若者目線で取り組む挑戦、直感的な「何か、いいね」を目指して──「830N」開発陣に聞く「830N」(1/3 ページ)

» 2009年02月20日 00時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo ソフトバンクのNEC製端末「830N」

 国内の携帯・PHS契約数が1億1000万を超え、多くの人が1台は所持するほど一般的になった携帯電話。今、目の前にある自分の携帯電話は、何を決め手に選んだだろうか。

 「直感的」に──。デザインや機能、価格、最新だからなど、決め手は人それぞれ。ただ、業務用途や無理矢理買い与えられでもしない限り、何か自分が納得できる理由が存在するはずだ。

 ソフトバンクモバイルのNEC製端末「830N」は、このユーザーの「直感力」を喚起するというコンセプトで開発された。

 基本機能はドコモの“amadanaケータイ”「N-04A」とほぼ共通するこの830Nは、N-04Aとどこが違うのか、そしてどんな“直感力”を喚起するのか。NECの「830N」開発チームに聞いた。

photo NECの「830N」開発チーム ソフトウェア・ウィジェット担当の藤井陽介氏、商品企画担当の二滝孝氏 (文中にソフトウェア・ウィジェット担当主任の森山祐助氏)
photophoto ソフトバンクのNEC製端末「830N」。カラーはピアノブラック、フロストグリーン、グリッターオレンジ、エナメルピンク、パールホワイトの5色。厚さ13.9ミリの薄型スライドボディを採用する

直感的に「何か、いいね」と感じてもらえる端末に

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 幅49ミリ、厚さ13.9ミリの薄型コンパクトな“アークスライド”ボディが特徴の830N。フルワイドVGA(480×854ピクセル)の3インチディスプレイ、3.2MピクセルのAF(オートフォーカス)カメラ、おサイフケータイ、ワンセグ、最大7.2Mbpsの3Gハイスピード、Bluetooth、SRSサウンドなどを搭載し、ドコモ向けの「N-04A」と同じく、多くの機能や特徴をこのコンパクトボディに凝縮する。

 ただ、やや高い年齢層をターゲットにする“SMART”シリーズのN-04Aとは少し異なり、ソフトバンク向け“ならでは”の若々しさを多分に盛り込んだ。

 「想定ターゲットは20代の男女です。若い人は音楽やファッションが生活に特に密着していますし、直感的に“いいね”と自分が思うものを取り入れます。生活に密着するケータイも、店頭で手にとっていただき、まず“いいね”と感じてもらいたいものに仕上げたいと思いました」(二滝氏)

 830Nの開発コンセプトは「直感力」。ポップな色づかいや華麗に開くアークスライドを軸にするデザインはもちろん、新たに採用したモバイルウィジェットやSRSサウンドやワイヤレス再生(Bluetooth)機能など、メインの端末として存分に使える機能を持たせた。もちろん、高解像度のディスプレイやワンセグ、おサイフケータイ、HSDPAの高速通信(最大7.2Mbpsの3Gハイスピード)など、ニーズが高い機能もきちんと備える。

 N-04Aとシルエットこそは似ているが、830Nはポップなカラーリングと微妙に異なるデザインで、やはりどことなく若々しい。ディスプレイが円弧状に開くアークスライドのデザインをより生かすため、裏面と底面になだらかな曲面を加えたという。

photophoto ドコモ向けの「N-04A」と比べると、底面や裏面に微妙な曲面がある
photo N-04A譲りの“心地よいスライドの操作感”と同時に、裏面に微妙な面取り処理を施したことで、手にした感触がほどよく柔らかくなった

 「裏面を微妙になだらかな曲面にしたので、手にすると柔らかく、角を感じにくいものになっています。カラーもN-04Aの落ち着いた“オトナっぽい”トーンのものに対し、その反動ではありませんが(笑)、思い切ったことがやりたいというデザイナーの意向も含めて、このようなポップなカラーを採用しました」(商品企画担当の二滝孝氏 以下、二滝氏)

 カラーはグリッターオレンジ、ピアノブラック、エナメルピンク、パールホワイト、フロストグリーンの5色を用意する。このうち4色は華麗な光沢が特徴、フロストグリーンのみ半つや消しに仕上げた。N-04Aと比べると、黒系の色はもちろん、ピンクも大きく受けるイメージが異なるポップな配色になっている。

 「この5色のうち、じつは半つや消しフロストグリーンを入れる予定はありませんでした。普段は白系や黒系といった定番色が上位に来るのですが、このデザインとカラーで事前調査をすると、意外に均等に支持が分かれたのです。このように、年齢にしても性別にしても幅広い層にアピールできるカラーを用意できたと思います。曲面を取り入れたことで得られる感触とともに、スライドの“心地よい開け具合のよさ”も手にして確かめてもらいたいですね」(二滝氏)


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