インタビュー
» 2009年02月10日 15時35分 UPDATE

開発陣に聞く「P-04A」「P-05A」:「ほぼ完成形」の海外対応極薄モデル、“家ではきちんとオトーサン”なビジネスユーザーに──「P-04A」「P-05A」 (1/3)

厚さ9.8ミリの極薄ボディとワンセグを継承しながら、3.2MカメラやGSM国際ローミングに対応した「P-04A」。前モデルのP706iμと何が違うのか、どこが進化したのか。パナソニック モバイルのP-04A/P-05A開発チームに聞いた。

[岩城俊介,ITmedia]
photo パナソニック モバイル製の「P-04A」(RED、BLACK、SILVER)と「P-05A」(Solid Black)

 「とにかく薄く」をコンセプトに開発された、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の“iμ”シリーズ。今まで、厚さ11.4ミリを実現した「P703iμ」(2007年2月発売)、3G国際ローミングに対応した「P704iμ」(2007年7月発売)、さらに1.6ミリも薄くした厚さ9.8ミリの“極薄ボディ”「P705iμ」(2008年2月発売)、極薄のままワンセグまで搭載した「P706iμ」(2008年7月発売)を開発。iμシリーズは、この“極薄ボディ”と金属素材を用いた“高級感”の演出とともに、主にシンプルな外観と使い勝手を望むビジネスユーザーに評価されてきた。

 ドコモ向けの新機種「P-04A」と「P-05A」も、この層をターゲットにした“SMART”シリーズとして展開。多くの特徴を継承しつつ、いくつかのビジネスユーザーにニーズのある機能を向上させた。

 前モデルのP706iμから何が進化したのか、どこにこだわりを込めたのか。パナソニック モバイルの「P-04A」「P-05A」開発チームに聞いた。

photo パナソニック モバイルの「P-04A」「P-05A」開発チーム。左から電気設計担当の林一彦氏、ソフトウェア担当の長谷川善久氏、商品企画担当の西村真氏、プロジェクトマネージャーの大北英登氏

9.8ミリ極薄モデルの「ほぼ完成形」に仕上げた

photo 左から「P703i」「P704iμ」「P705iμ」「P706iμ」「P-04A」

 P-04AとP-05Aは、“仕事もプライベートも充実させたい30代〜40代の男性”をコアターゲットにするドコモのSMARTシリーズとして展開する新機種。SMARTシリーズは、従来の薄型モデル“iμ”シリーズの薄型ボディや洗練されたデザイン、ビジネスシーンに役立つ機能を継承したモデルとなる。

 前モデルのP706iμから、厚さ9.8ミリの極薄ボディはそのままに、320万画素のAFカメラ(6軸手ブレ補正+顔認識AF付き P-04Aの場合)を新たに備え、GSMのWORLD WING(国際ローミング)に対応した。

 中でも、特に苦労したのが3バンドGSM国際ローミングへの対応だという。

 「9.8ミリという薄型ボディの中にGSMも入れるのは、実はかなりハードルが高い取り組みでした。P706iμでなんとかワンセグを搭載できましたが、実はその時点では、まだGSMを搭載できるだけの開発が追いついていませんでした」(プロジェクトマネージャーの大北英登氏、以下大北氏)

 P-04Aのコアターゲットは30代から40代を中心とするビジネスユーザー。P704iμから3Gの国際ローミングには対応していたが、この層からはさらに「(北米エリアや中国などでもそのまま使える)GSM国際ローミング機能も必要」という声が多かった。

 「P706iμはこの限られた体積の中にワンセグが入りましたが、今回はさらにGSMも──ということになりました。でも、もうみじんもスペースがありません。このため、中身の基板構成をまったく違うものに一新しました」(大北氏)

 ドコモの“P”端末はP-01Aから、電送系とアプリ系のプロセッサを統合し、体積を圧縮できる1チップ構成とした。P-04Aもこれを応用しつつ、いままでばらばらに実装していた基地局とやりとりするための送受信回路や変調復調機、フィルター類──といったRFブロックを3D構造でモジュール化し、限られた基板内に効率的に実装できるよう小型化した。

 GSMの国際ローミングに対応したことにより、計179の国や地域(2009年1月27日現在)で普段使う電話番号やメールアドレス(iモードは136の国、地域で対応)をそのまま使用できるようになる。

photophoto 背面パネルはそれぞれ異なる加工が施される。P-04Aは円状に広がるサーキュラー加工、P-05Aはややマットで工具のグリップのような格子柄加工となっている
photo キーの表面を立体的に仕上げた“レリーフキー”

 薄くスマート、かつ堅牢で高級感のある印象を与えるボディは従来の“iμ”を継承。さらに外観デザインにいくつかの工夫を凝らし、“変わった感”を演出する。

 「厚さ9.8ミリは継承しますが、さらにデザイン的にも変わったところを見せたいと思いました。サーキュラー加工(P-04A)を施した外観の見た目はもちろん、ディスプレイを開いた時にもそれを感じていただけるようなダイヤルキーを採用しました」(商品企画担当の西村真氏 以下、西村氏)

 P-04Aは、デザイン性と押しやすさを兼ねる「レリーフキー」と呼ぶダイヤルキーを採用。これは、auの薄型モデル「W62P」や「P001」にも採用したもの。数字の刻印が凸状に盛り上がる形状のため、指の感触でキーの位置を判別しやすい特徴がある。レリーフキーの裏から透過するバックライトにより、暗所でもキーをくっきり認識しやすいメリットもある。


photo P-04Aの着信LEDはP706iμの1灯から3灯に。通話着信とメール着信の有無はディスプレイを開くことなく、ある程度容易に判別できるようになった

 このほか、背面パネルに備える着信LEDは3灯に増やした。ワンセグ搭載のためにP706iμはサブディスプレイを省き、1灯のみとしたが、“さりげなく”メールと電話着信を認識できるよう個別のLEDを用意した。

 「会議中など、あからさまに携帯を開けない時でも、電話かメールかをスマートに判別したいという声を反映しました。イルミネーションの光り分け設定(アドレス帳に登録する人やグループ別にイルミネーションや着信音を設定できる)により、誰からの着信もある程度は判別できます。ビジネスユーザーは、着信音を鳴らさないバイブレータ設定のままという人も多いので、着信音の鳴り分け以外の何かも必要という声が多いのです」(西村氏)

 ちなみに、この3つのLEDで時刻も分かる。「時計イルミネーション」の設定と側面の[▲]キーにより、左が時間、中が十の位の分、右が一の位の分、長い点滅が「5」、短い点滅が「1」として表現する。

 「今までも1時間おきの“時報的”な時計イルミネーションはありましたが、3つのLEDを使うことで何となく時刻も分かるようにしました。もちろんサブディスプレイの時刻表示と比べると分かりにくいとは思いますが、時刻によって変わるイルミネーションとして、本体のデザインと掛け合わせた表現として楽しんでいただければと思います」(西村氏)

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