の3.1インチTFT液晶ですよね。なぜ、この液晶パネルで1600万色相当になるのでしょう。

沢村氏: モバイルPEAKSプロセッサーのディザリング機能により、人の目の残像で中間色に見えるようフレームの階調と階調の間を瞬時に作成することで、階調数を約4倍に拡大させることにより実現します。もちろん、「P905iTV」やP906iなどに備えるフレームレート倍速変換技術“モバイルWスピード”なども継承して備えています。

photo  左:P-01A、右:P905i。P-01Aは、より立体感や奥行き感のある映像で表示できるようになった

── ワンセグ系の機能で新たに搭載された「あらすじ再生」はどんな機能なのでしょう。

野中氏 あらすじ再生機能は、音声の有無を識別して時短再生するものです。ワンセグで録画した番組について、セリフなどの音声がある箇所を音声付きのやや早送り再生を行い、音声がない箇所は高速で飛ばすアルゴリズムにより、例えば60分のドラマ番組を20〜30分ほどで時短再生できます。ドラマやニュース番組などに便利に使っていただけると思います。

── これは録画したワンセグ番組だけ使えるのでしょうか。例えば、自作動画、あるいは別の端末で保存したmicroSD内のワンセグ番組を再生する場合などはどうでしょう。

野中氏 今のところ、あらすじ再生は録画したワンセグ番組のみで使えます。ただ、データBOXのワンセグフォルダにあるファイルが対象になるので、例えば別機種──P905iなどでmicroSDに録画した番組もP-01Aであらすじ再生できます。

photo 録画したドラマやニュース番組を効率的に時短再生できる「あらすじ再生」機能
photo 照明を消した室内で見た、“高感度撮影”モードにした「P-01A」(左)と“ナイトモード”に設定した「P905i」(右)のファインダー。ここまで暗いのは少しやりすぎだが、それでもP-01Aのファインダーには、かなり明るく被写体が写っていることが分かる

── カメラは新たに「高感度撮影」という機能が追加されたようですね。何が便利になるのでしょうか。

沢村氏 高感度撮影機能は、薄暗い場所でもフォトライトなしできれい写真が撮れることを目指したものです。最高ISO1600相当の高感度となり、シャッタースピードを上げられることで、以前から備える6軸手ブレ補正機能と合わせて暗い場所や動きのある被写体もきれいに簡単に撮影できます。

野中氏 高感度撮影機能の独自の取り組みとして「ノイズを出さない高感度」をテーマにしています。

 単にゲインを上げてISO感度を上げるだけだと粒状のノイズが発生してしまいますが、P-01Aは“画素混合”という技術を用いて、写真の最大撮影サイズを2592×1944ピクセルから1280×960ピクセルに抑えた分、ざらつきがないきれいな写真が撮れるのです。

沢村氏 高感度撮影機能を載せるにあたり、携帯カメラにどんな利用シーンがあるかを改めていろいろ検証しました。利用シーンとして多いのはもちろんポートレートですが、「暗所撮影」や「外で暗いオブジェクトを撮る場合」「動いている被写体に対するブレ」などに、携帯カメラユーザーは多くの不満を持っていることが分かりました。

 携帯カメラのLEDフォトライトは、近くの被写体には効果がありますが、少し離れると光が届きません。例えば飲み会の集合写真で、近くの人はフォトライトに照らされて映っているが、背景は真っ暗──というような経験はありませんか。こういうシーンも含めて、結果としてフォトライトを使うより、暗いところでうまく自然な写真が撮れるほどの機能に仕上がっていると思います。

 ちなみにISO感度を上げることでシャッタースピードも速くなるので、動きのある被写体、例えばペットやお子さんなども室内でブレなくきれいに撮影できるメリットがあります。

 このほか、レンズ設計も新規に行っています。これにより、引き延ばして再生すると周辺に生じがちだったひずみを大幅に軽減した絵が撮れるようになりました。

野中氏 もう1つ、今までの決定キーに加えて[0]キーでもシャッターを切れるようにしました。横向きスタイルでカメラを構えたときにかなり使いやすくなったと思います。

── シャッターキーについて、[0]キーもなかなか使いやすいのですが、本体の右側面に設ける話はなかったのでしょうか。

野中氏 確かにありました。ただP-01Aの場合、右側面にシャッターキーがあると正面から指やキーが見えなくなり、少し操作しにくくなることが考えられました。このためにWオープンスタイルのP-01Aは無理に側面にシャッターキーを設けませんでした。

 [0]キーのシャッターは、自由な角度で保持できるディスプレイとともにお子さんの運動会などに便利なハイアングル撮影もかなり行いやすくなっています。そのような撮影機会の多い人には特にお勧めしたい機能ですね。

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