第5回 “D4”をねっとり愛した数カ月「WILLCOM D4」ロードテスト(2/3 ページ)

» 2009年03月31日 02時22分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ところで、D4と同じプラットフォームの富士通「LOOX U」、ソニー「VAIO type P」もしばらく試用した。LOOX Uは両手親指打ちで使うには最高クラスの小型PCだと思うし、type Pも机上でキーボード操作を中心に使う小型ノートPCとして非常によくできている。

photophoto 左:富士通の「LOOX U」 右:ソニーの「VAIO type P

 そして、この2モデルに触れて「D4の代わりにはならない」ということも改めて分かった。

 企画上、あくまでD4側に立った目線であることは了承願いたいが、LOOX Uはポインティングデバイスの操作がどうも馴染めず、ディスプレイを表にして使用することはできるものの、縦向きで片手で持つにはやや幅がある。type Pは、基本的に手で持ったまま使うことを想定していない。

photo 「Grab and Drag」の設定画面。UIは英語だが、初期設定のままでもさほど不便なく使える。グラブ&スクロールができるだけでも縦長画面でのFirefoxの操作がかなり快適になる

 対してD4は、閉じて手に持ったまま横向きで使う時も、表面にあるタッチパッドで操作はそこそこ快適。そのまま縦向きにしても、しっかり握れる幅に抑えられている。確かに机上で使うキーボードの操作性は明らかに見劣りするが、これはBluetooth機器などとともに、なんとかできる。そもそも筆者は別途ノートPCも一緒に持ち運ぶので、D4でヘビーに長文を入力するような使い方はしない。

 そんなD4を、最近は縦向きスタイルで、いわゆる“ぜいたくな携帯フルブラウザ”として使っている。Firefoxのアドオン「Grab and Drag」と「FireGesture」が、D4とすごく相性がいいことを改めて知ったためだ。

 Grab and Dragは、スタイラスで全方向のグラブ操作(“ページをつかむ”よう画面スクロールを行う操作)や慣性スクロールを可能にしてくれるアドオン。例えば、iPhone 3GにおけるSafariの操作スタイルをなんとなく想像してもらうとよいだろうか。スタイラスでWebサイトのスクロールを自在に制御でき、はじくようにスライドすると慣性スクロールも可能。コツをつかむと、縦に長いニュースサイトの流し読みなどに非常に重宝する。


D4のブラウザを劇的に使いやすくするグラブ&スクロール。Firefoxのアドオン「Grab and Drag」により、ディスプレイをタップしてそのままスタイラスを動かした方向にスクロールできる
(ムービーはこちらからでも参照できます)

“パッ”と払うことで慣性スクロールも。このくらいの速度にすると、スクロールさせたまま文字を読むことも可能だ
(ムービーはこちらからでも参照できます)

もちろん、払う速さでスクロールの速度も自在に調整できる。慣れてくると、これが非常に快適だ。奇しくも同日に発売された某Phoneと同じようなことができる……というと言い過ぎだろうか
(ムービーはこちらからでも参照できます)

photo 「FireGesture」の設定画面。Firefoxの適当な機能にジェスチャー動作を割り当てられる

 FireGestureはスライラスでジェスチャー操作を可能にするアドオン。上下左右、4方向の動きを識別し、戻るや進む、タブを閉じる、上端・下端に移動、フォントサイズ変更といった動作をジェスチャー操作に割り当てられる。

 D4のディスプレイは1024×600ピクセルの5インチ液晶。この画面は、画面から1メートルほど離れてしまうとデスクトップに何があるのか、どんな文字が表示されているのかが認識できなくなるほど、筆者の目に細かいもの。D4を持ち、この細かい画面の中にある小さな「戻る」ボタンをスタイラス操作することを想像してみてほしい。……適当な位置で操作できるジェスチャーのほうがよさげであろう。筆者は通常のマウスやタッチパッド操作ではどちらの機能も使わないが、手に持ってスタイラス操作を行うならば、これがないとだめな体になってしまった。


タップ&ホールド(スタイラスで画面をタップし、タップしたままひと呼吸停止)後に、左→右→上の動作でフォントサイズを拡大、左→右→下の動作でフォントサイズを縮小など。反応時間はそれなりだが、メニューをちまちま操作するより相当楽になるのだ
(ムービーはこちらからでも参照できます)

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