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» 2009年02月03日 20時46分 UPDATE

モバイルWiMAXで“真のブロードバンドインターネット”を――UQの田中社長

下り10Mbps超の高速通信をモバイルで――。2月26日から始まるUQのWiMAXは、これまでの移動体通信とはひとケタ違う通信速度を実現するサービスだ。同社社長の田中氏は「なんちゃってブロードバンドではなく、外でも真のブロードバンドを楽しめるようにする」と話す。

[後藤祥子,ITmedia]

 「なんちゃってブロードバンドではなく、外でも真のブロードバンドを楽しめるようにする。(モバイルWiMAXは)世界標準のフューチャーブロードバンド」――。2月から、モバイルWiMAXの試験サービスを開始するUQコミュニケーションズの田中孝司代表取締役社長は、同社のサービスがもたらす世界を、こんな言葉で表現した。

 UQコミュニケーションズが提供するモバイルWiMAXは、下り最大40Mbpsという高速通信を実現するデータ通信サービス。発表会が開催されたホテル内で実施したデモでは下り約16Mbps、上り約3.9Mbpsの速度をたたき出し、下り最大7.2MbpsのHSDPAや下り最大3.1MbpsのCDMA2000 1X EV-DO Rev.Aとの違いを見せつけた。

sa_uq01.jpgPhoto UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中孝司氏(左)。発表会場内で行ったデモでは下り約16Mbps、上り約3.9Mbpsの速度を記録した

 モバイルWiMAXは無線LANの延長線上のサービスに位置付けられており、サービス開始当初はデータ通信カードが必要となるが、インテルがPCへのモジュール内蔵を推進していることから、いずれは無線LANと同様、PCへの内蔵が進むと予想され、ダイヤルアップの必要なしに手軽にワイヤレスの高速通信を利用できるようになる。

 「夏には、ノートPCの多くのハイエンドモデルに内蔵され、この1年くらいの間にすべてのノートPCに入るのではないかと期待している。ほかにもMIDやUMPC、家電など、すべてのものに内蔵していくことを目指しており、意外と早く、家電系の組み込み機器が登場するのではないかと思っている」(田中氏)

Photo WiMAX搭載機器の今後

 同社は2月26日から6月30日まで、東京23区と横浜市、川崎市を対象エリアに試験サービスを実施し、7月1日から首都圏、京阪神、名古屋にエリアを拡大して月額4480円で使い放題の有料サービスを開始する。2009年秋には、エリアを補完するためのオプションサービスとして、無料の公衆無線LANサービス「UQ Wi-Fiサービス」を提供する計画だ。

 試験サービス開始時の基地局数は500超になる見込みで、その多くがツーカーやauの基地局を利用しているという。現状では基地局の境目にあたる場所で速度が落ちるため、有料サービス開始時までには「隣の基地局の間に基地局を入れ、倍にする形でエリアを拡充する」(田中氏)。4年後には全国主要エリアをカバーするとし、「できるだけ前倒しでやっていきたい」(同)と、早期のエリア拡大を目指す考えを示した。

sa_uq09.jpgsa_uq14.jpgPhoto 試験サービスと有料サービスの概要

sa_uq11.jpgsa_uq12.jpgPhoto エリア展開のロードマップと、エリア補完を目的としたオプションサービス「UQ Wi-Fiサービス」

sa_uq31.jpgsa_uq03.jpgPhoto 対応端末はUSBタイプ、PCカードタイプ、ExpressCardタイプを用意。会場には基地局も展示した(中)。モバイルWiMAXは通信速度の速さに加え、高速モビリティや常時接続、世界標準などの特徴を備える

 UQコミュニケーションズはモバイルWiMAXサービスを、リテールとMVNOで提供する計画で、リテールについては初年度に数十万レベルのユーザー獲得を目指す。データ通信の需要が高い法人市場については、エリア展開が重要視されることから、エリアを整備しながら検討するとし、「法人の営業体制が非常に重要になってくるので、株主のKDDIの力を借りてやっていきたい」(田中氏)と話した。

 MVNOについては協議中の企業が70〜80社、申し込みを行った企業が20社に達するなど、好調に推移しているという。「MVNOはISPさんをはじめ、さまざまな業種の企業からお話をいただいている。ISPはニフティが最初にサービスを開始するのではないか」(田中氏)

LTEとの棲み分けは

 次世代移動通信については、携帯キャリア各社がLTEの採用を表明しており、UQコミュニケーションズの筆頭株主、KDDIもLTEの採用を明らかにしている。こうした通信方式との棲み分けについて田中氏は、「WiMAXは無線LANの延長線上、LTEは電話の延長線上の技術であり、その違いがサービスの違いになる」と話す。

 モバイルWiMAXはSIMを必要としないので無線で利用の開始や終了を制御でき、利用に当たっての設定を最初に行えば、サービスエリア内ではダイヤルアップの必要なしに、自動でインターネットに接続できる。また、データ通信に特化しているため、通話のQoSを保証する必要がなく、利用領域が制限されることもない。こうしたメリットは、PC経由のデータ通信利用の利便性を高めるだけでなく、デジタルサイネージやテレメトリングなどの法人利用でも役立つという。

 「携帯で使っている(制限された)インターネットではなく、みなさんが自宅で自由に見ている世界をワイヤレスでやるのが、われわれの目指す世界。世の中が携帯に集中する時代は終わり、データ通信に特化した(モバイルWiMAXの)世界と、携帯電話をベースにいろいろ詰め込もうという世界に、徐々に分かれていくのではないか」(田中氏)

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