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» 2009年04月08日 00時00分 UPDATE

ケータイだけでなく、ライフスタイルをデザインする──「iida」の狙い (1/2)

KDDIが4月7日に発表した、デザインに注力する新しいブランド「iida」とは、いったいどのような考えから生まれたのか。発表会の模様と新たに登場した製品から見えてきたKDDIの狙いをまとめた。

[園部修,ITmedia]
Photo KDDI 代表取締役社長兼会長の小野寺正氏

 「KDDIが目指す“アンビエント社会”を実現するために重要なの4つの要素、『innovative』『design』『usability』そして『買いやすさ、選びやすさ』。新商品では、これら4要素の中でも、特にinnovativeとdesignに思いを込めた。auでは、これまでも商品作りにおいてイノベーティブとデザインというキーワードを大切にしてきた。今後はデザイン力を軸に、革新性や創造性、芸術性を踏まえて、ユーザーの豊かな暮らしを創造していきたい」

 端末だけでなく、周辺機器までデザインでくくっていくという、auの新しい製品ブランド「iida」。これまでKDDIが展開してきた、先進的なデザインを追求する「au design project」や、長く使いやすいスタンダード端末「NSシリーズ」などの発展系に位置づけられるこの新ブランドは、KDDIとデザイナーとのコラボレーションによって、新しい製品だけでなく、周辺機器も含めて「ライフスタイルをデザインする」ラインアップだ。

 iidaブランドを発表した代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は、「ユーザーをドキドキさせる製品を展開していきたい」と自信を見せた。

iidaはデザイナーとのコラボを生む新しいプラットフォーム

 iidaとは、「innovation」「imagination」「design」「art」の4つのキーワードに由来するブランドで、au design projectでも意識していた“先進的なデザイン”という部分はそのままに、さらにユーザーのライフスタイルを彩る質感や使いやすさ、かわいさ、手触りの良さ、愛着の持てる要素、遊び心などを内包する、生活の広がりまでも含んだ、「auのもう1つのブランド」だ。au design projectと、New Standardを意味するNSシリーズは、iidaに発展的に吸収され、デザイナーが手がける端末は、今後はiidaブランドで登場する。

PhotoPhoto 「iida」はauのラインアップに内包されるブランドだが、社外のデザイナーとのコラボレーション。これまでのau design projectやNew Standardシリーズのような取り組みは発展的に取り込んでいく
PhotoPhoto iidaはブランドテーマとして「LIFE > PHONE」を掲げ、携帯電話だけでなくライフスタイルにまで踏み込んだデザインを提案する。iidaの語源はinnovation、imagination、design、artの4つの要素の頭文字だ
Photo iidaは、au design projectが手がけていた先進的なデザインだけでなく、ライフスタイルのさまざまな要素を含んだブランド
Photo KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏

 KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は「iidaは外部のデザイナーとのコラボレーションで展開する、いわば1つのプラットフォームのようなもの。新しいプラットフォームに、いろいろなデザイナーさんに寄り添ってもらい、いろいろな発想に基づいて広げていきたい」とその狙いを話した。

 iidaの構想は、2008年2月ころに、KDDI社内の20代から30代の若手社員が集まり「何か新しいことができないか」と考え始まった。2008年の初頭といえば、KDDIは新プラットフォーム「KCP+」の産みの苦しみを味わい、デザインも売れ筋のものに向かう傾向が強く、「個性が失われた」などと言われていた時期だ。こうした状況に疑問を感じた有志が、自発的にiidaのプロジェクトをスタートさせた。

 プロジェクトのコアメンバーは8〜10人ほどで、そのうち半数以上は女性。社内で役員などを相手にプレゼンテーションをする際も、その若手メンバーが中心になって行ったという。また、これまでストラップやケース、イヤフォン、スピーカーなど、さまざまな端末関連グッズなどをラインアップしてきた「another work*s」の部隊もiidaに合流した。

 「iidaは社内MVNOのような存在。iidaでの取り組みが、auブランドにもいい刺激を与えながら育っていくことになると思う」(高橋氏)

 端末のリリースサイクルは、これまでの春モデルや夏モデル、秋冬モデルといった商戦に合わせた時期ごとというわけではないようだ。その端末ごとに、最適なタイミングを計って出していく。ただ、iidaブランドを冠して発売するモデルは、これまでのau design projectモデルよりも多くなるため、1年〜2年に1回といった長いスパンではなく、年に数回くらいのペースになる。

 なお、iidaの音の響きが、KDDI本社が所在する「飯田橋」に似ているとの指摘があることについては、「iidaの名前の由来とはまったく関係ない」と高橋氏がコメントした。

感性に響く上質なデザイン──「G9」

 この“ユーザーのライフスタイルをデザインする”ための端末の第1弾が、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「G9」だ。「G9は、感性に響く上質なデザインを採用しつつ、道具としての上質感と使い心地も追求した、世界で使えるファーストモデル。iidaの原点であり、この端末がスタートになる」(高橋氏)

 ベースとなっているのは、「Cyber-shotケータイ S001」だが、カメラ機能などは必要最小限に抑えられている。その一方で、フレームにチタン化合物を薄膜コーティングしたステンレスを配し、アルミ製のスラントキーを採用するなど、一目見て分かる高い質感を持つ。

PhotoPhoto G9はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスライド端末。ステンレスのフレームやアルミ製のキーを備えるなど、質感が高い

 G9のデザインを手がけたのは、かつてau design projectで「GRAPPA」をデザインした岩崎一郎氏。G9は、このGRAPPAの2009年版「GRAPPA 2009」を短縮して付けられた名前だ。

 非常に質感が高く、ビジネスシーンなどにもマッチするG9向けの周辺機器として、同じく岩崎氏がデザインしたのが「Mobile pico projector」。G9とほぼ同じサイズで、ワンセグやデータフォルダ内の写真、端末によってはPowerPointの資料なども投影できるスタイリッシュな小型プロジェクターだ。3000台の限定販売だが、G9と同時に購入すれば、半額以下で購入できるキャンペーンも実施する。

PhotoPhoto G9と合わせて使える小型プロジェクター「Mobile pico projector」も登場。G9とMobile pico projectorのデザインは岩崎一郎氏が手がけた
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