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» 2008年12月29日 17時53分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2008年の“注目ケータイ”(ライター荻窪編):とにもかくにも“iPhone”な一年でした

2008年は「iPhone 3G」に尽きる――。官能的ですらある洗練されたUIと、端末の可能性を広げるアプリの充実度、そしてアップデートで機能が進化し続ける点は、ほかにはない魅力。iPhone 3Gを持ってから生活が変わってしまった。

[荻窪圭,ITmedia]
photo iPhone 3Gとヘッドセット、パッケージ

 まあ今年のケータイ業界はいろいろあったけれども、個人的にはもう「iPhone 3G」に尽きる。iPhone 3Gが登場したおかげで、またもや外出時の生活が変わった。

 私はauを2回線、NTTドコモを1回線、さらにiPhone 3Gを買ったのでソフトバンクモバイルを1回線と、4つも携帯電話を持ってる。それなりにいろんなサービスを触ったけれども、ここ数年で「これは素晴らしい」と思った新サービスはわずかしかない。

 その筆頭は「おサイフケータイ」。一番のメリットはケータイのネットワークを使っていつでもどこでもチャージできること。カード型の電子マネーだとチャージできる場所が限られるが、ケータイなら「残高が足りなくて支払えない」と思ったらレジに並ぶ前にちゃちゃっとチャージ、駅の改札を通ったあと「残高が足りなくてこれでは改札を出られない」と思ったらホームでチャージ――である。これがカード型との本質的な違いであり“ケータイでしかできないワザ”だ。

 auの「Run&Walk」も高い可能性を秘めた、いいサービスだと思う。GPSとケータイの通信網を結びつけた点がいい。GPSによる移動ログをサーバーに上げることで、新しいサービスを展開してくれた。

 大切なのは、ケータイ自身の機能より、その機能をどうケータイの通信網と結びつけて、我々の生活を広げてくれるか、だ。

 iPhoneの一番の面白さはそこにある。個々の機能をどうネットワークと結びつけてサービスにするか。iPhone 3Gが持っている機能を、アップルやサードパーティのアプリが、実に面白く、ネットを使って上手に応用してくれたのである。

今年は圧倒的に「iPhone 3G」

photo 当日の紙面を丸ごと読めるiPhone版の「産経新聞」

 iPhone 3Gを買ったのは7月。そのインタフェースは、使いやすいとか分かりやすいを越えて、むしろ官能的ですらあった。見えているものを指先でダイレクトに操作するという感覚が気持ちいいのだ。タッチパネルが優れているというより、人間が指で操作したとき、アプリ側がどう反応すると直感的で気持ちいいかを研究してるなあと感じた。

 すごいのはこの先。OSが2.1、2.2とアップデートするに従って動作も安定し、アプリもすごい勢いで増えて実用度がどんどん上がっていったのである。多くのケータイは、買ったときが一番テンションが高く、使ってるうちに慣れてきて結局よく使う機能が決まってきて落ち着くのだけれども、iPhoneは逆にどんどんテンションが上がっていくのだ。

 アプリは無料のものも多いし、有料でもたいていは数百円。買い切りなので、毎月100円なり200円なりとられるケータイの月額制サービスに比べると気軽。その上、アップデートは無料のものがほとんどで、各社ともどんどんバージョンアップしてくれる。

 いわば「時がたつほどに用途が広がって使いやすくなる端末」なのだ。今やアプリが増えすぎて探すのも大変なほど。通話機能や“iPod”たる音楽機能がおまけに感じられるくらい。

 これはPCやインターネット黎明期にわくわくした感じにちょっと似てる。

 電車の中で新聞を読みたくなったら「産経新聞」、IT系のニュースは「ITmedia」(一応宣伝)、メッセージをやりとりしたくなったら、Twitter系アプリか「BrightKite」、自転車ででかけるときは「EveryTrail」(走行後に自動的にデータをアップロードしてWeb上で共有できる)、なにか知りたいことがあったらウィキペディアにアクセスする「Wikiamo」、電車に乗るときの経路検索は「駅探エクスプレス iPhone/iPod touch版」、知らない場所で腹が減ったら各種ご近所検索系のアプリを使えば、近所のカフェやコンビニの場所を教えてくれる。

 このあたりは常時ネットにつなげられるという特性を最大限に生かした(あるいはそれに頼った)アプリたちだ。しかし、地下鉄が事故で止まり、圏外で電波も拾えず退屈なときでも、「塊魂モバイル」か「数独」というゲームアプリが口をあけて待ってる。

 もちろん細かな不満もあるけれど、2009年に出るであろうiPhone OS 3.0でまた一歩前進する(だろう)から心配してない。買い換えなくても、OSがバージョンアップするので陳腐化しないのである。

 というわけで、iPhone 3Gは官能的でなおかつ成長するケータイなのである。もう圧倒的にiPhone 3Gがベスト。正直、予想以上に早く使えるヤツに成長したので驚いているのだ。

個性的な「W65K」と「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」に注目

photo 「W65K」のすぐ文字

 iPhone 3Gだけでほかは該当なし。でもいいのだが、iPhone 3G以外にも印象に残った端末がないわけではない。その1つが「W65K」の「すぐ文字」機能。今のケータイって機能が増え続けたおかげで、ちょっとした作業をするにもメニューをたどらなくちゃいけない。すぐ文字はそれを変革したと思う。

 例えば何かメモしたいと思ったときは、「メモ帳を起動」→「メモを選ぶ」→「書く」と操作するし、また思いついたことをメールしたいとき、「メールを起動」→「新規メール」→「書く」と操作する。ところが私は非常に“トリアタマ”なので(ひどいときは、自転車を止めてから5歩歩いただけで、駐輪場の駐輪番号を忘れちゃうほど)、機能を呼び出す間にメモしようと思ってたことを忘れたりするのである。いやホントに。

 で、W65Kならどうかというと、とりあえず待受画面上に文字を入力できて、その後でメモとして保存するのかメールとして送信するのか、その言葉でネット検索するかなどを選べるのである。先のことは書いてから考えればいいわけだ。普通、「メールしよう」→「内容を考える」んじゃなくて、伝えたい内容があるのでメールしようとなるわけで、これは実にいいアイデア。この発想はとても重要だと思う。

photo 「W65K」

 もう1つ、「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」のカメラ機能も取り上げておきたい。タッチした場所にピントが合うとか、タッチで撮影設定を変えられるとか、そういった点が気持ちいい。画質はともかくとして、「目の前に見えてるアレを撮ってね」ってカメラに伝えている(気分になれる)ので、撮ってて気持ちいい。指の延長線にカメラがあるような感覚になる。

 iPhone 3Gもそうだけど、この手のツールは「自分の意志を機械に直感的に伝え、相手がそれに応えてくれる」という感覚があると、がぜん親しみが湧いて使う上でのストレスがなくなる。その感覚はとても重要で、指先を通して(ケータイと)つながってるという感じがとても官能的なのだ。

photo カメラ操作もフルタッチな「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」

 そんなワケで、最近はずっとiPhoneにべったりである。

 でも、おサイフケータイは必要なので、従来のケータイも「通話兼おサイフケータイマシン」としてiPhoneと一緒に持ち歩いて使い分けてます。今のところはそれでいいや。何でもかんでも1台に背負わせちゃうのも、なんだかなあと思うし。

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