第6回 自分に合う料金プランは何か──ドコモとauの場合ケータイの「分離プラン」を改めて考える(2/2 ページ)

» 2009年02月17日 16時10分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 さて、この2社は「どのように“1カ月に通話する時間”に応じた料金プランを選ぶか」がいかにお得に使えるかにつながる。無料通話分を含む料金プランは「たとえ繰り越しできたとしても、余らせない」プランを選択するのがベターである。少し古いものだが、2006年当時の記事でも十分に参考になると思われる。

 しかし、この図式も「基本料金50%オフ」(ドコモの「ひとりでも割50」、auの「誰でも割」)が当たり前になると、少し見直す必要が出てくるかもしれない。

 基本料金が半額になっても無料通話分は変わらないため、料金プランごとの通話時間における損益分岐点がずれてくるためだ(ちなみに従来と分離プラン導入後の料金の差額は一定で損益分岐点のズレは発生しない。差額がそのまま利用料金に反映される。ドコモとauともに、最も低廉な基本料金だけ分離プランの割り引き額が大きい分、ズレが少々発生するが、これはごくわずかだ)。

 この「基本料金が半額」になったときのズレは、ドコモを例に表でまとめてみよう。

料金プラン別の損益分岐例料金プラン基本料金/通話料金(30秒)無料通話分/無料通話時間(約) タイプSSとタイプSの損益分岐タイプSとタイプMの損益分岐タイプMとタイプLの損益分岐タイプLとタイプLLの損益分岐
ベーシックコース 基本料金割引なし   損益分岐通話時間(約)50分112分
(1時間52分)
250分
(3時間10分)
550分
(9時間10分)
タイプSS3780円/20円1000円/25分 4830円7434円1万3230円2万5830円
タイプS4830円/18円2000円/56分 4830円6964円1万2180円2万3520円
タイプM6930円/14円4000円/143分 6930円6930円1万80円1万8900円
タイプL1万80円/10円6000円/300分 1万80円1万80円1万80円1万5330円
タイプLL1万5330円/7.5円1万1000円/733分 1万5330円1万5330円1万5330円1万5330円
ベーシックコース 基本料金半額(ひとりでも割50など)   損益分岐通話時間(約)38分84分
(1時間24分)
197分
(3時間17分)
425分
(7時間5分)
タイプSS1890円/20円1000円/25分 2436円4368円9114円1万8690円
タイプS2415円/18円2000円/56分 2415円3490円7762円1万6380円
タイプM3465円/14円4000円/143分 3465円3465円5057円1万1760円
タイプL5040円/10円6000円/300分 5040円5040円5040円7665円
タイプLL7665円/7.5円1万1000円/733分 7665円7665円7665円7665円
バリューコース 基本料金割引なし   損益分岐通話時間(約)54分112分
(1時間52分)
250分
(3時間10分)
550分
(9時間10分)
タイプSS1957円/20円1000円/25分 3175円5611円1万1407円2万4007円
タイプS3150円/18円2000円/56分 3150円5284円1万500円2万1840円
タイプM5250円/14円4000円/143分 5250円5250円8400円1万7220円
タイプL8400円/10円6000円/300分 8400円8400円8400円1万3650円
タイプLL1万3650円/7.5円1万1000円/733分 1万3650円1万3650円1万3650円1万3650円
バリューコース 基本料金半額(ひとりでも割50など)   損益分岐通話時間(約)40分84分
(1時間24分)
197分
(3時間17分)
425分
(7時間5分)
タイプSS980円/20円1000円/25分 1610円3458円8204円1万7780円
タイプS1575円/18円2000円/56分 1575円2650円6922円1万5540円
タイプM2625円/14円4000円/143分 2625円2625円4217円1万920円
タイプL4200円/10円6000円/300分 4200円4200円4200円6825円
タイプLL6825円/7.5円1万1000円/733分 6825円6825円6825円6825円

 例えばバリューコースのタイプSSとタイプSを比べると、基本料金の割り引きなしだと通話時間が54分以上で、1つ上のタイプSの月額利用料金(基本料金+通話料金)が安価になる。しかし基本料金が半額(ひとりでも割50加入)になると、40分ですでにタイプSが安くなる。

 また、タイプMとタイプLは、基本料金割り引きなしだと250分の通話で利用料金が同額になるが、基本料金50%オフだと197分、つまり約1時間ほど短い時間でタイプLが安くなる。もちろん「無料通話分を使い切る程度がベター」な点は変わらないが、無料通話は「余るよりは少し超えるくらいがよい」の法則は意外に揺らぐことも分かる。

 ドコモとauにおける無料通話料金込みの基本料金体系は一時期、“発信先や時間帯で異なった通話料金が一本化された”ことで分かりやすくなった。基本料金の割り引きがそれほど大きくなかったこの時代は、無料通話分は「余るよりは超えるくらいがよい」の法則がまさに当てはまった。

 ところが2009年現在は、単独の個人契約でも“基本料金半額”が当たり前になってしまったので「どの料金プランが自分に合っているのか」を判断するのが少し難しくなったといえる。つまり「毎月無料通話分が余り、さらに繰り越しても使い切れない場合」であっても「低廉な基本料金プランに切り替えることで得にならないケースもある」ことは覚えておいて損はないだろう。

 (続く)


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