第2回 画面が“押せる”、新感覚のタッチ端末「BlackBerry Storm」──5500香港ドル=約6万5000円山根康宏の香港ケータイ「マニア買い」(2/2 ページ)

» 2009年02月09日 21時16分 公開
[山根康宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

画面が“沈む”。不思議なタッチパネルは慣れると快感

photo ディスプレイはタッチパネル。さらにディスプレイ全体がボタンになっている

 Stormの最大の特徴となる、タッチパネルの操作性はどうか。

 タッチパネルといえば、やはり「iPhone 3G」の操作性は評価が高い。StormもiPhone同じ静電容量式のタッチパネルを採用し、画面を指で触れるだけで端末を自在に操れる。だが、iPhoneと違い、メニューアイコンなどに誤って触れてしまって意図しないアプリケーションが起動したり、機能が表示されてしまう──ことがない。

 なぜなら「画面が沈む」からだ。画面の表面はタッチパネル、そして画面全体がクリックするための「ボタン」になっている。Appleファンは「MacBook」のマルチタッチ対応ガラス製トラックパッドを想像していただくと分かりやすいかもしれない。Stormはそれがメインディスプレイそのものになっている感じだ。

 この「画面全体を押す」操作、初めは確かに戸惑うし、指もなんだか疲れる気はする。ただ、画面は押した一部分だけシーソーのような仕組みで沈むので、押すコツをつかむと劇的に使い勝手が変わる。物理的な部品を押す行為が本当にボタンやアイコンを押して操作している気分になれるのだ。ブルッと震えて押したことを知らせる仕様のタッチパネルもあるが、そんなものとは比べものにならない。例えば文字の入力はソフトウェアQWERTYキーボードで行うわけだが、“実際に押す”操作とともに(タッチを認識した)キーの周りが青く光るので、本当に物理キーボードを押したように感じられるというわけだ。


photo 入力はソフトウェアキーボードで行うが、“押す”操作により、物理キーボードを操作しているような感覚が得られる

 最初は違和感があったStormのタッチパネルUIは、慣れてくると“病み付き”になる。片手で操作するときも誤操作が起きず、非常に快適。そもそも「人は、ボタンがあると押してしまうもの」なのだ(意味不明)。ちなみにこのような“うきうきする感じ”は新たに端末を購入する上で大変重要。「何でもいいから、仕方なくとりあえず安いので」などと購入した場合は決して得られないものである。

 ともあれ、今のところStormは日本語を入力できないので、日本語でメールを返信ができないのがつらい(ほかの端末やノートPCを開かなければならない)。とはいえ、受信した日本語メールは表示できるので致命的ではないし、この操作感はやはりたまらない。しばらくは主力端末の1つとして活用していくことになりそうだ。


製品名 BlackBerry Storm 9530
本体サイズ(高さ×幅×厚さ) 112.5×62.2×14ミリ
重量 155グラム
通信方式 HSDPA(W-CDMA 2100MHz)、GSM(850M/900M/1800M/1900MHz)、CDMA2000 1x EV-DO
ディスプレイ 360x480ピクセル 3.5インチSurePressタッチパネル液晶
カメラ 320万画素 オートフォーカス対応
サポートメディア形式 音楽:MP3、AAC、AAC+、eAAC+、WMA、WMA ProPlus
動画:MPEG-4 H.263、MPEG-4 Part 2 Simple Profile、H.264、WMV
主な機能 BlackBerryメール、A-GPS、microSDスロット(microSDHC対応)、HTMLブラウザ、加速度センサー、Bluetoothなど
   
購入日 2009年1月1日
購入価格 5500香港ドル(日本円換算:約6万5000円)
一言 意外と使いやすい“押せる”タッチパネル。高級感あるボディの質感もBlackBerryならでは
物欲満足・購入オススメ度 ★★★★★(5段階表示)

photo

山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、2008年は100台以上携帯電話を購入。所有する海外端末数は500台以上。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年